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【感想】ウルトラセブン 第31話「悪魔の住む花」

私の住む地域では急に寒くなりました。ARAIです。

もう少し秋を満喫したかったんですけどね、今じゃあすっかり初冬ってなもんですよ。寒くなるのがさすがに早過ぎるような…。

さて、それでは今日もいきましょうか。「セブン4K」第31話です。

 

ウルトラセブン 第31話「悪魔の住む花」

印象的な画と演出で魅せる ~古谷敏さんの名演が光るエンディング~

冒頭やエンディングでの美しい花々、夜の遊園地とメリーゴーラウンド、ミクロ化したセブンの体内空間での描写など、印象的な画と演出が多いお話でした。

また、ややロマンチックに描かれたカオリとアマギ隊員との関係性や、ホラーを連想させる病院でのシーンなど、作品としての見どころも多分に併せ持ったお話だったようにも思います。

 

ドラマパートの肝である寄生されたカオリとアマギ隊員との交流については、やや唐突感だったりツッコミどころもあったりはするんですが、個人的にはエンディングのあの展開で全部持っていかれましたね。アマギ隊員のあの優しくもどこか切ない表情といったら…。古谷敏さんの名演が光るシーンでした。

事件の当事者(あるいは被害者)として、カオリへはおそらく地球防衛軍から正式に今回の件の説明などはあったのでしょうが、それでもせいぜい宇宙からの未知の物質に触れたことで気を失ったぐらいまででしょう。細菌に寄生され吸血鬼と化し、看護師やアマギ隊員を襲撃してしまったことなどは伏せたままで。

うら若いカオリのメンタルを考慮すれば、それはごく自然なこと。ならば当然、アマギ隊員との面識の有無も伝えない方が得策だというのがウルトラ警備隊としての判断なのでしょう。アマギ隊員個人としては、もちろん想うところもかなりあっただろうとは思いますが、そこはウルトラ警備隊としての矜持ある判断。

あの表情一つだけで、彼の中の色々な感情や想いが窺い知れます。

 

ミクロの悪魔 ~宇宙細菌~

登場したのは宇宙細菌ダリー。

ピンク色の節足動物のような寄生虫と言えばだいたいのイメージは伝わるかと思いますが、細菌と呼ぶには少々デカい気も。

人間の血液中におけるフィブリノゲンを主食とし、寄生した人間の血液を喰い尽くすだけでなく宿主を吸血鬼のような存在へと変え、事実上操ることができるという、その体躯と併せて極めて厄介な存在です。

ほとんどのウルトラ戦士はミクロ化が可能であるため、対ウルトラ戦士では分が悪いかもしれませんが、たいていの生物相手では実質的に敗けなしなんじゃねえかと思うほどにタチが悪いです。ダリーが数体紛れ込んだ種族は瞬く間に絶滅しそうだ…。

 

本編ではカオリの体内にてミクロ化したセブンと対峙。

場所が場所だけに、ハデな戦いが展開できないセブンへ泡を浴びせるなどしてビームランプを点滅させるまでに追い詰めますが、宿主であるカオリが何らかの薬を投与されたことで形勢逆転。セブンの回復を許し、エメリウム光線を受け弱体化。ウルトラバブルをくらいドロドロに溶け、敗北を喫してしまいました。

 

それにしても、どうやって地球に飛来したんでしょう。

 

苦渋の戦士たち ~「セブン」世界における医療の限界~

今回のウルトラ警備隊で印象的だったのはもちろんアマギ隊員なんですが、上に少し書いたのでアマギ隊員に関しては割愛。

 

個人的に気になったのは、「セブン」世界における科学技術あるいは医療技術では、細菌クラスの脅威にはまったく太刀打ちができないという点。

今回は最終的にはセブンの活躍によって事なきを得ましたが、もしもあのままセブンが敗北あるいはセブンの力をアテにできない状況となった場合、カオリは死亡していたと思われます。

セブンの戦闘中に何らかの薬を投与していましたが、あれはダリーに効果があったというよりは泡を受けて動けないセブンに効果があったので、殺菌解毒作用のある成分ではないことは明らか。考えられるとすれば鎮静剤か、もしかしたら抗生物質の一種なのかもしれませんが、いずれにしてもダリーそのものを駆逐できる薬や技術は今の「セブン」世界には存在しないことになります。

 

横たわるカオリを前にウルトラ警備隊の面々が見せた苦渋の表情が、「セブン」世界における医療と科学の限界を物語っているようでした。「侵略者」は巨大な怪獣や等身大の宇宙人だけではない…。

 

まあ今回の事件を受けて、おそらく地球防衛軍としてもミクロの医療技術の発展が急務として認識された筈。超兵器の開発と併せて、ミクロ技術の発展も同時になされていくことを祈りましょう。

 

体内の戦い ~ミクロのファイター~

今回の戦闘パートは見応え抜群。人間の体内という特異も特異な場所を舞台に、真紅のファイターがミクロの戦いを繰り広げました。

エメリウム光線の使用については色々とツッコミもあろうかと思いますが、個人的にはありですね。威力の調整は可能なようですし、セブンの射撃精度も併せて考えればそこまで不自然ではないかと。

 

慣れない体内での戦いである点と、下手に動けないという点をダリーに衝かれ、泡攻撃で一時的に戦闘継続が困難な状態にまで追い詰められますが、カオリに投与された薬で形勢逆転。

浴びせられた泡から解放され、再びエメリウム光線を一閃。新技ウルトラバブルでダリーを見事葬りました。状況的に、ウルトラバブルの出番は今回が最初で最後だろうな…。

 

その他 ~次回に向けて~

次はあれですかね、エンターテインメントアーカイブの表紙にもなっているあのお話ですかね。

 

次回は第32話「散歩する惑星」です。

 

それではまた。

 

 

悪魔の住む花

悪魔の住む花

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