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【感想】ウルトラセブン 第25話「零下140度の対決」

今日は用事があったので午後の更新になりました。ARAIです。

さて、今回は第2クールラストのエピソードになりますね。

それではいきましょう。「セブン4K」第25話です。

 

ウルトラセブン 第25話「零下140度の対決」

「セブン」史上最大の危機 ~第2クールラストエピソード~

基地の中枢を機能停止に追い込まれ、ライドメカが出撃できないばかりか隊員たちも次々と倒れ、ついには基地からの撤退をも余儀なくされたウルトラ警備隊。

「寒さ」という弱点が明確に示され、かつ太陽エネルギーをもってしても修復不可能なまでにダメージを受け「弱体化」したセブン。

「セブン」史上最大の危機を迎えることとなった今回のお話は、まさしく第2クールラストを飾るエピソードに相応しいと言えるでしょう。

 

また、今回メインの敵であるガンダーは撃破していますが、黒幕たるポール星人については取り逃がすどころか、半ば遊び半分に良いように弄ばれて終わった感がぬぐえません。

すなわち、今回のお話に関しては、危機を脱することはできたものの、決して勝利したわけではないということになると思います。

ポール星人の去り際の言葉が、今後第3クール以降のさらなる激戦を不気味に物語っているかのようです。

 

一方で、第22話以来の飛行能力を見せたポインターに、ヤマオカ長官とアラキ隊員とのやり取り、超絶久方ぶりのミクラス登場に、ウルトラホークを操縦するアンヌ隊員など、細かな部分でもそうでない部分でも見どころが満載。

そういう意味でも今回は、第2クールのエピソードの中でも決して外すことのできない極めて重要なお話だったと言えるでしょう。

 

以下でもう少し詳しく見ていきましょうか。

 

零下へいざなう者たち ~ミニ宇宙人と凍結怪獣~

登場したのはミニ宇宙人ポール星人と凍結怪獣ガンダー。

前者のポール星人についてはなんかもうまんまな肩書ですが、見た目は、そうですね、ものすごいシャープな人面ヒトデをかろうじてヒューマノイド型にしたものとでも表現しておきましょうか。特徴的なたらこ唇はガンダーとも共通しています。

さて、そんなポール星人ですが、その見た目と声からは想像できないほどに傲岸不遜なヤツです。地球での過去の氷河期を自らによるものだとし、第3の氷河期をもたらすべくガンダーを駆り地球へ襲来。今回の騒動を引き起こし、ウルトラ警備隊とセブンを極限まで追い詰めました。

 

最終的には、機能停止に追い込んだ基地を復旧させられ、走狗たるガンダーも斃されたことから敗北を認め、撤退を決意。

セブンによってではなく、地球人の忍耐と使命感により敗北したと語り、セブンに対し「エネルギーが元のように多くなく、そして活動すればたちまち苦しくなる弱点を作っただけでも満足だ。」と言い残し、去っていきました。

まるで、これからさらに恐ろしく手強い侵略者が、地球に次々とやって来ることを予告するかのように。

 

さて、今回メインの敵となったガンダー。

タツムリのような眼とたらこ唇、逆三角形の不気味な体躯を持った二足歩行の怪獣で、ポール星人によって送り込まれました。

口からは零下140度のガスを吐き、飛行も可能。格闘戦にもそこそこ対応できるなど、まさしく対セブン用とも言える恐ろしい怪獣です。

 

まずは地球防衛軍の基地地下に出現し動力炉の機能を停止させ、その後ダンの元へ。ウルトラアイをまた失くし、変身できないダンに代わり召喚されたミクラスと対峙し、激しい肉弾戦を展開。若干苦戦している様子を見せながらも勝利を収めました。

その後、駆けつけたウルトラホーク1号、3号と、ついに現れたセブンと戦闘を開始。ウルトラ念力とアイスラッガーの連続攻撃を受け、割にあっさりと敗北を喫してしまいましたが、遺したものは絶大。

これほどまでにウルトラ警備隊とセブン=ダンを追い詰め、ダメージを与えた存在は他にいないでしょう。爆散することもなく、バラバラにされ散らばった死体に不気味さを感じるのは、決して手強かったからというだけではない筈。

 

