やっぱ、シンプル。 ~ARAIの雑日記~

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【感想】ウルトラセブン 第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」

毎日びっくりするぐらい暑いですね。ARAIです。

これでもまだ7月だってんだから、もうどうしようかと思いますよ…。

 

さて、今回は2週間ぶりの「セブン4K」感想になります。

最近はちょくちょくV6の記事を書いていたので、リアルタイムの再放送回からすっかり離されてしまいましたが…。(たしか今日の放送分が第18話でしたかね。)

しかし私が見ているのは去年の録画分。お話のストックとしてはもう最終回まで録ってあるので、どこかのタイミングで追いつくか、追い抜くかしたいもんですね。

やっぱりお盆休みがチャンスかなぁ。

 

さあ、そんなわけで(?)いきましょうか。神戸二部作の後編、「セブン4K」第15話です。

 

ウルトラセブン 第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」

決着、ペダン星人編 ~打ち砕かれる真紅の理想~

第2クール幕開けを飾る「セブン」初の前後編、その完結編です。

前回クライマックスで窮地に追い込まれたものの、何とかキングジョーを退散させたセブン。ペダン星人との交渉にこぎ着けたダンに、解放されたドロシー、迫る宇宙船団と再び現れるキングジョー。新兵器の登場と活躍、そしてついに撃破されるキングジョーとペダン星人。

と、お話的には前回広げた風呂敷に多少のスパイスを効かせつつ、その一つ一つを畳んでいったようなものなんですが、前後編にありがちな爽快にリベンジを果たす後編というものではありませんでした。

 

興味深かったのは、波止場でのダンとペダン星人との交渉シーン。

これ、ペダン星人の言ってることも至極まともなことなんですよね。程度の違いや、あるいは過剰反応している部分はあるものの、最初に家を覗き、石を投げ込んだのはたしかに地球人なわけで。そして「観測」の後、地球人がペダン星に対して何を行う計画だったのかも本編では明かされていませんし。

 

ただ一方で、その「観測行為」を「侵略行為」とみなし、また、地球からの弁明を無視して攻撃を仕掛けてきたペダン星人も侵略の意思を持っていると充分に判断できるわけで。そして「人間は狡くて欲張りで食わせ者」などという偏見とも言える認識を前提に物事を進めていますし。

 

正直なところ、「どっちもどっち」という印象がぬぐえないんですよね。

 

今回の前後編あるいは「セブン」全体において、個人的にはここが一番面白いポイントの一つなのかなと思います。

 

「地球」側のみで考えた場合と、「他の惑星」側、あるいは「宇宙」全体で考えた場合。何が正しく、誰が正しく、どうすれば「正解」で、どうすれば「平和」になり、何をもって「平和」と定義するのか。

広く考えれば宇宙や地球、狭く考えれば人間同士や社会。

ジャンルや大小は違えど、この「立場による認識の違い」というのは社会における普遍の問題であり、永遠の課題なのでしょう。

 

そしてドロシーの記憶が消され、ペダン星人の軍勢が侵攻を始めたことによって、ダンの交渉はもとより、彼の熱き理想は無残にも打ち砕かれることになります。

 

最終的には地球人が造り出した「兵器」によって敵を斃し、当面の危機は去ったというところでエンディングなわけですが、何とも言えない不穏な空気が流れ、どこかすっきりとしない余韻が漂います。暗雲立ち込める未来を予感させるような、そんな「何か」が。

 

家を覗かれた者とスーパーロボット ~策略宇宙人と宇宙ロボット その2~

前回に引き続き登場したのは策略宇宙人ペダン星人と宇宙ロボットキングジョー。

 

前者は相変わらずドロシーの姿での登場がメインで、本来の姿はほぼほぼシルエットと声のみでの登場となりました。

上述の通り、ダンとの和平交渉に一時的には応じましたが、あっさり反故にし全力をもって地球侵略を開始。地球を「美しい」と評したり、理屈の通った主張をしたりと、ロジックやセンスは地球人に近しいものを持っていたようですが、やや過激派というか、好戦的な印象を受けますね。

