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【感想】ウルトラセブン 第42話「ノンマルトの使者」

2週間ぶりの更新です。ARAIです。

先週は「セブン4K」第42話の放送がお休みだったので、ブログの更新もお休みとさせていただきましたが、なんとその分今日は第42、43話の二本立て放送だったようですね。

この間の平日―月曜日だったかな?―の再放送回は順当に第42話を放送していたようなので、本放送と再放送が前後してしまうというイレギュラーなかたちとなっているようです。

明日月曜日の再放送分で第43話を放送して、来週30日の日曜日から第44話の一話ずつと、通常の流れに戻るものと思われます。

 

それにしても、よりによってこの二本を同時放送するとは…。何の因果か、なかなか濃い日曜朝になった方もいらっしゃるのではないのでしょうか。

あわよくば今日中に二本連続の更新をできればと思ってはいるのですが、如何せん、相変わらず文章を書くのに手間取っておりましてね…。とりあえずは一本目の、第42話の感想に集中したいと思います。余力があれば、第43話の感想も併せて更新ができればと…。

 

さて、それではいきましょう。「セブン4K」第42話です。

 

ウルトラセブン 第42話「ノンマルトの使者」

「セブン」 最大の問題作 ~「セブン」の持つ魅力の一つ~

「セブン」最大の問題作と言われている今回のお話…、なんですが、ちゃんと見たのが個人的にすごく久しぶりだったということと、第1話から順番に見ていってこのお話を見るということ自体が実は初めてだったということもあって、なんだか初見時よりもかなり印象が変わったというか。

内容自体は、なるほどたしかに「セブン」エピソードの中でもかなり衝撃的なお話に分類されるだろうなと感じましたが、このお話だけをもって「セブン」という作品そのもののテーマだったり、作風だったり、世界観だったりを語る、読み解くというのは、もちろんできないだろうなと。

今回のお話は、あくまで数ある「セブン」エピソードの中の一つであって、「セブン」の全てではなくて…。「セブン」という作品の持つ多様な要素や魅力、側面のほんの一部分に過ぎないもので。

なまじ今回の4K放送を機に、第1話からじっくりと楽しんでいる身としては、今回のお話の他にも、印象的だったり衝撃的だったりするお話にたくさん出逢うことができているので、私個人としては…、何と言えばいいんでしょう、「ノンマルトの使者」というワードの持つ雰囲気や先入観に引っ張られ過ぎずに楽しむことができたというか。色眼鏡なしに純粋に今回のお話を見ることができたような気がしていますね。

 

まああるいは、私自身が何より気にし過ぎていただけのことなのかもしれません。大人になってからあの「ノンマルトの使者」を見たらどんなことを思い、感じるのだろうと、そんな不安と期待の入り混じった想いがまったくなかったわけではありませんから。

自分一人で勝手に緊張して、落ち着いて冷静になって、それで見てみたら意外とすんなりいつも通り楽しめたじゃん、大丈夫だったじゃん、と。いわば独り相撲のようなかたちで盛り上がって、取り乱して、醒めたようなかたちになっているだけ…、なのかもしれません。

 

ずいぶんと前置きが長くなってしまいました。

 

さて、本編の内容としてはご存じの通り、「地球人が実は侵略者だったかもしれない」という、これまでの戦いそのものをまるごと否定できてしまいそうな、あるいはこれまでの戦いすべての根本に疑問符を投げかけるようなもの。

しかし結局のところ、作中で真実が明らかになることはありません。真市の言葉が真実なのか、ノンマルトの正体は本当に地球の先住民だったのか、あの海底都市はノンマルトの文明だったのか、セブンは「侵略者」の味方をしてしまったのか…。エンディングでのナレーションの通り、すべてはまさに永遠の謎。

ただ一つたしかなことは、人類が、突如現れた未知の勢力と戦い、勝利したということ。この点だけを見れば、おおよそこれまでウルトラ警備隊やセブンがしてきたことと何ら大差なければ、違和感もまるでないような気がしてきます。

 

