部屋に加湿器を置いてみました。ARAIです。
いやもう効果抜群ですよ。凄いですね、加湿器。
喉とか肌の乾燥感が全然ないです。もっと早く購入しておけば良かった…。
さて、それではいきましょうか。「ウルトラマンデッカー」第25話の感想です。
例によってネタバレを含みますので、本編未視聴の方はご注意ください。
ウルトラマンデッカー 第25話「彼方の光」
その胸が高鳴るのは…
半年に渡り紡がれてきた「ウルトラマンデッカー」の物語もいよいよ最終話を迎えることとなりました。
思い起こせば半年前、7月に放送された第1話を見た時に「お、これは良い掴みだぞ、期待できるぞ」と、胸が高鳴ったことがついこの間のようです。
あれから半年。感じた胸の高鳴りをそのままに、毎週心から夢中になれるお話を紡ぎ続け、魅せ続け、駆け抜けてくれた「デッカー」。
週一回のブログ更新がしんどくなってきたので更新のペースを落としますよと宣言してからわずか1か月半で、また私に週一回の感想を書こうかな、書きたいな、いや何としても書くんだと思わせてくれるほどに、作品としてのその熱量と完成度は非常に高いものだったと思います。
そして何よりも、私自身が心から「好き」と言える作品だったのだと、そう思います。
「最終章」と銘打たれた劇場版の公開がまだ控えているので、厳密に言えば「デッカー」の物語はまだ終わってはいないのですが、TVシリーズ完結ということで、制作に関わった皆様へまずは「お疲れ様でした」と伝えたいですね。
そして「素敵な作品をありがとうございました」と。
Re: 明日へ…
少し前置きが長くなってしまいましたが…、ぼちぼち本編の感想を書いていましょうか。
初見としては、しっかり面白かったなという第一印象でした。
主人公の危機とラスボス降臨、敗北した前作主人公に、再び目覚める禁断の力と、最終話直前エピソードに相応しい盛り上がりと引きを見せた前回エンディングの流れを受けて、その盛り上がりを落とすことなく最高潮かつ一定の熱量を保ったまま、それでいて勢いだけで突っ走ることもなく、しっかりと足元を固めながら、TVシリーズ集大成としてのお話を丁寧に展開していってくれていたような、そんな印象ですかね。
特に、カナタの告白からのイチカとのやり取り、そして3人の「天才」についてムラホシが語るシーンは、まさにドラマとしての「デッカー」の集大成だったように思います。
中間成績時点で最下位だったカナタがなぜGUTS-SELECTに入隊できたのかということにも言及され、ある意味では壮大な伏線の回収だったとも言えるかもしれませんね、ここは。
第6話でソウマから、カナタが隠れて努力しているという趣旨の発言もきちんとあったのも個人的にはポイントで、何の脈絡もなくいきなりカナタを「努力の天才」と定義づけているわけではないよという。
まあもっとも、本編を見てきた視聴者ならばカナタのスタンスをして「努力の天才」と評されることに違和感を覚えることはないかと思いますが、さりとてソウマというキャラクターからカナタの努力を認める発言を、しかも本編の前半にきちんとさせていたという点がやはりかなり大きいかなと。
また、細かいところながら、第19話でのスフィアソルジャーとケンゴのシーンがここで活きてきたのも印象的でしたね。
アガムスでさえも予測しえなかったマザースフィアザウルスの降臨に対してエタニティコアが存在しているからという理由付けがなされ、尚且つそこへさらに、マザーがどのようにしてエタニティコアという存在とその価値を知ったかというところまでの理由付け。
しかもそうすることで必然的にケンゴ=トリガーの出番と役割を与え、と同時に、エタニティコアを抜き出すことに全エネルギーを使い果たしたとして、途中でトリガーが退場しても不自然にならないようにもできていると。
総じて丁寧で、よくよく考えられたお話の構成だったと改めて感じさせられますね。まあ「デッカー」でそういう点を挙げていくとキリはないのですが。
終盤決戦時におけるGUTS-SELECT面々のシーンについても、順当で王道ながらもしっかりと説得力があって熱い展開でした。
哀しみを乗り越えて未来へ進むとしたカナタをはじめ、未来=可能性と語るムラホシ、未来を夢見る邪魔をするなと憤るイチカなど、各登場人物のこれまでのドラマとキャラクターを踏まえた上での言葉になっていました。
また、これら最終決戦での各々の言葉というのは、それがそのまま「デッカー」という作品におけるテーマを表しているのかなとも思ったり。
思えば「デッカー」では、アガムス登場辺りから未来≒進化・繁栄に対してネガティブな描き方がされていました。
