最近バタバタと気忙しい日々が続いています。ARAIです。
この波は多分…早くても来年1月末ぐらいまで続きそうですかねぇ。さすがに年末年始は多少ゆったりできるとは思いますが…。まあ諸々落ち着いて目処が立ってきたらこのブログでもちらりと触れることもあるやもしれません。
さて、それでは今日もいきましょうか。「セブン4K」第34話です。
ウルトラセブン 第34話「蒸発都市」
蒸発都市 ~2つのアンバランス~
都市が丸ごと蒸発してしまうというお話。冒頭の工事現場や田園地帯に移されたビル群、固まってしまった市民など、これぞ「怪奇」な雰囲気満点のドラマパートに対し、戦闘パートでは珍しく?青空の下の市街地というオープンな舞台での戦闘が繰り広げられるなど、ドラマパートと戦闘パートの、ある種の画的なアンバランス感が印象的でした。
キャラクターの面で見れば、やはりインパクト抜群なのはユタ花村。「セブン」でまさか霊媒師が出てくることになるとは…。まあたしかに「怪奇」、「ホラー」、「ミステリー」の要素が多分にある「セブン」においては「霊媒師」というキャラクターはある意味おあつらえ向きなのかもしれませんが、ただ、今回はベースが「宇宙人による仕業である」という前提の下でシナリオが進んでいたかと思うので、「宇宙人」≒「SF」という要素に絞られているお話で「霊媒師」というのはさすがに合わなかったんじゃないかなと思ったり。
もうちょっとこう、「幽霊絡みっぽい事件」とか、「(宇宙人による仕業の可能性も否定できないけれども)さながら心霊現象を思わせる事件」みたいな、そういう類のお話の時の方が良かったかもしれませんね。まさしくアンバランス。
実際、ダンカン→ユタ花村→ウルトラ警備隊と、ユタ花村を経由してコンタクトを取っていましたが、これってユタ花村をすっ飛ばしてもシナリオ的には問題ないわけですもんね。普通にダンカンからウルトラ警備隊に通信すれば良いだけですし。
冒頭に書いたような、ドラマパートと戦闘パートについてのアンバランス感は、違和感や不自然さを感じないような、むしろどこかポジティブな印象として残る心地よいアンバランス感だったのに対し、ユタ花村絡みについては、「そうじゃない感」のような、見ていて違和感を感じてしまうどこかネガティブなアンバランス感だったように思います。
うまく言葉にはできませんが、視聴者が作品を見ていて、よりお話に引き込まれるような、より視聴への集中力を高めてくれる、好奇心を刺激するアンバランス感と、お話そのものに違和感を覚えるような、視聴への集中力を削がれるアンバランス感。
似て非なるこの2つのアンバランスの内、いかに後者を減らし、前者を増やしていくかが大事なのかなと。今回に限ってはそれがうまく機能できていなかったのかもしれません。まあお話そのものを揺るがすほどのものではないですし「セブン」という作品全体で見ても決してそんなことはないのですが。
ただ、「セブン」という作品を改めてここまで見てきた中で、この、いつもお話に引き込まれるような、自然と画面から目を離せなくなる不思議な感覚はどこから来ているのだろうとふと考えてみたら、そういう考えに行き着いたんですよね。
「セブン」の魅力の一つはきっと、心地よいアンバランス感による好奇心を駆り立てられるというところなのかもしれません。
……。少ーし話が逸れてしまったような気がしないでもないですね。「アンバランス」がゲシュタルト崩壊しそう。
話が逸れたというか、なんか「セブン」全体の総括のような内容になってしまいました。
閑話休題ということで、話を戻しましょう。
今回は他にも、ダンとソガ隊員の生死が不明となった状態のウルトラ警備隊や、敵に操られるセブンなど、今回も今回とて、なかなかに見どころの多いお話になっていました。
例によって、下でもう少し詳しく見ていきましょうか。
恐ろしき策士 ~発泡怪獣~