極東基地最大の危機 ~上層部と現場~

今回のウルトラ警備隊…というより、今回は、地球防衛軍の極東基地全体で語った方が良さそうですね。散々書いてあるように、今回はまさに地球防衛軍極東基地に最大の危機が迫ったと言えます。極限状態の中で展開されるドラマは、手に汗握るものでした。

 

メインで展開されたのはやはり動力炉停止から復旧までのドラマでしょう。

特にヤマオカ長官とアラキ隊員とのやり取りはアツかったです。個人的なポイントはヤマオカ長官自身も最後までキリヤマ隊長と共に極寒の司令室にいたところですかね。

防衛軍の上層部と言えば頑固で融通が利かないような、あまり良い印象はないんですが、ヤマオカ長官に関しては頑固というよりも信念といった感じがしました。基地を捨てることは侵略者に首を垂れることと同じ。地球を護る者として、そこだけは譲れないところだったのでしょう。

さりとて現場で動力炉復旧の作業をしているアラキ隊員をはじめとする部下達の辛さもわかる。だからこそ、キリヤマ隊長と共により現場に近い極寒の司令室で、部下隊と同様に寒さと戦っていたのだろうと思います。

 

こういうキャラクターを見ると、個人的にはやはり「ダイナ」のゴンドウ参謀を想起させられます。彼もまた、強き信念を持ち、決して揺るがず、それでいて理不尽なことを言わない一本筋を通す男でした。

まあヤマオカ長官は彼ほど過激でタカ派というわけではないでしょうが、どうにも好きなんですよね。十分な立場と権力を持っていながらもそれらに甘えず、自分なりの信念と考えを持ち強く生きる男が。

現場と対立しながらも、その生きざまに救われる部下達もたくさんいることでしょう。

 

あと細かいところでは、ウルトラホークを操縦するアンヌ隊員ですかね。

彼女がホークを操縦するのって何話ぶりでしょうか。それとももしかして初めて?

普段ポインターに乗っている印象が強いので、何だか妙に印象に残ってしまいました。

 

零下140度の戦い ~白銀、褐色、鈍銀、真紅~

今回の戦闘パートは零下140度の白銀世界を舞台に大きく2つに分かれています。

 

まずは、前回のウインダムに続いて凄まじく久々に登場した褐色の野牛ミクラス。ダンに代わり、鈍銀の体躯を持つガンダーと激しい格闘戦を展開しました。

 

作中の描写を見る限りではけっこう善戦していたと思います。やはり格闘戦は得意なんでしょうね、部分的に見ればガンダーを追い詰めているようなシーンもありましたし。また、前回の登場では見られなかった光線技も披露してくれました。光線というよりはあれは熱線、あるいは熱弾とったところですか。かなり苦し紛れに放った感があったので、そう連射できるものではなさそうですが。

最終的にはガンダーに敗北し、グロッキー。事態が収拾した後に回収されていました。よく頑張ったぞ、ミクラス

 

そして本丸の真紅のファイター。人間態=ダンの時に受けた極寒のダメージが相当だったらしく、変身するや即座に太陽エネルギー補給へ向かいました。

補給後はガンダーと対峙。短期決戦とばかりにウルトラ念力でガンダーの動きを封じ、すぐさまアイスラッガー投擲。首、両手を切断し勝利を収めました。

 

見ただけでは割と瞬殺に分類される今回の戦いでしたが、どうにもモヤモヤした感じが残るのはやはりポール星人の残した言葉と、それを裏付けるかの如く点滅するビームランプですね、やはり。

つい先ほど太陽エネルギーを補給したばかりだと言うのに…。そして今までそれが点滅したのはナースに失神させられかけた時だけだったと言うのに…。

 

ウルトラシリーズでも珍しい、ヒーローが「弱体化」した瞬間でしたね。迷いや苦悩で一時的に戦えなくなったヒーローは数いれど、ここまで明確に「弱体化」させられたヒーローはそういないんじゃないかなと思います。

そしてこれが、これからますます激化していく侵略者との戦いに、決して小さくはない影響を与えることを思うと、ポール星人の残した爪痕の大きさを改めて痛感します。

 

その他 ~次回へ向けて~

第3クール最初のエピソードは、今なお語り継がれるあの名言が登場するお話ですね。

色々と考えさせられる展開になりそうです。

 

次回は第26話「超兵器R1号」です。

 

それではまた。

 

 

零下140度の対決

零下140度の対決

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