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【感想】ウルトラセブン 第24話「北へ還れ!」

いよいよ9月になりましたね。ARAIです。

ブログを始めてボチボチ半年になるわけですか…。早いもんだ。

 

さて、それでは今日もいきましょうか。「セブン4K」第24話です。

 

ウルトラセブン 第24話「北へ還れ!」

エピソード・オブ・フルハシ ~母と子の物語~

フルハシ隊員にスポットが当たったお話。時間経過や戦闘パートなど、ややお粗末というか、ツッコミどころがちらほら見受けられるお話だったんですが、個人的にはフルハシ隊員を演じた石井伊吉さん(現・毒蝮三太夫さん)の素晴らしい演技ですべて気にならなくなりました。

 

実家の牧場を継がせるために母親が上京してきてひと騒動…?、とドタバタでハートフルな家族の物語になるかと思いきや、まったくそんなことはなく、死を覚悟した息子と、息子の死を覚悟した母親との重たくも熱いドラマが見られる一編になっていました。

平成世代の自分としては、防衛チームに入隊した息子を心配・反対する母親のお話として「メビウス」の第14話「ひとつの道」を連想させられたりもしましたが、なんでしょう、どちらも最終的には母親から理解を得ることができて終わる、という点では同じなんですが、あちらは母親が(悪い意味ではなく)あからさまに「理解した」描写を入れて終わっていたのに対して、こちらは母親が「理解した」という描写をはっきりとは入れず、どちらかと言えばやや描写不足感を残しつつの終わり方だったというか。最後のシーンにしても、フルハシ隊員は母親と対面して言葉を交わしていたわけではありませんし。

しかしながら、中盤のフルハシ隊員が自爆する直前の母親とのやり取りなどを踏まえると、今回のあの終わり方も至極当然というか。すんなりと心で理解できるようになっていたように思います。まあ、その辺りはあとでもう少しだけゆっくりと語っていきましょうか。

 

あとは超絶久方振りに登場したカプセル怪獣だったり、いつにもましてアットホーム感のあるウルトラ警備隊、表舞台には登場しなかったカナン星人など、やはり要所要所に見どころはありましたね。

 

未知なる科学力 ~オーロラ怪人~

登場したのはオーロラ怪人カナン星人。自らの宇宙船を北極の灯台に偽装し潜伏。オーロラを模した未知の光線で防衛軍戦闘機と旅客機の衝突事故を起こさせていました。

作中の描写を見る限りでは、おそらくターゲットとした飛行体のすべてを制御下に置くことができるものと思われます。本編の時間経過を矛盾なく解釈するとしたら、十中八九、ホーク3号の自爆装置も制御していたのでしょう。

また、カプセル怪獣ウインダムの電子頭脳をも操ることができたことから、その科学力と技術力は相当に高いものと思われます。ウルトラ警備隊含む地球防衛軍がまともに戦っても相当な損失を被ることになるでしょう。一方的に滅ばされる、なんてところは想像できないですが。

最終的には灯台型ロケット?のような宇宙船で逃亡を図りますが、セブンのワイドショットを受け爆散。作中では3体の個体が確認できましたが、あの様子では生き残りはいないでしょうね。

 

家族と仲間 ~毒蝮三太夫さんの名演が光る~

今回のウルトラ警備隊はやはりフルハシ隊員でしょう。

冒頭、妹(マナさんだったかな?)とのやり取りや、パトロールへ向かう際のウルトラ警備隊とのやり取りなど、微妙な表情(キャラ)の違いがこの時点ですでに描かれています。

個人的には、ウルトラ警備隊の仲間といる時の方がやんちゃ感があるというか、お調子者感があるというか。いえ、もちろん決して悪い意味ではなくて。

母親に牧場を継がされようとしていた辺り、家庭では長男だったでしょうし、また、牧場を「継がせたい」と母親に思われるような長男だったという見方もできますから、やはり家族の中では長男として、どうしても気を引き締めがちな立ち位置だったのではないでしょうか。何かあったら自分が何とかせねばならないと、きっと無意識にそういう気持ちになっていたんでしょう。長男とはそういうものです。自分の気持ちよりも家族の安寧を優先してしまうような。

しかし一方で、本質的にはいたずらっ子気質というのか、ユーモラスというのか、そして同時にいじられ気質も持ち合わせていることから、妹のマナさん含めて、地元では相当頼られ、かわいがられ、人気があったのだろうなとも思ったり。

そんなフルハシ隊員にとって、気の置けない仲間や上司たちと、自らの使命たる地球防衛に命を賭して尽力する今の仕事は、文字通り彼の居場所であり、天職だと感じていたのだと思います。

そして母親のユキさんも、実際にウルトラ警備隊の仲間たちと会い、現場に触れ、任務中の息子と直接話をすることでそのことに気が付いたのでしょう。だからこその、自爆を決意した際のあの表情とやり取りだったのかなと。

互いに多くを語らず、何気ない話をして笑い合う。ただ穏やかに「その時」を待っている。毒蝮三太夫さんの名演が光る、「セブン」の隠れた名シーンの一つなのではないかと愚考するものです。事件解決後、北海道上空をパトロールする展開もお見事でした。

 

あと細かいところでは…、本当に細かいところなんですが、ユキさんと話をしていたダンがアンヌ隊員に呼ばれるシーン。飲んでいたお茶をそのまま手に持ってアンヌ隊員の元へ向かうところで笑ってしまいました。明らかにオドオドしている…。岩村博士の時もそうでしたが、どうもダンは年配の人が苦手なようですね。そんなで大丈夫か、ウルトラセブン

 

北極の戦い ~真紅と白銀~

今回の戦闘パートはまさかのカプセル怪獣が相手。白銀の世界を舞台に、白銀の眷属と真紅のファイターが相まみえることとなりました。

…と言っても、実際に戦闘らしい戦闘はなく、電子頭脳に干渉され暴れ出したウインダムをセブンがただただ宥める…、というか遊んでいるようにも見えましたが。まあ見ようによってはギャグでしたかね。あと、カプセル怪獣がどう足掻こうとも絶対にセブンには勝てないんだろうなというのも痛感しました。今回のようなことでもない限り、状況としてはあり得ないんでしょうが。

 

最終的には正気に戻ったウインダムも、灯台型ロケットの光線を受け退場。

後を引き受けたセブンが、逃げるロケットを追撃してワイドショットでフィニッシュ。

エメリウム光線ではなく、より威力の高いワイドショットを使ったのは、ウインダムを操られた報復なのかなと個人的には思っています。

画的にはややコミカルな感じでしたが、あの状況って普通に考えたら仲間を操られたみたいなもんですしね。そりゃあセブンとしても良い気分ではなかったでしょう。

 

その他 ~次回に向けて~

現存している話数で単純に計算するなら、次回が第2クールのラストエピソードになりますが、個人的にもあのお話がある種の「セブン」の区切りかなとも思ったり。

このブログでも、次が第2クールラストとして取り扱うこととします。

 

次回は第25話「零下140度の対決」です。

 

それではまた。

 

 

北へ還れ!

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  • Kôji Moritsugu
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