ネオフロンティア精神を全力で肯定し、人類の進化と繁栄を基本的にはポジティブなものとして描いていた「ダイナ」に対して、「デッカー」はどこか殺伐とした、ネガティブな要素をメインとして描くことが多かったように思いますし。
しかしながら、最終的にはそれらネガティブな「負」の面をも受け入れ、乗り越え、進み、未来へと繋げていくという決意を示すことで、「デッカー」という作品としての上手な落としどころに着地させてくれました。
スフィアに蝕まれ命の危機にも瀕したカナタが無事に仲間の元へ帰還し、また、劇場版があるとは言え一旦はデッカーへの変身能力を失いただの人間に戻るなど、ことごとく「ダイナ(=アスカ)」とは正反対の描き方を見せているのも実に興味深いところです。
ニュージェネレーション・ネオフロンティアを生きる者たち
カナタ
ついにGUTS-SELECTの仲間たちの前で自らの正体を告白しました。と同時に、彼のアイデンティティがムラホシにより「努力の天才」であると語られました。
こうして考えてみると、GUTS-SELECTに入隊する前から、カナタという男はずっと、ブレることも変わることもなかったのかもしれませんね。
ただ、自分に自信が持てない時があったというだけで、考え方ややっていることの根本は、何も変わらない。
今、目の前で起きていることに対して全力で。
自分が護りたいと思ったものを全部護る。
戦った先に何があるかはわからない、戦いの果てに見る目標なんてものも思いつかない。
それでも自分は今を全力で生きる。
そうして今を紡いだ先に待つ、彼方の明日を見る。
カナタが出した結論としては、ざっくりこんな感じでしょうか。
実のところ、最終話もしくは劇場版で、カナタの中の戦う理由あるいはビジョンのようなものがしっかり定まってくるのだろうなと思っていたんですが、どっこいまさかの見つからないまま、定まらないままというところに落ち着くことになりました。
そしてそれこそが、何よりカナタらしいなと感じている私がいます。
「明日を見る」というのはすなわち、「今を全力で生きる」ことと同義なのでしょうから。
最終決戦後は、ウルトラDフラッシャーと変身道具一式を失うこととなったわけですが、さりとて彼の中から光が消えたというわけではないでしょう。
劇場版で変身することになるのは確定ではありますが、さて、果たしてどういった理由付けでまた変身することになるんでしょうか。
イチカ
デッカーの正体をようやく知ることとなりました。厳密に言えば知ったのは前回ラストだったかと思いますが、まあ実質的には今回の作戦立案の中で改めて実感した、といったところかな。それがそのまま、あの司令室で感情を爆発させたシーンに繋がるのでしょう。
カナタ=デッカーだということを本当に今まで知らなかったというのが意外ではあるんですが、さりとてこれまでデッカーに向けた真っすぐな言葉と想いを考えるに、やはり純粋にデッカーを頼れる仲間として信頼していたのでしょう。それこそカナタやソウマと並ぶ、共に戦う一仲間として。彼女の真っすぐな人柄がそのまま出ているような。
くだんのシーンにおいては、カナタがデッカーであることを秘密にしていたことそのものよりも、何よりやはり、自身が知らぬところでカナタが傷つき、命の危機に瀕していたということに対して想いが溢れたのだと思います。
また、今回の作戦でついにGUTSファルコンを操縦するという大役を担うことになったのは見逃せないところですね。
いつかの時の受け入りで緊張を解こうとするカナタに対して返した言葉がいつも通りのイチカでかわいらしいですね。
ここのところ若干活躍が薄めでしたが、今回のその存在感と、演じる村山優香さんの熱演により、最終話で無事にヒロインの面目躍如となりましたね。
ソウマ
「見つめる天才」として晴れて隊長代理へ任命されました。ハネジローの力も借りたのでしょうが、フェイズライザーを解析して今回の作戦を立案・指揮し、勝利へと導いた辺り、今まさに戦士としての成長度はMAXに達していると思われます。
アガムスとの一次決戦の際に図らずもデッカーの正体に気付いてからは、あまり表立ってカナタへそのことをぶつけることをしてこなかったわけですが、司令室でイチカがぶつけた想いはおそらく、そのままソウマも感じていたことなのだと思います。
ただ「真っすぐに」ぶつけるイチカとは、方法が違っただけなのでしょうね。
彼としてはもちろん、このことをこのままなあなあにするつもりはなかったのでしょうが、ゆっくりと時間をかけてカナタを「見つめ」、自分の中で折り合いをつけながらこの事実と向き合っていくつもりだったんじゃないでしょうか。
少なくとも、いつかの時に自分で話していたように、うじうじと悩むことはなかったと思います。ただ事実として受け入れ、これまで通りに接していたような。
