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【感想】ウルトラセブン 第2話「緑の恐怖」

第1話のあの興奮も冷めやらぬ中、といったところですが、せっかくの休日ということで、1週間を待たずして第2話を楽しませてもらいました。

それではいきましょう。「セブン4K」第2話の感想です。

 

ウルトラセブン 第2話「緑の恐怖」

ただよう「奇妙」で「魅せる」 ~日常に紛れる「何か」~

全体としては「ある意味では今回のお話が“はじまり”と言えるのかな」と感じました。

「ウルトラ警備隊」の一員としてダンがおり、事件が発生し、物語が展開していく。そして元凶が暴かれ、敢然とセブンが立ち向かっていく―そんな、ある種「お決まり」とも言える構成で成されたエピソードでした。

「お決まり」と言うとあまりポジティブなイメージはないかもしれませんが、その「お決まり」の流れにあってもなお、心掴まれ、ワクワクさせてくるのが「セブン」なのかもしれません。前回と今回の2話分を視聴して、私はそう確信しています。

 

前回の如くじわりじわりと忍び寄る好奇心にも似た胸の昂ぶりは今回も健在。

冒頭、夜の導入から始まり、確実に「何か」が起ころうとしている中で繰り広げられていく「日常」

石黒家での妻と家政婦とのやり取りや、宇宙から帰還した石黒隊員を朗らかに出迎えるウルトラ警備隊など、一見どうということはない「柔らかい」ごく普通の「日常」のようなシーンなんですが、間違いなく、すでに「何か」が紛れ込んでいる。金属の如く固く冷たい「何か」が。

 

あぁ~うまいなぁと感じますね。これを演出と言うのかはよくわかりませんが、こう、自然と画面に見入ってしまうように「魅せる」この作風は、本当によくできていると感じます。

小包を届ける郵便局員や、同じく小包を手渡す家政婦のシーンなど、どこかただよう「奇妙な」雰囲気は堪りませんねホントに。

 

前回と今回とで間違いなく私は「セブン」に夢中になってしまっているなぁと。この勢いのまま、ドンドン見進めてしまうのだろうなぁと。そう強く感じた第2話でした。

 

それにしても、タイプライターで書類を作成しているところに時代を感じますね。当然と言えば当然ですが。

作中の何気ない描写で、作品毎の時代背景を感じることができるのは、長く続くウルトラシリーズならではの醍醐味の一つかもしれませんね。

 

闇に潜む未知なる恐怖 ~生物X~

登場したのは生物Xことワイアール星人。石黒隊員になりすまし、夜の町で人々を次々に襲撃。自らと同じ存在へと変化させ、地球を侵略しようとした恐ろしい存在です。

石黒隊員の姿でごく自然に振舞っていたことから最低限、人語や人類の文化については精通していた様子でした。まあ石黒隊員を捕らえた時に脳などを分析して得た即席の知識でやり繰りしていたとも考えられるんですが、まあ即席だったとしてもウルトラ警備隊、そしてダンの目をも欺いたことから相当に高い知性を有していることは明らかですね。

正体を現した後には人語を一切操らないところも個人的にはポイント。なまじ喋らない分、良い感じに「未知」と「恐怖」が出ていたと思います。

 

戦闘力自体はあまり高くはなさそうでしたね。巨大化後は割にあっさり、セブンのエメリウム光線で焼却され敗北しました。

上述の能力のことも考えると、戦闘タイプというよりは隠密行動タイプの宇宙人だったと言えます。

 

ところで生態についてはさておいて、「ワイアール星」自体については、恒点観測員であるセブン=ダンが知っていたことからまったくの未知の惑星というわけではなさそうでしたね。「チルソナイト808」なる物質のことも把握していたみたいですし。

 

ポインターとパラライザー ~アンヌ隊員の冷静な判断~

今回のウルトラ警備隊は、出番は多いですが活躍としてはやや地味めでしたかね。

しかしながら、ライドメカであるポインターが頻繁に登場したり、銃器(に分類されますかね)パラライザーが使用されたりと、要所要所でその設定の幅を少しずつ広げている印象でした。些細なシーンであったとしても、防衛隊員がライドメカを操縦したり、銃を持ったりするシーンは大事です。

 

あと、ワイアール星人に変化させられた市民を庇い、パラライザーを駆使し麻痺させたアンヌ隊員が印象に残りました。平時はメディカルセンター勤務だったかと記憶していますが、その冷静さと判断力は紛れもなく「戦士」のそれですね。伊達に「ウルトラ警備隊」を名乗ってはいないようです。

 

山間の戦い ~圧倒的な勝利~

今回の戦闘パートは短めでしたが、それでもなおセブンの強さを描くには充分過ぎるものでした。

ワイアール星人の放つ光線を受け劣勢になった…かと思えば即座に回避行動を取りヤツの背後から山を割り登場。華麗なステップで距離を取るや否やアイスラッガーで秒殺。分離した肉体をエメリウム光線で焼却し、圧倒的な勝利を収めました。

今回はダイナミックさも併せ持っていましたが、やはり前回同様、総じて戦い方に無駄がないスマートなスタイルですね。カッコ良いなぁ。

 

その他 ~ダンとセブンと次回に向けて~

ダンがごく自然にウルトラ警備隊に馴染んでいたことと、彼らがまたごく自然にセブンを仲間と認識していることが印象的でした。

「ウルトラ警備隊7番目の隊員」が名前の由来であり、彼らがセブンを仲間として受け入れるシーンがカットされたことは有名な話ですが、まあその裏設定を知っているからか、個人的には彼らがセブンをいきなり「仲間」と認識していることにそこまで違和感は覚えませんでした。

まあそのカットされたシーン自体は、あった方が良かったんじゃないかなとは思いますが。

 

さあ、次はいよいよ「セブン」を代表する「ヤツら」の登場ですね。

 

次回は第3話「湖のひみつ」です。

 

それではまた。