戦闘パートは前回に続きプール撮影での戦いが展開されました。嬉しいですね。

アイスラッガーを片手にガイロスと戦うセブンは必見。実に見応えのある戦闘パートに仕上がっていました。

また、ハイドランチャーやホークの活躍もあったりとメカ面でも充実。ドラマパートに注目されがちな今回のお話ですが、やはり特撮も侮れない出来栄えになってはいます。いえ、だからこそ、このお話はなおさら人気が高いのかもしれませんね。

 

一方、冒頭でごく普通に海水浴を楽しむダンとアンヌ隊員や、司令室でホイとヘルメットをパスしたり、コーヒーを淹れようと話をしたりと、総じて和やかな雰囲気のウルトラ警備隊の姿を見ることができたりと、やはりどうにも全編を通して見どころだらけですね、今回は。見れば見るほど色んな発見ができそうです。

 

例によって、以下でもう少し詳しく見ていきましょうか。

 

ノンマルトの使者 ~地球原人と蛸怪獣~

登場したのは地球原人ノンマルトと、蛸怪獣ガイロス。

前者ノンマルトは、肩書の通り地球の先住民を名乗り、海底開発を進める人類の前に立ちはだかります。人類への直接のメッセンジャーとして、2年前に事故で亡くなった少年・真市の名(と、おそらく姿も)を借りて、ダンを中心とした地球防衛軍へ警告を放ちます。

海底開発のシーホース号を爆破し、イギリスの原子力潜水艦グローリア号を使って地上へ攻撃を仕掛けるなど、事前に警告を発しているとはいえ、なかなかに過激というかせっかちというか…。少年の姿とはいえせっかく人類とコミュニケーションを取れる術があるんだから、もうちょっとこう、穏便に事を運ぼうとは思わなかったんでしょうか。それともやはり「地球の先住民」という主張は嘘で、ただ単に地上を、地球を侵略したかっただけなんでしょうか。真相はやはり、謎のままです。

最終的にはウルトラ警備隊のハイドランチャーによる攻撃を受け、グローリア号は轟沈。搭乗していたノンマルトも死亡したものと思われます。

 

その後登場した海底都市とノンマルトとの関係性については不明です。あそこが本当にノンマルトの最後の故郷だった可能性もありますし、別の侵略者の拠点だった可能性もあります。個人的にはこのシーンでいつかの地底都市での戦いを思い出したのですが…。

いずれにしても、キリヤマ隊長の命令を受け放たれたハイドランチャーの攻撃により、海底都市は滅亡しました。

 

後者、蛸怪獣ガイロス。

作中の描写から、まず間違いなくノンマルトの眷属であると考えられる、肩書通り蛸のような怪獣です。

城南大学海底探検部の船を襲撃するかたちで登場。ホーク1号とハイドランチャーの猛攻を受け割にあっさり沈黙、もとい死んだふりでやり過ごし、グローリア号の襲撃と共に再び姿を現し、人類の前に立ちはだかります。

その後、現れたセブンと対峙。海上で激しい戦いを繰り広げ、その複数の脚でセブンに絡みつき善戦しますが、海中からアイスラッガーで次々と脚を切断されていき、敗北。力尽き、海底へと沈んでいきました。

 

「地球」を「護る」警備隊 ~名付けて「ウルトラ警備隊」~

今回のウルトラ警備隊を語る上でまず外せないのはキリヤマ隊長でしょう。「ウルトラ警備隊全員に告ぐ!ノンマルトの海底都市は完全に粉砕した!我々の勝利だ!海底も我々人間のものだ!これで再び海底開発の邪魔をする者はいないだろう!」は、第26話での「悲しいマラソン」絡みの台詞と同様に、今回のお話とセットとなって語られることの多い台詞です。

彼の下した判断と命令も含め、何かと議論の的になることも多いこの台詞(を含めた一連の流れ)ですが、たしかにキリヤマ隊長にしては珍しく攻撃的というか、妙な圧があるというか、どうにもいつもとは様子が異なることはたしか。まあ直前の「我々人間より先に地球人がいたなんて…。そんな馬鹿な。やっぱり攻撃だ。」からもわかるように、おそらく多分に迷いと動揺があったのでしょう。