最終的にはキングジョーを失い、円盤で逃亡を図ったところにワイドショットを受け爆散。ドロシーに擬態していたと思われる部下の個体と、指示を出していたと思われる上司の個体共々死亡しました。

 

後者、キングジョーは今回も大活躍。破壊光線を放ち、タンカーを振り回し、セブンを跳ね除け、ウルトラ警備隊の攻撃ももろともせず、神戸の海を舞台に大暴れしてくれました。

 

 

2戦目となった今回もセブンを相手に終始優勢。ライトンR30がなければあのままセブンに勝利していたことは間違いないでしょう。

 

序盤の六甲山でも描写されていましたが、どうにも足元を狙われると弱いようですね。

最終的にはセブンにそこを狙われたかたちで動きを封じ込まれ、ライトンR30の直撃を受け大破。見る影もなく爆破と炎上を繰り返し、ついにその身を神戸の海底に沈めました。

 

「防衛」の「力」 ~ライトンR30爆弾~

今回もウルトラ警備隊は総じて出番は多かったですね。前回お休みだったウルトラホークによる戦闘も見せてくれました。

 

特筆すべきはやはり、土田博士と記憶を取り戻したドロシーにより造られたライトンR30爆弾でしょう。

エメリウム光線アイスラッガーを含むセブンのあらゆる技が通用しなかったキングジョーの装甲をいとも容易く破壊し、一撃の下で撃滅せしめるその威力は圧巻の一言。

「防衛」のためとはいえ、これほどの「力」を人類が持ってしまったという事実が、今回のお話にまた不穏な空気を与えているんですよね。

近い感覚としては、「Z」におけるウルトロイドゼロ辺りが最近の作品として思い当たりますが、見るからにゴチャゴチャで明らかな「異様」が漂っていたウルトロイドゼロとは違って、なんというか、今回のライトンは「馴染んで」いるんですよね。もちろん視覚的な違いだけじゃなくて。

 

 

 

ライトンの存在や活躍に対して、その「力」の強大さや恐れをまったく感じさせない流れになっているというか、「異様」さが無いことが何より「異様」というか…。

うまく表現はできませんが、おそらく今感じているこの不穏な空気が、「セブン」の後のエピソードに繋がっていくのだろうなと思うので、ちょっと意識して押さえておきましょうか、この「異様」さを。

 

あと細かいところでは、アンヌ隊員ですかね。異星人が施した記憶消去を治せる「ショック療法」ってどんなだろうと思ってしまいましたが、やはり人体に関する知識や医療的な技術などは防衛軍の中でもズバ抜けているんでしょうか。

 

神戸港の戦い ~宇宙ロボットとの第2戦~

今回の戦闘パートは序盤と後半と2つありましたが、メインは神戸港で展開された後半ですかね。

再び現れたキングジョーと対峙し、リベンジを掛けた第2戦を挑むセブンでしたが有効打を持たず耐久戦となり、じりじりと追い詰められていました。上にも書きましたが、ライトンR30がなければ、あのまま敗北していたことでしょう。

 

しかしながら、ライトンR30が到着するまでかなりの時間を耐え抜いたこともまた事実。

体力が奪われやすい水上というフィールドで、且つばんばんタンカーが飛んでくる状況を思うと、第1戦よりもはるかに優位に戦いを進めたと言ってもいいかもしれませんね。

ああは書きましたが、あのままライトンなしでのセブンの戦いも実は見てみたかったというもの正直なところ。何せ、セブンは切り札たるワイドショットをキングジョーには放っていないのですから。あの時点のセブンが放つワイドショットで、キングジョーとどこまで戦えたのか、興味が尽きません。

 

その他 ~次回に向けて~

さて、次はあれですか。

ぎょろりと光る緑の眼。ある意味では、今回のエピソードと対をなすとも言えるあのお話ですかね。

 

次回は第16話「闇に光る目」です。

 

それではまた。