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【感想】ウルトラセブン 第14話「ウルトラ警備隊西へ 前編」

ウルトラマンの日」の今日、皆さんいかがお過ごしでしょうか。ARAIです。

 

新作「トリガー」もいよいよ放送が開始され、ますます盛り上がりを見せてくれるウルトラシリーズ

こういう盛り上がりの「波」のようなものを実感した時、そのコンテンツを「好きで良かった」と心から感じるんですよね。この瞬間が、いつもたまらない。

 

さて、2週間ぶりとなってしまいましたが、「セブン4K」の感想になります。今回からいよいよ第2クールの幕開けです。

それではいきましょう。「セブン4K」第14話です。

 

ウルトラセブン 第14話「ウルトラ警備隊西へ 前編」

真紅のファイター、第2章の幕開け ~「セブン」初の前後編エピソード~

第2クール開始ということで、さっそくタイトルバックが変更になっていました。放送順と制作順は違うようですが、第2クール以降はこのまま新しいタイトルバックになるんでしょうか。

 

さて、今回から第2クールに突入ということで、いわば「セブン」第2章の幕開け。その一発目に相応しく、初の前後編エピソードが展開されています。

前後編だけに尺に余裕があるからか、風景やキャラクターの表情・動作といった細かな演出部分を映すシーンがいつにもまして多く、じっくり描くことができていた印象でした。

 

夜の導入から怪しさ全開の外国人の登場と、じりじりと忍び寄る「何か」が起こる気配。ほのかに沸き立つ好奇心にも似た胸の昂ぶりに、こりゃまた今回も冒頭からガツンと心掴まれているなと、改めて「セブン」の魅力を再認識することができます。

 

ドラマパートとしては、潜むペダン星人の脅威、出動するウルトラ警備隊、ドロシーに迫る謎の男、アーサー号の轟沈、ドロシーの正体、満を持して出現するキングジョーと、前後編ならではの、尺をふんだんに使った丁寧な展開で、見ていて楽しめる、非常に濃厚なエピソードになっていると思います。

 

そしてそのドラマパートの下地があるからこそ、終盤キングジョー出現からの戦闘パートがよりいっそう盛り上がりますね。未だかつてない強敵の出現が、苦戦するセブンの姿が、否が応でも物語を引き立ててくれます。

 

招いた「復讐」 ~策略宇宙人と宇宙ロボット~

登場したのは策略宇宙人ペダン星人と宇宙ロボットキングジョー。前者は、今回ではドロシーに擬態した姿での登場となりましたが、たしか次回でもはっきりと姿を見せることはなかったと思います。

 

地球からの観測ロケットを侵略行為と誤認し、地球への「復讐」を宣言し潜入。各国科学班チーフを次々と暗殺し、上述の通りドロシー・アンダーソンに擬態することでウルトラ警備隊と視聴者を見事に騙し抜いた狡猾な宇宙人です。さながら宇宙のスパイかエージェントと言ったところでしょうか。

 

後者キングジョーについては、まあ、あれこれと語るのは野暮ですかね。その圧倒的な知名度と存在感、厳然たる風格と実力、そして後のウルトラシリーズへ与えた影響はもはや言うまでもないでしょう。個人的な印象としては、「元祖ロボット怪獣」という印象ですかね。

 

 

ウルトラシリーズに登場するロボットはみんな強いというイメージの先駆け的存在というか。平成シリーズでもゴブニュやデスフェイサー、インペライザーにとその系譜は枚挙にいとまがありませんしね。

 

 

 

して、そのキングジョーですが、初登場は海中シーンでしたね。分離形態でアーサー号を撃沈した後、六甲山で合体形態を披露しました。

雨のごとく浴びせられる砲撃をものともせず進み、現れたセブンは完全に眼中になし。ただひたすらに防衛センターへ迫っていきます。

 

キングジョー自身の判断か、ペダン星人の判断か、いずれにしてもセブンからの攻撃をいくつか受けた後に、ようやくセブンを敵と認識し、真っ向から対決。

繰り出される打撃技は凡そノーダメージ。エメリウム光線も通じず、アイスラッガーまでも弾き返すというチートぶりを発揮し、セブンを絶体絶命の危機に追い詰めます。

 

ウルトラ警備隊、西へ ~集結した6人の戦士~

久々な気がするアンヌ隊員も揃い、キリヤマ隊長も現場へ出るなど、前後編の長編ということもあってか、今回のウルトラ警備隊はまさに総力戦を予感させる展開でした。

 

今回ウルトラホークの出番はありませんでしたが、水中メカのハイドランジャーが登場。ポインターと合わせて、これにて空陸海のライドメカがとりあえずは出揃ったかたちになりましたね。(後に地中担当のマグマライザーも登場しますが。)

 

ハイドランジャーについては、アーサー号救出に間に合わず戦闘シーンもないなど、残念ながら華々しいデビュー戦にはなりませんでしたが、後の活躍に期待しておきましょう。

 

さて、細かいところではやっぱり嬉しいアンヌ隊員の再登場と、あとはキリヤマ隊長ですかね。ドラマパート前半にて、外国人連続殺害事件を追わんと熱くなる部下たちを窘めるシーンが印象的でした。

 

ここまでの彼を見ていくと、何というかやはり、本当に「隊長」だなぁと感じますね。

醸し出す雰囲気から、明らかに「歴戦の戦士」を思わせる風格を持ちながら、基本的には穏やかで朗らか。部下や仲間の気持ちを慮ることができ、それでいていざという時に毅然とした決断を下すことのできる男。

お話的には第2クールが開始したばかりで、「セブン」全体で見ればまだまだ前半戦なわけですが、前回のドラマも含めて、これまでの第1クールでキリヤマ隊長のキャラクターは比較的静かで抑えめながらも、着実に形成されてきている印象です。これから物語が中盤に向かうにつれて、ますます増えていく彼のドラマが楽しみですね。

 

六甲山の戦い ~宇宙ロボットとの邂逅~

今回のセブンはまさに窮地。

キングジョーの前に立ちはだかり、なんとか進撃を食い止めようとしますがまるで歯が立ちません。凡そ圧倒的な勝利を収めていた第1クールの戦いで、あらゆる敵を葬ってきたエメリウム光線アイスラッガーまでもが無効化されていました。

前回第13話「V3から来た男」でのアイロス星人戦でも同様に、エメリウム光線アイスラッガーが無効化されていましたが、あの時のセブンはまだ余裕があったというか、少なくとも冷静さを感じさせる様子でした。

しかし、単純な「力技」で地面にねじ伏せられる今回のセブンの姿からは明らかにそれが失われ、その戦いぶりと様子から、はっきりとした焦燥が伝わってきます。

コイツはヤバい、と。

 

その圧倒的な力の前に、絶体絶命の窮地に追い詰められたところで、戦いは次回へ続きます。

 

その他 ~次回に向けて~

素晴らしい引きで終わった前編の熱量そのままに、物語は後編へと向かいます。

 

次回は第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」です。

 

それではまた。