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【感想】ウルトラセブン 第30話「栄光は誰れのために」

先日、生まれて初めてモンブランを食べました。ARAIです。

モンブランってあんなに美味しかったんですね。衝撃的でしたよホントに。

 

さて、それでは今日もいきましょう。「セブン4K」第30話です。

 

ウルトラセブン 第30話「栄光は誰れのために」

栄光は誰れのために ~すなわち「護る」~

栄光に逸る新人隊員がひと騒動を起こすお話。

自身の実力を過信し、手柄欲しさに先走り、失敗する。その後自らの失敗と未熟さを認め、成長していく―というのがこういったお話のある種の典型なのかなと思っていたんですが、そこは「セブン」。展開も結末も、一筋縄ではいかないものでした。

 

ダンをライバル視するアオキ隊員は、自身の手柄のため、栄光のため、目撃した宇宙船の情報を秘匿し、且つ敵をおびき寄せる発信機を無断でマグマライザーに取り付けた結果、敵をおびき寄せるどころか乗員を殺害され、マグマライザーを奪われ、そのまま陸戦部隊をまんまと掌握されてしまいます。

そして最終的には、野戦訓練に参加した多くの防衛隊員が犠牲となり、またアオキ隊員自身も命を落とすことになってしまいました。

 

はっきり言ってシャレにならないですね、もう。文字にして見ると改めてその罪の大きさを実感するというか。隊長や参謀も何らかの責任を取ることになっただろうなとも思いますが。

 

結局のところ、アオキ隊員が見ていたものはあくまで自分のためだけの栄光だったというわけです。あるいは「栄光」という言葉そのものの意味をはき違えていたのかもしれません。

 

そう、ウルトラ警備隊の戦いをここまで見てきた者ならばわかります。「栄光」とは決して「手柄」と同義ではないことを。ただただ侵略者を討つことだけが「栄光」ではないことを。

「栄光」とはすなわち、「護る」ということ。自らの命を賭して戦い、地球や人類、家族や仲間、あるいは命を護ることができた時、はじめてそれを「栄光」と呼ぶのではないでしょうか。

いつだったか、キリヤマ隊長がダンに「栄光ある任務」という言葉を使ったことがありましたが、「栄光」という言葉に対するウルトラ警備隊の認識が、ここにすべて凝縮されているように思います。

 

命を懸けて命を護る。そうした時、はじめてそこに「栄光」という言葉が宿るのでしょう。誰れのためでもない栄光は、いつだって命のためにあるべきもの。命を犠牲にした上で得られる栄光なんてものが、はじめから存在するわけがないんです。

 

今回のお話を見ていく中で、どうにも心に何かが引っ掛かっていたんですが、こうしてつらつらと文字にしてみて、なるほどその正体がわかりました。

それはアオキ隊員の「栄光」の曲解。そしてそれに付随するミスマッチと違和感だったわけですね。ウルトラ警備隊に近い立ち位置にいる私のような視聴者と、「栄光」の意味をはき違えたアオキ隊員とでは、そりゃあ考え方の根本が違うわけですから、どうにも引っ掛かりを覚えるわけです。

 

さて、ここまでつらつらと全体の、主にメイン軸となる部分について書いて来ましたが、残りの部分については例によって以下でもう少し時間を割いて見ていこうと思います。

 

姑息な怪力 ~プラスチック怪人~

登場したのはプラスチック怪人プラチク星人。その肩書の通り、全身が白いプラスチックの欠片で覆われているんですが、ビジュアルのイメージ的にはプラスチックというよりビニールに近いですかね。白いビニールのヒラヒラ。

 

地球防衛軍の野戦訓練に目を付け、マグマライザーをはじめ陸戦部隊を掌握。不意討ちのかたちで地球防衛軍を壊滅させようと画策していたわけですが、そういえば人語を操らない久々の宇宙人です。まあ昆虫のような鳴き声を発していたことから何らかのコミュニケーション手段は持っているようですが。

