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【感想】ウルトラセブン 第38話「勇気ある戦い」

今週の「トリガー」をまだ見ていません。ARAIです。

モチベーション的に「セブン4K」な朝だったので、今日はこちらの感想を先に書くとしましょう。あ、「トリガー」の感想はTwitterで軽く書いていますので、よろしければ是非に。もちろん「セブン4K」ほどの文章量ではないですが、一応全話、毎週欠かさずちょこちょこっと思ったことを書いたりしておりますので。

 

さあ、それでは「セブン4K」感想です。今回からいよいよ最終クールとなる第4クールの幕開けですね。いきましょう。「セブン4K」第38話です。

 

ウルトラセブン 第38話「勇気ある戦い」

残念なドラマパートと良好な戦闘パート ~語られた科学の「陽」~

防衛隊の任務と、少年との約束で主人公が板挟みになるお話でした。なんだか昭和第2期以降のウルトラシリーズのようです。もちろん今回のお話の方が先ですが。

ドラマパートの内容としては正直なところ、うーん、と言わざるを得ないような、やや残念な仕上がりになってしまっていましたね。オサム少年があまりにもワガママ過ぎる(ように見えてしまう)し、ダンとのドラマもいまいち薄かったような…。最終的にダンは手術開始時間には間に合わなかったわけですし、治療を拒否するのも少し違うような…。

 

個人的には、前半でダンが「科学力」という言葉を使ってオサム少年を説得するシーンはけっこうお気に入りだったりするんですけどね。

ウルトラ警備隊と宇宙人たちとの死闘がどれほどのものかというのは、これまで3クールかけて充分に描かれてきていますし、実際に隊員たちが命の危機に陥ることが何度もありました。

一方で、セブンという存在のみならず、人類の科学力でウルトラ警備隊が宇宙人たちと渡り合ってきたこともまた事実。もちろんその「科学力」にはくだんの超兵器も含まれてしまうわけですが、「悲しいマラソン」に喩えられるようなネガティブな側面のみならず、今回ダンの語ったような、ポジティブな側面を持ち合わせているのもまた「科学力」。

第26話において、科学力をして「悲しいマラソン」と語ったダンが、今回その科学力をして希望を説く。話をする対象も、話をしている状況も、何もかもが単純に比較できるものではありませんが、第3クール序盤と、第4クール序盤とで主人公であるダンの口から、科学力の陰陽それぞれが語られたというのはなかなか興味深いことだなと思います。

 

ドラマパートに比べ、戦闘パートあるいは特撮部分の完成度はかなり高かったです。

大量の自動車を、一つずつえっちらおっちらとお腹に入れていくクレージーゴンの画は、そのデザインとも相まってなんともシュールなところもあるんですが、頑強なロボット怪獣というだけで全体が締まるというか、戦いにしっかりとした緊張感を生み出してくれますね。

また、ウルトラ警備隊の展開した作戦についても、それ自体は成功を収め、それでいてセブンの見せ場もしっかりあるなど、総じてバランスの取れた戦闘パートだったと思います。

こうして考えてみると、やはりドラマパートがもう少ししっかりしたものになっていればと思えてなりませんね。放映順的にも、制作順的にも、結果的にも、第4クールの序盤を飾るエピソードとなっているだけに。

 

狂える鋼 ~強奪宇宙人とロボット怪獣~

登場したのは強奪宇宙人バンダ星人とロボット怪獣クレージーゴン

 

前者、バンダ星人。母星の鉄資源が枯渇したことからクレージーゴンを制作し、自動車から鉄資源を強奪しようと地球へやってきたなんとも身勝手な連中です。厳密に言えば「侵略」が目的ではない宇宙人とも言えますね。

このバンダ星人、作中では名称と宇宙船のみの登場で、姿を見せることはありませんでした。まあそれ自体、もはや「セブン」ではありがちな類となりましたけど。

姿を見せていないので果たして何体が地球へ来ていたかも不明なままで、何なら宇宙船もクレージーゴン無人で、宇宙から遠隔で操縦していたのではという見方もできるんですが、真相は不明。いずれにしても宇宙船は木端微塵。そして事件解決後のダンの様子から、鉄資源を求めてまた地球へやって来ることはもうないのでしょう。

 

一方、後者クレージーゴン。作中では専ら「バンダ星人のロボット」と呼称されています。

お粗末な町工場のスクラップ施設に、左右非対称のクレーンのような腕が生え、折り畳み可能な簡素な脚がくっついているような外見というか…。同じロボット系列のキングジョーとはまた大きく趣向の異なる独特なデザインをしています。