自分たちがこれまでにしてきたことのみならず、自分たち「地球防衛軍」としての信念、矜持、「地球人」としての存在理由、意義、拠り所、それらすべてが根底から覆されるような事態と存在が眼前に広がっているわけですから、いかに百戦錬磨のキリヤマ隊長と言えど動揺するのはやむなしといったところ。

その動揺と迷いを振り払うかのごとく下したのがあの命令なわけですから、そりゃあ口調もトーンも冷静を保ってはいられないことでしょう。そしてあの状況と、地球防衛軍におけるキリヤマ隊長の立場を考えれば、あの判断を100%間違いだと断じることもできないのではないかと個人的には思っています。

 

しかし一方で、ウルトラ警備隊は過去にも未確認文明を滅ぼした実績があります。その時にも少し書きましたが、正体のわからないものを、わからないうちに攻撃し、破壊したという人類のその「行動」と「結果」。未知への「恐怖」から来るものが、いつも「攻撃」と「破壊」を孕んだ衝動と行動だったということについては、やはり今回のお話あるいは「セブン」を語る上では押さえておいた方が良いポイントなのかなとも思います。

その是非はともかくとして、結果的に「セブン」世界の人類が取った「行動」とその「結果」というのは、すなわち「戦い」や「攻撃」、「破壊」と表裏一体の歴史。「地球」を「護る」という言葉の意味を、改めてより深く考えさせられる実に興味深いテーマではありませんか。

 

やや話が逸れてしまいました。話を戻しましょう。

 

ところで、今回の一件。クラタ隊長ならばどのような反応をし、どのような判断を下したのでしょうか。キリヤマ隊長と肩を並べつつも、また異なる毛色を持つ彼が、「地球の先住民」を名乗るノンマルトを前に何を思うのか。興味が尽きないところです。

 

ライドメカ関連では、久々となるハイドランチャーの登場と、ウルトラホーク1号との連携作戦ですかね。激しいドッグファイトとまでは呼べないまでにしても、空海とライドメカの活躍が見られたのは嬉しいところ。特にハイドランチャーに関しては、海底都市を殲滅するという(ウルトラ警備隊としては)かなりの戦果を上げました。

というか、いつ以来の登場ですかね、ハイドランチャー。もしかして第21話以来…?

 

あと細かいところでは、冒頭のダンとアンヌ隊員でしょう。前回のエンディングでのシーンと併せて、もうすっかり親密な関係になっているようです。この辺りも、最終章へ向けて着実に地盤固めができていきている印象ですね。

 

先住民との戦い ~前回とは異なるアイスラッガーの演出~

今回の戦闘パートは前回に引き続き海上で展開されました。プール撮影ですね。やったぜ!

ガイロスを相手にバシャバシャと、見応え抜群のセブンの戦闘が繰り広げられます。ガイロスの繰り出す脚(触手)に若干の苦戦を強いられるものの、難なく拘束を振りほどき、潜水しつつガイロスの脚を次々に切断していくという戦いを展開。

前回同様に海上(海中)でのアイスラッガー使用となりましたが、きちんと演出的にも差別化がなされていますね。(制作順的には今回が先のようですが。)

最終的には脚を切断され続けたガイロスが力尽き、無事に勝利を収めました。

 

ダンの姿でいる時は、M78星雲での「ノンマルト」という名称の認識と、ノンマルト側の主張との間で苦悩している様子も見られ、終始神妙な面持ちが目立っていましたが、セブンの姿になっている時は迷っている様子は見られませんでしたね。

おそらくはセブンに変身した、あるいは変身すると決めた時点で、ダンの中では覚悟と決意が揺るぎないものになっていたのだろうとは思いますが、変身解除後のダンの表情を見るに、一抹の不安は残っているようでした。

 

その他 ~次回に向けて~

さあさあ…、今回に続いて次回はあれですよ…。

今回と次回と、なかなかに濃密で見応えのあるお話が続きます。次回のお話もまあ、個人的にはどストライクなお話なので、非常に楽しみにしているんですけれども。

果たして今日中に感想を書くことはできるのでしょうか…(笑)

 

次回は第43話「第四惑星の悪夢」です。

 

それではまた。