決戦時はイレギュラー的にGUTSホークを操縦し、(おそらく)ハネジローのバックアップなしでのグリフォンフォーメーションも披露。
今回の作戦成功を受け、劇場版におけるGUTS-SELECTでの立ち位置が気になりますね。昇進してたりして。
サワ
カナタの告白を受けシンプルに驚愕していました。あ、やっぱ気付いてなかったんスね。恩師の言う通り、あの時あの状況下ではやはり周りが見えていなかったんでしょうか。
最終決戦ではムラホシとコンビでナースデッセイ号を駆り参戦。
GUTS-SELECTメンバーの中では一番地味ですが、副隊長兼操舵士としての意地か、一定の活躍は見せてくれました。
ムラホシ
意外にもデッカーやトリガーの正体には気付いていなかったようです。そしてとうとう「ウルトラマンに対する想い」が語られることはありませんでした。あの妙に含みのある演出は何だったんだろう。
前回の戦いで負傷したものの、なんとか健在。
カナタからの告白を受け、若き戦士たちに語り掛ける一連の流れは作中屈指の名シーンでしょう。
カナタの「努力」を誰よりも早く認めた彼だからこそ、「命の数だけ可能性がある」とする言葉には説得力がありますね。カナタの「努力」に無限の可能性を感じ、GUTS-SELECTへ入隊させたわけですし。
最終決戦時はサワと共にボロボロのナースデッセイ号を押して参戦。
バトルモードにはなれずとも、ナースキャノンを後援としたカナタらの心強さたるや、筆舌に尽くしがたいものがあったでしょうね。
ハネジロー
物語前半を思わせるほどの人間臭さと活躍を見せてくれました。
やはりカナタ(デッカー)と並び戦ってナンボ、な側面もありますね。
第14話以来、久々にテラフェイザーを駆りマザースフィアザウルスと対峙。ブランクを感じさせない戦いぶりで見事、TRメガバスターでマザーコアにダメージを与え、勝利の一助を担いました。
この様子だと、劇場版でもテラフェイザーで大活躍を見せてくれそうですね。
アガムス & レリア
決戦後、デッカーの力に別れを告げたカナタの前に二人そろって登場。
カナタに向かって笑いかけ、どこかぎこちなく頷いたアガムスの表情がまた実に味わい深いですね。小柳友さんの名演が今回も光ります。
結局のところ、アガムスの哀しい復讐は今の「トリガー / デッカー」世界に無為な破壊と混乱をもたらしただけだったのかもしれません。と同時に、彼のしたことは決して赦されるべきものでもありません。
さりとて彼の遺した技術が、GUTSグリフォンとして、テラフェイザーとして、スフィア打破の一助となり、この世界の未来を救うことになったのは唯一の救い…と、言えるのかもしれません。あくまで結果論ですが。
今はもう、彼らと会うことも、話すこともできないわけですが、さりとて彼らの心は、いつだってカナタの心と共にあることでしょう。湊アサヒの胸に宿る美剣サキのように。
この時間軸のアガムスとレリア、そしてバズド星に幸多からんことを願って止みません。
ケンゴ
前回に引き続き登場。まあエタニティコア絡みで登場しない方が不自然ですね。地球にいる筈のユナもできれば出て欲しかったけど。
大方の予想通り、エタニティコアを制御≒マザースフィアザウルスからエタニティコアを引きはがす役割として作戦に組み込まれました。歴戦の英雄だけに、もはやエタニティコアの扱いには慣れたもんです。
エタニティコアの奪還に全エネルギーを使い果たしたのか、トリガーとしてはそのまま退場しますが、その後はGUTS-SELECTととして銃器を引っ下げガンガン参戦。
「トリガー」ではユナ、アキトと共に陸戦部隊として活動していたのでこの辺りに違和感はまったくありませんね。先代GUTS-SELECTの名はダテじゃあない。
初めてカナタに出逢った時に(結果的に)課していた(ようになっていた)「戦う理由」という宿題に対する答えもしかと受け取り、きちんと肯定していましたね。
実際にカナタと過ごした時間は決して長くはない筈ですが、さりとてメガロゾーアにヤプールにギャラクトロンにと、共にくぐり抜けた戦いの濃さたるや、戦友と呼ぶには充分なものでしょうし、ちゃんと説得力もありますね。
これからも良き戦友として、先輩として、同じ世界観という利点を活かして、カナタ=デッカーとはどんどん絡んでいって欲しいですね。
劇場版には出るのかな?出るとしても宇宙(または火星)でちょろっと戦ってるシーンが映るぐらいかな、トリガーの姿で。
カナタのおじいちゃん
まさかまさかの再登場。一般市民代表 兼、メインキャラの身内代表 兼、火星にいた人々の帰還を喜ぶ人代表という、脇役の役目全部を一手に引き受けるポジションでした。
