世間的にはゴールデンウィーク真っ最中といったところですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。ARAIです。
今回はいよいよ「ヤツら」が登場する「セブン4K」第3話の感想です。
それではいきましょう。
ウルトラセブン 第3話「湖のひみつ」
より広がった「セブン」の世界 ~怪奇事件とは違った「王道」~
今回は正しく「怪獣モノ」、あるいは「これぞ王道のウルトラシリーズ」といった印象でした。第3話にしてようやくと言うべきか、前回、前々回と異なり、初めて冒頭が夜のシーンではない導入となりましたね。
基地から始まる冒頭は、前2話とうまく差別化ができていたようにも思います。
パトロールからの事件の予感、飛行メカで現場へ飛び、市民への聞き取り調査に怪しげな人物、巨大怪獣出現にウルトラホークによる迎撃、基地に現れる宇宙人など、「防衛隊」としてのウルトラ警備隊が全面に描かれていたのも印象的でした。
第1話以来となるカプセル怪獣の登場や水辺での戦闘など、ドラマパート、戦闘パート共に非常に見応えのあるお話ですね。
怪奇事件でのじわじわと這い上がってくるような「静的な」面白さとはまた異なった、よりオープンでダイナミックな「動的な」面白さを見せてくれた第3話でした。
放送当時、第1話から見ていた人たちは、今回のお話で「おや、こんなお話も見せてくれるんだな」と思ったかもしれませんね。
それぐらいに、前2話とは印象が違って見えます。そういう意味では、このお話によって「セブン」という作品が持つ可能性や世界観といったものがグンと広がった、とも言えると思います。
電獣を従える残虐な「少女」たち ~宇宙怪獣と変身怪人~
登場したのは宇宙怪獣エレキングと変身怪人ピット星人。両者共に今や「セブン」のみならず「ウルトラシリーズ」を代表する怪獣と宇宙人だと言っても過言ではないでしょう。作品によっては敵だったり味方だったり、派生キャラがいたり固有名付きで登場したり。
近年で個人的に印象深いのは、前者エレキングは「ギンガS」でのファイブキング戦でのウルトライブ、後者ピット星人は「タイガ」での水野ヒトミですかね。
さて、初登場となった今回のお話では、両者共に真っ当な敵役です。
ピット星人に関しては2人組で行動し、ダンとフルハシ隊員を(一旦は)行動不能に。その後、ウルトラアイを奪い、1人はエレキングを操りつつ、もう1人はなんとウルトラ警備隊の基地への侵入を果たしました。また、「地球上の人間を皆殺しにする」などとかなり物騒なことを言う辺り、非常に狡猾で残虐な宇宙人と言えます。
結果的にはダンの執念とも言える追跡と、セブンの、これまた執念とも言える追撃により敗北を喫してしまいましたが、控え目に見てもかなり「できる」宇宙人ですね。
地球のことを「美しい」と評していたので美的感覚は人類と近しいようですが、殺戮をもって手中に収めようとしている時点でれっきとした「敵」でした。
一方、そんな残虐な「少女」たちに操られていたのがエレキング。そのダイナミックな暴れっぷりと特徴的なデザインから、今回のお話を大変盛り上げてくれた素晴らしき怪獣です。
戦闘力については、序盤劣勢となったミクラス戦で逆転勝利を収め、また、あのセブンの動きを一時的ながらも封じるという活躍ぶりを見せました。ピット星人同様、決して侮って良い相手ではないでしょう。
最終的にはエメリウム光線で頭部のアンテナを破壊された後にアイスラッガーを受けあえなく敗北。血を流しながらという生々しい最期を見せ、爆散しました。
出撃!ウルトラ警備隊 ~ウルトラホークで大空へ進め~
上述の通り、なかなかの活躍を見せてくれた今回のウルトラ警備隊。フルハシ隊員とダンとの地上での任務に始まり、ウルトラホークによるエレキング迎撃と、これぞ防衛隊とも言うべき活躍でした。
最終的には撃墜されてしまったウルトラホークですが、未だ経験が浅いとも言える今時点で、あのエレキングに複数回も攻撃を命中させたのには驚きました。描写を見る限り、あれけっこうダメージ与えてたんじゃないですかね。
ウルトラホークの出撃シーンを改めてじっくりと見せてくれたことも個人的には嬉しいポイントでした。
あと印象に残ったのは前半で円盤を調査する前のフルハシ隊員ですかね。
潜入前に武器の点検をと語るシーンは、彼の警戒心や緊張感の強さをうまく描いてくれていたように思います。
この時点でも、彼らにとって「円盤」や「宇宙人」というのはもはや警戒すべき存在になっているようです。
(現れた少女相手には警戒心を解いてしまったようですが。)
湖の戦い ~褐色の野牛と真紅のファイター~
第1話のウインダムに続き、第2のカプセル怪獣であるミクラスが初登場を果たしました。ウルトラアイを奪われ戦うことのできないセブンに代わり、エレキングに挑みます。
湖を舞台に繰り広げられる怪獣同士の激しい戦いに、否が応でもワクワクさせられましたが、さらにエレキングの尻尾を掴んで投げ飛ばすなど、まさに獅子奮迅とも言えるなかなかの立ち回りを見せてくれたミクラス。迫力満点でしたね。
ウインダムを「白銀の眷属」とするならば、ミクラスは「褐色の野牛」と言ったところですか。
最終的には、尻尾に囚われた後に電撃を受け敗北となりましたが、ドラマ的にも特撮的にも充分過ぎるほどの活躍だったと言えるでしょう。
本丸であるセブンの戦闘パートについては、ここへ来てついに「真紅のファイター」の名に相応しい戦いぶりを見せてくれたなという感じでした。
上空から颯爽と現れ、ド派手な肉弾戦を展開しエレキングを圧倒。間髪入れずに迫りくる尻尾攻撃を次々と躱します。ついにはミクラス同様、その尻尾に囚われてしまいますが、電撃攻撃もなんのその。みなぎるパワーで束縛を振りほどき、エメリウム光線で2つのアンテナのみを正確に破壊するという驚異の芸当を披露しました。
トドメのアイスラッガーでエレキングをバラバラに引き裂き、撤退を図るピット星人の円盤を猛追。迎撃用に放たれたビームをも難なく防ぎ、これまた抜群の精度を誇るエメリウム光線でくだんの円盤を撃墜し、今回の戦いにピリオドを打ちました。
強いですね、セブンは。今のところ苦戦している描写がまったくありません。
引き続き、彼の「戦い」や「戦闘スタイル」にも注目していきたいと思います。
その他 ~次回に向けて~
さあ、次回もまた近年のウルトラシリーズで活躍を見せるあの宇宙人の登場ですね。どんなドラマと戦いを見せてくれるのか。
次回は第4話「マックス号応答せよ」です。
それではまた。