やっぱ、シンプル。 ~ARAIの雑日記~

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【感想】ウルトラセブン 第40話「セブン暗殺計画 後編」

2021年も残すところあとわずかとなりましたね。ARAIです。

クリスマスが終わるともう一気に年末なんですよね。はやいなぁ…。

 

今週もまた「トリガー」よりもこちらが先になってしまいました。今日の夕方ぐらいまでには見たいなと思っているんですけどね、「トリガー」。

 

まあまずは「セブン4K」からいきましょうか。いよいよ40話の大台に乗ります。

それでは今日もいきましょう。「セブン4K」第40話です。

 

ウルトラセブン 第40話「セブン暗殺計画 後編」

爽快なリベンジマッチ ~地球防衛軍と復活するセブン~

キングジョーとの戦い以来となる前後編エピソードの後編です。

前回、圧倒的な実力と存在感で鮮烈なデビューを果たしたガッツ星人へのリベンジ回なわけですが、セブン=ダンが囚われているという状況ゆえ、ドラマパートの大半がウルトラ警備隊絡みとなっています。

絶望的な状況に追い込まれながらも、決して諦めない人たち。その知力と忍耐力、行動力をもって侵略者の脅威に立ち向かっていく姿は、多くの作品において凡そありふれた展開と構図でありながらも、やはり胸が熱くさせられます。人間の意地と誇りですね。

 

そうしたウルトラ警備隊によるセブン復活劇は、わかっていてもなお盛り上がるものがありました。

主題歌を引っ下げての復活、からの太陽エネルギー補給、からのウルトラノック戦法でのリベンジと、前回の雪辱を大いに果たしてくれる戦闘パートは非常に爽快なものでした。無様に狼狽えるガッツ星人(の乗る宇宙船)へ叩き込まれるアイスラッガーはまさしくカタルシス

 

その後、帰還したダンを出迎えワチャワチャとはしゃぐウルトラ警備隊の面々でのラストシーンは、さながら物語の大団円を思わせる展開で、そういえばタケナカ参謀やキリヤマ隊長の劇中での台詞も最終回のようなものが多かった気がしますね。

特にタケナカ参謀の「我々の最後の作戦だ」という台詞が印象的で、物語的には「いやいや全然最後じゃないでしょ」とツッコみたくもなるんですが、現実的に考えれば、あの時点での地球防衛軍って、もしかしたら本当にみんな「最後」と思っているような空気が流れていたんじゃないかなと。

拠り所のセブンが敗れ、仲間であるダンも死亡し(たと思われている)、完全に追い詰められたあの状況下では、決して諦めなどしてはいないものの、「もはやこれ以上は」という想いがあったのかもしれません。この作戦が失敗すれば、我々は本当に終わりだ、と。

そういう意味では、地球を護る者たちとしてのある種リアルな空気感を描いていた台詞とシーンだったと言えますね。

 

いかなる戦いにも負けたことのない者 ~分身宇宙人 その2~

前回に引き続き登場したのは分身宇宙人ガッツ星人

あのセブンに勝利を収め、磔にして人類の前で処刑しようと目論む歴代最大級の脅威とも言える侵略者です。

華々しい活躍と圧倒的な勝利を見せてくれた前回に対して、今回は比較的地味めな活躍。前回ほど喋りもしなければ、巨大化戦闘することもありません。

やったことと言えばナツコを追いかけ回してネックレスを奪ったぐらいで、特段人類への一斉攻撃などを仕掛けることもありませんでした。しかも、夜明けと共にセブンを処刑すると宣言しておきながら処刑を行わないなど、ここへ来てどうにも詰めが甘いというか、杜撰さが出てきたと言わざるを得ません。

 

まあ彼らとしては、それもその筈というか、前回セブンに勝利した時点でほぼほぼ目的を達成できたと考えてしまったのでしょうね。あそこまで周到かつ徹底的にセブンを分析したのも、ひとえにセブンを打倒するため。セブンを打倒できさえれば、地球侵略は実質完了したものと考えたのでしょう。

セブンからウルトラ警備隊へのメッセージを妨害こそすれど、受信先たる極東基地そのものを破壊することまではしませんでしたし、ナツコからネックレスを奪ったものの、それが本物であるかをきちんと調査することまではしませんでした。この辺りに、彼らの油断と侮り、そして認識不足があったように思います。

