1週間ぶりの更新です。ARAIです。
さあ、今日からいよいよ「ウルトラセブン」の感想ですね。
このブログで書く初めての作品感想になるということもあり、探り探りになるだろうとは思いますが、お時間の許す限りお付き合いください。
それではいきましょう。「セブン4K」第1話です。
ウルトラセブン 第1話「姿なき挑戦者」
「静」の中の「動」 ~生涯現役の風来坊、そのエピソード1~
まず最初の印象としては、「こういう第1話もあるのか」というものでした。動的というよりもどこか静的というような。
セブンの派手な戦闘シーンもなければ、巨大な怪獣がダイナミックに暴れ回るわけでもない。尺の大半がドラマパートや怪奇事件の描写に割かれ、極めつけとばかりに、セブン最初の相手は全長2mの小型宇宙人。
激しくワクワクと盛り上がる、初っ端からグッと視聴者の心を掴もうとするような第1話ではないな、というのが正直な印象でした。
しかし、それではじゃあつまらなかったのかというと、決してそんなことはなくて。むしろ冒頭導入の夜のシーンから、私自身の心は一発で「持っていかれて」しまいました。
じわりじわりと忍び寄る、好奇心にも似た胸の昂ぶり、とでも言いましょうか。
物語の一発目に「人間消失事件」なんてサスペンチックなものを持ってくるある意味大胆とも言える導入。丁寧に展開される「事件」と、また同時に丁寧かつ綿密に描かれる「ウルトラ警備隊」。隊員たちの紹介、ポインターの発進、ウルトラホークの分離合体…。
いやぁ、これでワクワクするなという方が無理でしょう。
お話全体としては、導入のこともあって静的な印象が強いんですが、円盤による工業地帯の攻撃シーンはかなりしっかりと描写されていて、なんでしょう、決して地味なわけではないんですが、静かさの中に激しさが潜んでいて、それが心地よいメリハリを生んでいるというか。
「ああ、“セブン”はこんなお話なんだな」とスッと心に入ってくるような、そして同時に、「ああ、これはたしかに今でも名作と謳われるわけだな」とスッと理解できるような、そんな第1話でした。
それにしてもダンの初登場がまさかあんなだったとは…。まさに「風来坊」ですね。
保冷車から登場したどこかのラムネのお兄さんも衝撃的でしたが、ダンの登場もまた、かなり印象に残りました。
傲慢なる挑戦者 ~宇宙狩人~
登場したのは宇宙狩人クール星人。人類のことを「昆虫のよう」という傲岸不遜も甚だしい今回の敵。不可視の円盤で人類を攻撃し、人語を以てウルトラ警備隊に全面降伏を要求するなど、高い知能と攻撃性、そして邪悪さを兼ね備えた記念すべき「セブン」一発目の宇宙人です。
全長は2mとウルトラシリーズに登場する宇宙人の中では比較的小さい、というか、いわゆる等身大に分類されるようなサイズですかね。
宇宙人との戦いに慣れていないであろうウルトラ警備隊を追い詰め、さらにはウインダムをも退けるほどの活躍を見せましたが、円盤内に潜入したセブンのアイスラッガーを受け、断末魔の叫びを上げることもなく敗北しました。
人類にとってはかなりの脅威ですが、おそらくどうあがいてもウルトラ戦士には敵わないでしょうね。同じ第1話時点のメビウスやゼットであっても、苦戦することなく倒せてしまえそうです。
というか、今時点では難しいでしょうが、装備と準備さえ整えれば人類でもなんとか太刀打ちできそうな手合いにも思えますね。
ああそうか、だから「挑戦者」なんですかね。
クール星人はあくまで「挑戦者」であり「侵略者」ではない。「侵略者」にはなりえない。もしかした、サブタイトルにはそういう意味も含まれているのかもしれません。
ウルトラ警備隊初登場 ~地球を守る警備隊 ~
第1話とあって、ウルトラ警備隊の面々が紹介されたのは良かったですね。短い描写ながらも隊員それぞれの得意分野や性格がわかるようになっていました。
個人的には、いきなり現れた風来坊に完全にお株を奪われる防衛隊ってどうなの?とも思ってしまいましたが、作中の描写を見る限り、上に書いたようにウルトラ警備隊は宇宙人などの脅威との戦いに慣れていない、何なら今回が初めてだったと思われます。
おそらく兼ねてからクール星人の暗躍に目を光らせてきたであろうダンの方が彼らより一枚も二枚も上手なのも、まあある意味仕方がないのかもしれませんね。
岩山の戦いと円盤への潜入 ~白銀と真紅の活躍~
今回のメイン戦闘パートはセブンというよりもウインダムでしたかね。打撃に光線にと、白銀の巨体を駆使して小型円盤相手に頑張っていました。そういえばこのウインダムにはハルキもヨウコ先輩も乗ってなかったんだよなと思ってしまったのは内緒です。
数いる「ウインダム」の原点が、「この」ウインダム。今思えば、かなり歴史的登場シーンだったのかもしれません。
さて、一方本丸であるセブンは、さながら潜入捜査官のように円盤内で活躍。黒幕であるクール星人を秒殺し、人質たちを解放。その後、円盤を宇宙空間まで運び破壊するなど、一切の無駄がない非常に段取りの良い戦い方でしたね。
今の時点では「真紅のファイター」というよりも「真紅のエージェント」と呼んだ方が良いかもしれません。
さしずめ「真紅のエージェント」と「白銀の眷属」と言ったところですか。
その他 ~次回に向けて~
いやぁ、思っていた以上、期待していた以上に楽しませてもらった「セブン」第1話。4Kという高画質もまた、お話の良さをいっそう引き出してくれていたように感じます。
こりゃあこれからのエピソードも楽しみだぞと、胸をワクワクさせている自分がいますね。やはりウルトラはこうでなくては。
次回は第2話「緑の恐怖」です。
それではまた。