アスミやユナやアキト、ユウコやグレースらの再登場がなかっただけに、この再登場は個人的には意外だったんですが、納得と言えば納得の人選でしたね。第1話にも出てたわけですし。よくよく考えれば最終話に出ない方がおかしかったかな。
カナタノヒカリ
ウルトラマンデッカー
前回の戦いでウルトラDフラッシャーが消滅しましたが、エタニティコアとトリガーの光の力を受け復活。
変身後いきなりダイナミックタイプの姿で登場したり、スフィアに一時は呑み込まれるも気合いと共にエネルギー全快で復活したりと、疑似的一時的なグリッター状態だったと思われる描写が見られました。差し詰め、グリッターデッカーエタニティ、と言ったところでしょうか。ある意味恒例の最終話限定のタイプ(現象)だったのかも。
戦闘パートとしては、デッカーとしての力で魅せるというよりは、GUTS-SELECTという仲間との共闘という面で魅せてくれた印象でした。
ストロングタイプとミラクルタイプへのチェンジや、ウルトラデュアルソードやDC怪獣といったウルトラマンとしての力を使った総力戦な戦闘をごっそりオミットしたのは割り切った良い判断だったかもしれません。少し寂しい気もしますが、まだ劇場版もありますしね。
ウルトラマントリガー
マザースフィアザウルスからエタニティコアを引き剥がす役割で、いきなりグリッタートリガーエタニティの姿で変身。あれだけの戦いと経験を経た今、ユナ=ユザレの力を借りずともエタニティコアを操ることはできるようですね。
エタニティコア奪還後は、そのエネルギーをそのまま、自らのエネルギーを上乗せしたかたちでデッカー=カナタへ託し退場。
前作主人公ウルトラマンの鑑のような立ち振る舞いですね。ケンゴも頼もしくなったもんだ…。
かつてティガがダイナに光を与えて復活させたように、トリガーもまたデッカーに光を与え復活させたという展開がお見事ですね。
最強スフィア獣 マザースフィアザウルス
エタニティコアを取り込み絶好調だったところを、トリガーによりそのエネルギーを奪還され弱体化しました…とは言え、やはりそのままダイナミックタイプとテラフェイザーから正面切って挑まれても充分優位に立ち回れるほどの実力は秘めています。
最終的には、エタニティコアの力を一時的に借りた(であろう)デッカーとGUTS-SELECTの総力を結集した猛攻を受け、ようやく敗北を喫することとなりました。
トリガー&デッカーを打ち破った時の状況が状況だったので、どうにも見た目以外はラスボスの風格があんまりないように感じがちですが、こうして書いてみるとラスボスに相応しい実力と脅威をちゃんと持っていたんだなと思えますね。良かった。
まあそこらの怪獣なんかよりはよっぽど強そうですけどね。
あとはいつものスフィアソルジャーらに加え、キングスフィアらの姿も見られました。
前回バリア消滅時に再びキングスフィアの姿に戻ったものなのか、マザーが新たに呼び寄せたものなのかは不明です。
マザー消滅と同時に、それら一切が消滅することとなりました。すべてを一つに共有し、融合しているが故の弱点ですね。
次回予告…?
TVシリーズとしては今回で最終話を迎えたわけですが、せっかくなのでこのブログでは劇場版の感想までを書いて「デッカー」感想を締めくくろうかなと考えています。
公開日は2月23日とのことですが、ネタバレのタイミングを配慮したいということと、何より私のキーボードの遅さでは当日に感想を上げるのは不可能だと思うので(笑)、まあ3月末までぐらいには書き上げることができればいいなと…。
首を長くして、のんびりと、どうか引き続き、お時間許す限りお付き合いいただければと思います。
来週からの新番組「ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ」に関しては、このブログで感想を書く予定はありませんが、もしかしたらTwitterではちょこちょこと何かしら書かせていただくことにはなるやもしれません。
また、ブログの更新に関しては、引き続き不定期での更新を予定しています。
「ウルトラQ 4K」感想を再開したいところではあるんですが、如何せんこどもが産まれてから何かと慌ただしく、定期的な視聴&更新は難しいかなぁと思ったり。
まあ、できたら良いな~程度に、あまり縛られず、深く考えずに臨むこととしますかね。
書きたいと思った時に書けそうなら書いて、書けなかったら無理しては書かないというスタンスで。
(いやしかしよく「デッカー」感想をここまで続けることができたな…。もう奇跡ですよ、ホントに。)
というわけで、次回の更新は遅くとも「デッカー」劇場版の感想にてお目にかかることになります。
一応いつもの流れの締めにしておきますか。
次回は劇場版「最終章 旅立ちの彼方へ…」です。
それではまた。