そう、地球を護る戦士は、ウルトラセブンだけではないのです。

ウルトラ警備隊の、地球防衛軍の、未だ闘志を絶やさずいた人類の、その意地と誇りの力を完全に見くびってしまっていたのです。

宣言通りにセブンを夜明けに処刑しなかったことが良い証拠です。せっかく倒したのだからもう少し飾っておこう、どうせ地球人には何もできやしないのだからと。きっと、根底にそんな考えがあったのでしょう。

 

而して、人類の手で復活したセブンによって彼らは敗れました。

一度は完全に打倒した相手を、取るに足らないと見下していた者たちの手によって復活させられ、反撃するでもなく、撤退するでもなく、ただただ取り乱し狼狽えながら宇宙船もろとも散りました。「いかなる戦いにも負けたことのない無敵のガッツ星人」の最期の姿は、前回の大活躍ぶりがウソのように無様なものでした。

 

そういえば、結局地球に襲来していた個体は実際何体だったんでしょう。前回の描写的には4体来てたのかなと思っていたんですけど。本体1体だけで、残りは全員分身という可能性もありますしね。

 

セブン復活オペレーション ~最終回さながらの空気感~

今回のウルトラ警備隊は、セブン復活オペレーションを成功させるという大殊勲も大殊勲な大活躍を見せてくれました。

 

セブンの脳髄から発せられていた通信を解析し、復活のカギがマグネリウムエネルギーとなることを突き止め、その源となる鉱石が実は前回フルハシ隊員がナツコから贈られていたものだったと判明する流れは非常に爽快でした。

 

それにしても、ガッツ星人がナツコから奪ったネックレスがイミテーションだと知った時のフルハシ隊員はさすがのムードメーカーというか何というか。お話も第4クールとなると、ウルトラ警備隊の面々もすっかりキャラクターが立ってきているなぁと改めて感じた瞬間でしたね。

 

あと、冒頭にも書いたように、今回はやはり最終回さながらの空気感を醸し出していたのもかなり印象的です。

もう後に引けない、決して敗けることのできない戦いを前に、ダンという仲間の犠牲を払った(と思っている)戦士たちの眼差しは、強い意思に満ちたものでした。

タケナカ参謀の「我々の最後の作戦だ」の台詞で「ミッション・ガイア」を思い出したのは内緒です。ついでに言うと劇伴「ファイナル・ミッション」が脳内で流れそうになったのも内緒です。こういう時に世代というか好みというか、自分の傾向が出ちゃいますよねぇ…。

 

その後、満を持して放たれた高純度マグネリウムエネルギーでセブンを貫き、ウルトラ警備隊は見事、セブン復活オペレーションを完遂させます。

人類を、地球を護るために戦い続ける真紅のファイターを、地球と人類の力で復活させる。

ウルトラ警備隊として、ウルトラ警備隊7番目の戦士を救う。

「地球防衛」軍としての、ウルトラ警備隊の面目躍如の瞬間でしたね。彼らは決して、セブンを妄信したり、ただセブンの力に縋ったりしているわけではないんですよね。地球を護る同じ仲間として、同志として、戦士として、共に生き、共に戦っている。きっと、互いにそういう認識なんでしょう。

 

泉ヶ丘の戦い ~蘇る真紅~

今回の戦闘パートは宇宙船との戦闘のみ。

ウルトラ警備隊によるオペレーションで見事に復活した我らが真紅のファイター。

主題歌をBGMに引っ下げ、十字架を破り立ち上がるや即座にウルトラショットの連発で宇宙船を猛攻撃。間髪入れずに太陽エネルギーを補給した後、ウルトラショットの追撃でさらにガッツ星人を追い詰めます。やはり主題歌と共に繰り広げられる逆転劇は良いですなぁ。

 

そしてトドメは新技ウルトラノック戦法。後に息子のウルトラマンゼロや、そのゼロと共に修行をつけたウルトラマンオーブ(エメリウムスラッガー)もそれぞれに同系統の技を使用することとなりますが、今回はそのオリジン。

気合いの叫びと共に放たれたノックは、宇宙船を文字通りブチ抜き、苦汁を嘗めさせられたガッツ星人に見事なリベンジを果たしました。

 

その他 ~次回に向けて~

40話の大台に乗ったと思ったら、ここで一旦箸休め…的な感じですかね。いつもとは趣向の異なるエピソードが展開されます。

次回は第41話「水中からの挑戦」です。

 

それではまた。