登場したのは発泡怪獣ダンカン。特徴的な赤い眼を持ち、青白いトゲに覆われたハリネズミのような姿をしています。
避難のために地球に訪れたという、いわば久々の「侵略」が目的ではない存在なわけですが、交渉を優位に運ぶためにまずもってウルトラ警備隊をおびき寄せ人質として確保。その後瞬く間に都市一つを丸ごと転送し、さらにはダン=セブンをも催眠術で手中に収め操り、街を破壊させるなど、恐ろしい能力を持ちます。
地球人に擬態し、人語を操ることもできることから、上述の能力と併せて考えると相当に、かなり相当に知性は高いのでしょう。
避難場所としての交渉に入る前に、まずもってウルトラ警備隊のメンバーを人質として捕らえていたのもその証拠。十中八九、この宇宙では地球、特に地球防衛軍についての良い噂は皆無でしょうから、先手をとって交渉材料を確保しておくというのはなかなかクレバーだと言えるでしょう。しかもウルトラ警備隊が要求を呑まずに乗り込んでくることを見越してセブンを用意していたわけですから、もう完全に策士ですね。
乗り込んできたフルハシ隊員のウルトラガンを受け巨大化。コントロールルームを破壊されたことで催眠術が解けたセブンと対峙し戦闘を開始します。
描写を見るに、直接的な戦闘力は高くはなさそうでしたね。セブンと追いかけっこのような戦闘を繰り広げた後、エメリウム光線を受け敗北。本来の泡状の不定形な姿に戻り、死亡しました。
立ちはだかる最強の敵 ~VSウルトラセブン~
今回のウルトラ警備隊は、「ウルトラセブン」という最強最悪の敵と対峙することになりました。
と言ってもそこがお話のメインではなかったので、「VSセブン」という状況に対しての各隊員のドラマなどが展開されるわけでもないんですが、操られたセブンがエメリウム光線やアイスラッガーを駆使してウルトラ警備隊を追い詰めていくというシーンは鬼気迫る画でした。
あのまま戦闘が継続していたとして、キリヤマ隊長やアンヌ隊員がどんな判断と行動を取っていたかが気になります。
気になったのはダンとソガ隊員が生死不明という状況の中でどうにもお気楽な印象だったフルハシ隊員。ドライなのか無神経なのか、それとも本心を隠すための見栄か。アマギ隊員のような彼らの生存を信じている旨の発言があればまだ印象は変わったんですけどね。
まあしかしこれまでの「セブン」でのフルハシ隊員を見る限り、ダンとソガ隊員は生きているという確信があってのあの態度なのだということは想像に難くありません。「なあに、ダンもソガも生きているに決まってるさ。だって今までだって俺達はこんな危機を何度だって乗り越えてきたじゃないか」と。言ってしまえば根拠も裏付けもない確信で、それこそある種無責任な考えによるものかもしれませんが、この大らかな楽観さこそ、フルハシ隊員の持ち味の一つなわけですし。
やや心配性なアンヌ隊員としては、今回はそこが気に障ったようでしたが。
その後はコントロールルームに潜む人間態ダンカンを見事ウルトラガンで撃退。きちんと活躍の場を見せてくれました。
蒸発都市の戦い ~操られて追いかけて~
今回の戦闘パートは冒頭に書いた通り、珍しく市街地が舞台でした。ビル群の中にいるセブンがなんだか新鮮。
まずはダンカンの催眠術で操られるかたちで登場。同志であるウルトラ警備隊に襲い掛かってしまうという衝撃的な展開は一見の価値あり。
その後、フルハシ隊員の活躍で催眠が解けダンカンと対峙。
ビルの間を縫うように、さながら鬼ごっこのごとくダンカンとの追いかけっこを展開し、最終的にはエメリウム光線でフィニッシュ。操られた報復にワイドショットぐらい出るかと思いましたが、周囲のビルに配慮したのでしょうか、より精密射撃に向いているエメリウム光線をチョイスしてきましたね。
その他 ~次回に向けて~
地球防衛軍でトップクラスの実力を持つあの男が、久方ぶりに登場します。
次回は第35話「月世界の戦慄」です。
それではまた。