しかしながら上述のような企みを思いつく辺り、言語が異なるというだけで知能的には相当なものと思われます。二度に渡って騙し討ちを仕掛けたことからも、姑息な部分も強いようですね。

 

奪ったマグマライザーにダンの侵入を許すも怪力で圧倒。セブン登場と同時に何故か?巨大化しそのまま戦闘を展開。明確な描写こそ少ないように思えましたが、あのセブンと格闘で渡り合い、ビームランプを点滅させるまでに追い詰めました。

最終的にはエメリウム光線を受け炎上。敗れたかに思えましたが、なんとダメージを受けたのは外装のプラスチック部分のみで、本体とも言える骨格部分は生存していました。そのまま不意討ちとばかりに変身を解除したダンに襲い掛かりますが、アオキ隊員の贖罪のウルトラガンを受けようやく死亡。元々のダメージもあったのか一撃で斃れはしたものの、凄まじい耐久力と生命力を見せました。

 

知能の高さと、いざという時の姑息さ。圧倒的な怪力に外装パージ可能なトリッキーな耐久性。なかなかに厄介なヤツですね。そこいらのウルトラ戦士じゃ歯が立たないかも。

 

栄光を宿す者と栄光を欲する者 ~ダンとアオキ~

今回のウルトラ警備隊はやはりダンとアオキ隊員ですかね。

普段の「セブン」では見られない、後の「レオ」での活躍を彷彿とさせる後輩への厳しい言動を見せるダンは必見ですね。第1話など初期のダンや、時たま見せる少年のような表情のダンと見比べてみても面白いかもしれません。

また、ダンを含めたウルトラ警備隊の面々とアオキ隊員が「どこを向いて」の言動をしていたかもポイントかなと思います。

鍛錬や訓練は「腕を磨くため」なのか「腕を見せるため」なのか。

実戦や作戦は「護るため」なのか「栄光を得るため」なのか。

すでにその心身に栄光を宿している者と、ただただ栄光を欲する者との違いが、本編であちらこちらに散見されていたように思います。

 

それにしても、アオキ隊員は何故あそこまでダンに執着し、何故あそこまで「栄光」に執着していたのでしょうか。

今回のお話は、上に書いた通り、基本的には「栄光」を欲するアオキ隊員を主軸として展開されていくわけですが、そのアオキ隊員のバックボーンが描かれていない点は少し残念でした。

どういう想いを持って地球防衛軍に入隊したのかなど、少なくとも本編を見る限りでは彼のバックボーンが語られていなかったので、どうにも感情移入しづらい部分があった点は否めません。

 

星ケ原の戦い ~激しい格闘戦~

今回の戦闘は等身大…と思いきや結局、終始巨大化でしたね。マグマライザーの中で多少やり合っても面白かったかもしれません。残念。

 

開戦早々、プラチク星人の騙し討ちに遭いプラスチック化させられてしまいましたが、どうということもなくそれを振り払い猛追。

宇宙船を撃破した後、再びプラチク星人と対峙し、激しい格闘戦を展開しました。

 

描写を見る限りでは序盤はセブンに優勢なようでしたが、互いにしのぎを削ったのか、中盤からはなんとビームランプが点滅。かなり追い詰められたことがわかります。

その後、なんとか格闘戦を制しエメリウム光線を一閃。プラチク星人の撃破に成功しました。厳密には本体の骨格部分が生き残ってはいたんですが、まあアオキ隊員のことが気がかりだったり、あるいはあの様子ではアオキ隊員でなくとも他のウルトラ警備隊がトドメを刺すことも可能だっただろうとは言え、セブンにしては詰めが甘かったと言わざるを得ないような気もします。

やはり今回の戦闘は相当に消耗していたのでしょう。

 

その他 ~次回に向けて~

一応はアマギ隊員メインのお話…と言えますかね。

 

次回は第31話「悪魔の住む花」です。

 

それではまた。