今日は用事があったのでいつもより更新が遅くなりました。ARAIです。
11月になりましたねぇ…。2021年も残すところあと2か月を切ったわけですよ…。恐ろしいです…。
さあ、それでは今日もいきましょう。「セブン4K」第33話です。
ウルトラセブン 第33話「侵略する死者たち」
最大級の怖さ ~見どころの多いホラーエピソード~
またインパクトのあるお話を持って来やがったなというのが第一印象。
ホラー要素の濃いエピソードが多い「セブン」の中でも、死者を取り扱っている分今回はまた一段とホラーな仕上がりになっていました。というかシャドウマンたちが普通に怖い。これまでで最大級の怖さじゃないですかね。
ふらりと車道へ飛び出してきた人間をポインターが撥ねてしまうというなかなかに衝撃的な冒頭から始まり、そこからじわりじわりと、それでいてどこか淡々と、印象的な場面転換演出を交えながら展開されるお話は「魅力的」の一言に尽きますね。
お気に入りは、暗闇の演出が抜群な死体保管室のシーンと、コップに囚われたセブンを取り囲むシャドウマンたちのシーン。近年のウルトラシリーズでは決して得ることのできないゾクッとした恐怖感を存分に味わうことができます。
この手のお話をまた最新のウルトラシリーズでも見たいと思うもんですが…難しいんだろうなぁ…。
また、細かいところですが、フィルム保管庫として使用された金庫を、マナベ参謀が銃型のキー(あるいは本物の銃?)で開錠するシーンは印象的でしたね。
特撮的にもSF的にも非常に面白い発想だなと。画的にもカッコ良さと締まりがありましたし。
なんだか久々な気がするウルトラホーク1号と宇宙船によるドッグファイトも見られ、今回はホラー要素以外の見どころも多い非常に完成度の高いお話でしたね。スーツの怪獣や宇宙人が登場しないので、放送当時は人気が振るわなかったらしいですが。
実体なき死者たち ~蘇生怪人~
登場したのは蘇生怪人シャドウマン。
元々は身元不明な地球人の遺体でしたが、正体不明の異星人に念力により操られ、ウルトラ警備隊と接触。そのまま基地へ侵入し、「影」として侵略行為を開始しました。
素体が地球人であるにも関わらず厳重な金庫を突破し、立ちはだかったセブンを謎の霧でミクロ化し拘束、無力化。さらには地球防衛隊員たちの無力化にも成功。加えて奪取したマイクロフィルムを廃墟経由で宇宙へ送信するなど、そんじゃそこらの宇宙人をはるかに上回る工作員ぶりを披露していました。操っている異星人の念力由来の能力なんでしょうけど、あまりに手際が良過ぎる。
こんな連中に地球防衛軍の情報が渡り、解析されてしまった日には地球は瞬く間に侵略されてしまうでしょうね。激しい戦いによる派手な侵略というよりは、内側からじわじわと静かに侵略されるようなイメージで。それこそ「SEVEN X」の世界のような…。考えるだに恐ろしい。
ちなみに、この「影」については、本編ではやや曖昧にされていますが、要は死者たちの魂、霊魂、思念体、あるいは幽霊などといった解釈で良いのかなと個人的には思っています。身元不明の方々は、死後のその肉体のみならず、霊魂までも操られ、利用されてしまった、ということですね。けっこうえげつないです。
そしてそんな非道な方法で侵略を目論んでいた今回の騒動の黒幕は、本編でその正体が明らかにされることはありませんでした。
大気圏外で待機していた宇宙船のみ登場し、ウルトラ警備隊とセブンと交戦。
セブンを拘束し動きを封じるという信じられない活躍を見せましたが、ウルトラホーク1号の猛攻を受け爆散。
地球人の尊厳を踏みにじった未知の侵略者は、地球人の意地と誇りの前に敗れ去りました。
宇宙で燃える唸り ~ウルトラホーク大活躍~
ドラマパートでは未知の力と恐怖に翻弄され良いとこなしのウルトラ警備隊でしたが、追撃となると一転、作中屈指の大活躍を見せてくれました。
テーマソングをBGMに引っさげ、地球に迫るミサイルを的確に迎撃。その後、あのセブンを容易に拘束せしめた小型円盤の4機編隊と激しいドッグファイトを展開します。
開戦早々に攻撃を躱しながら1機目を撃破し、直後、セブンが連れ去られるのを確認するや方向を転換し、後方3機の攻撃を躱しながら宇宙船母艦を追撃。
ダンの駆るホーク2号とセブンを行動不能に追い詰めた宇宙船母艦のレーザーが前方から、そして小型円盤3機による攻撃が後方から迫るという状況の中で、見事に両者を回避しつつ母艦を攻撃し、セブンの解放に成功しました。
こうなると最早形勢逆転。
一縷の迷いもなく母艦をセブンに任せ、残る3機の小型円盤を1機ずつ確実に撃墜していき、勝利を掴みました。
「地球人の遺体が侵略に利用された」という決して赦すことのできない、敗けることのできない状況において、見事に溜飲が下がる戦いでしたね。地球人としてのウルトラ警備隊の、意地と誇りが表れていたように思います。
また同時に、ウルトラ警備隊とセブンの信頼関係もさり気なく垣間見える展開でもありました。
影との戦い ~囚われたファイター~
今回のセブンは、はっきり言って良いとこなしでした。
等身大変身で登場したかと思えばシャドウマンらに無力化され拘束され…、宇宙空間で颯爽と登場したかと思えば宇宙船に拘束され…。
ここまでセブンが囚われる事態というのは、今までありませんでしたよ。まあそれだけ、今回の事件の黒幕が厄介だったということでしょうが。
というか正直、宇宙空間での戦いに関してはあれは相当にピンチだったと思います。ウルトラホークが駆けつけてくれなければあのままセブンは連れ去られていたわけですし。セブンもけっこう焦っていたんじゃないでしょうか。
実際、最後に宇宙船母艦へ向けて放ったのはエメリウム光線ではなくワイドショットでした。技のチョイスにセブンの怒りを感じます。
そういえばミサイルの迎撃にもワイドショットを使っていましたっけ。
作中の描写を見る限り、宇宙船母艦もミサイルも、けっこうなサイズ感だったので、ワイドショットを使用したのはその辺りも理由として考えられそうですね。エメリウム光線の威力では心許ないと判断した、という可能性もあります。
ちなみに、最初に拘束されたコップについては、特殊な物質でできていたんだと勝手に解釈しています。物理的な力では突破できない物質だと判断し、威力と性質を調整した特殊なエメリウム光線を放った、と。
その他 ~次回に向けて~
次回はまた絶妙なアンバラス感が楽しめるお話でしたかね、たしか。
次回は第34話「蒸発都市」です。
それではまた。