 

しかしその実力は本物。ウルトラ警備隊の猛攻のみならず、セブンの放つエメリウム光線アイスラッガーでさえビクともしない装甲を誇ります。加えて頭部からは破壊光線を放つことができるなど、戦闘用に制作されたものではないだろうとはいえ、決して野放しにしておくことのできない厄介な手合いであると言えます。

 

作中では二度に渡りセブンと対峙。

濃霧を利用して自動車を回収強奪していくも、ウルトラ警備隊の作戦に掛かり、スペリウム爆弾を搭載した自動車を大量に回収した状態で宇宙船へ帰還し、そのまま宇宙船を爆破させてしまいます。

その後、制御を失ったのか半ば暴走状態となり市街地を蹂躙。セブンの繰り出す必殺技をことごとく無力化していきます。最終的にはセブンの捨て身の攻撃によりついに機能停止。敗北を喫しました。

敗北後も機体は大破せず、原形を留めたままだったことから、やはり相当に強靭な装甲だったようです。

 

ウルトラ警備隊の「仕事」 ~作戦とメカと交流と~

今回のウルトラ警備隊は見どころたくさん。

何といっても、クレージーゴンの性質を見抜き、それを逆に利用した作戦でバンダ星人の宇宙船を見事に撃破したのは大殊勲と言えるでしょう。まあそれは結果的にはクレージーゴンを暴走させてしまう原因にもなるわけですが、あんなことになるなんて予想できなかったでしょうし。

 

また、ホーク1号が久々に分離飛行を見せてくれたり、あまり登場しないウルトラガードを使用しての作戦が展開されたり、フルハシ隊員がエレクトロHガンを使用していたりと、メカ好きにはたまらない画がたくさんありました。

 

やはり防衛チームがメカを駆使し、作戦を展開し、大きな敵に立ち向かうという構図が良いですね。ありきたりかもしれませんが、やはり好きなものは好きなんです。

 

あと細かいところでは、やはりどうにも関係者が事件に巻き込まれがちなアンヌ隊員と、放任主義なキリヤマ隊長ですかね。まあキリヤマ隊長に関しては、放任主義というのは少し違うような気もしますが。

 

親族でもければ、防衛軍関係者でもないオサム少年に、勤務時間中に隊服を着て会いに行くダンに対してお咎めなしというのも、なんというか、なかなかに懐の深いというか…。

個人的には、「ああいうこと」もウルトラ警備隊の任務の一つなのかもなと思ったり。地球防衛軍としてあちらこちらを駆けずり回り、飛び回るという職業柄、やはり市井の人々との関わりを大事にするよう努める向きがあるのかもしれませんね。

 

メカを駆使し、作戦を考え、敵と戦うのも「仕事」ですが、護るべき対象である市井の人々との交流もまた、ウルトラ警備隊の立派な「仕事」なのでしょう。

 

市街地の戦い ~真紅の捨て身攻撃~

今回の戦闘パートは前半と後半の計2回展開されました。一つのお話でセブンが2回登場するのはキングジョーとの戦い以来かな?

 

前半はあくまでアンヌ隊員の救助がメインといったところでしたかね。クレージーゴンも早々に退却していきましたし、割にあっさりめの戦闘でした。

 

後半の戦闘については、開始直後にふらついたように見えたり、クレージーゴンに容易く振りほどかれたりと、動きにやや精彩を欠いている印象でした。おそらく変身前にダンが重傷を負ったことと無関係ではないでしょうが、クレージーゴンに踏みつけにされるシーンまでありました。

エメリウム光線アイスラッガーもことごとく無効化され追い詰められますが、自身をミクロ化し、フルハシ隊員の持つエレクトロHガンの砲身に入り新技「ステップショット戦法」を繰り出し勝利を収めました。

 

しかしこのステップショット戦法には驚かされましたよ。何せエメリウム光線アイスラッガーでさえ通らなかった装甲を容易く打ち破ったわけですからね。

捨て身の攻撃ですし、全身に真紅のオーラを纏いながらだったのでただの体当たりではないことは明白ですが、凄まじい威力ですね。アントマンみたいな原理なんでしょうか。

 

その他 ~次回に向けて~

さあさあさあ、いよいよ来ましたよ。

「ヤツら」がいよいよやって来ます。驚くほどに計算高く、また恐ろしいほどに「セブン打倒」に執念を燃やす厄介で手強い「ヤツら」が、ついに地球へやって来ます。

 

次回は第39話「セブン暗殺計画 前編」です。

 

それではまた。

 

 

勇気ある戦い

勇気ある戦い

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