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【感想】ウルトラセブン 第11話「魔の山へ飛べ」

いよいよ本格的な梅雨になりましたね。ARAIです。

さ、いきましょう。「セブン4K」感想、今日は第11話です。

 

ウルトラセブン 第11話「魔の山へ飛べ」

ダンの「死亡」に燃えるウルトラ警備隊 ~宇宙竜の操演が見事~

なんと主人公が(肉体的にとはいえ)死亡してしまうお話。衝撃。

 

ダンの死亡を受け涙を流すウルトラ警備隊の面々だったり、「弔い合戦だ」と現場へ出るキリヤマ隊長だったり、銃器を携えワイルド星人と対峙したり、押収した未知のアイテムを見事に解析したりと、今回はウルトラ警備隊の活躍が全面に描かれていた印象でした。まさに「ウルトラ警備隊編」とも言えるお話でしたね。

 

全体の流れとしては、雷鳴の中地球に侵入するナースから物語が始まり、若者たちの連続不審死にウルトラ警備隊の出動、ダン死亡にワイルド星人出現、ウルトラ警備隊の活躍とダン復活、そしてセブン登場と、今回もまたテンポ良く飽きのない仕上がりになっていたと思います。

 

そんな中でもやはりナースは特に印象に残りますね。いわゆる操演怪獣というやつですか。宙に浮いている時、主に上下にワサワサと(クネクネ?)動いている演出はもろに操演を象徴するかのような動きなんですが、個人的にはこれがツボですね。

なんというか、地球の生物、例えばヘビとかウナギとかではおそらくあり得ないであろう、あの妙なカクカクしたような動き。あれがまた良い感じに「異物」感を出していたと思うんですよね。明らかな「不自然さ」と「異物」感。人間の常識では考えられない動き方。ヤツらが紛うことなき「未知」の存在であるとより感じさせるものになっていました。

 

あと今回アンヌ隊員の登場がありませんでしたが、どうも諸々事情があったようですね。その辺りの事情については詳しく語れるほどには把握していないので、興味がある方は調べてみてください。

 

さあ、それでは以下でまたあれこれ見ていきましょう。

 

「若さ」を奪う者と金色の機竜 ~宇宙野人と宇宙竜~

登場したのは宇宙野人ワイルド星人と宇宙竜ナース。前者は触覚の生えたイエティのような、まあワイルドと言えばワイルドなビジュアルをしています。後述のナースを駆り地球へ侵入し、地球人の若者を狙い暗躍を始めていました。

して、その目的は若者の持つ「若さ」そのもの。ワイルド星における自らの種族全体が老衰し絶滅の危機に瀕していることから、地球人の「若さ」を頂戴し母星を救いたいというものでした。

本人曰く侵略の意思はないとのことで、実際にかなり切迫した状況であることを察せられる様子ではありましたが、さりとて20名以上の若者の命を奪っている時点で、ましてや通り魔的と言っても過言ではないようなやり方で行っている時点で地球人からしたら侵略とほぼ同義です。堪ったもんじゃあありません。無論、ワイルド星にもさほど猶予はなかっただろうとはいえ、交渉も対話もなく一方的に他惑星の命を奪うことは侵略以外の何物でもないでしょう。

生命カメラという驚異的かつ規格外の技術力と科学力を持っている割には、どうにも考えが足らなかったようですね。

「弔い合戦」に燃えるウルトラ警備隊に追い詰められ、最終的にはソガ隊員のウルトラガンを受け死亡しました。

 

一方、そんなワイルド星人が操る宇宙竜ナース。肩書の通り竜の姿となるドラゴン形態と、その長い身体で渦を巻いた円盤形態があります。

ワイルド星人の呼びかけに応じ出現し、ウルトラホークと空中での戦いを繰り広げ撃墜されたかに見えましたが、特段ダメージを受けた様子もなく、すぐさま反撃へ転じました。

その後、復活したダン=セブンと対峙。円盤形態による高速飛行で惑わせ、目を回させたところですかさず巻き付き締め上げ攻撃。なんとあのセブンをビームランプが点滅するまでに追い詰めました。地味に強い。

しかし締め上げ攻撃をする者のさだめか、最終的には束縛を振りほどかれ、その勢いのまま胴体をバラバラにされ敗北を喫しました。

最期はあっけないものでしたが、セブンをあそこまで追い詰めたのはなかなか善戦したと言えるのではないでしょうか。

 

燃えるウルトラ警備隊 ~「弔い合戦」に見る絆~

上述の通り今回のウルトラ警備隊はまさに「弔い合戦」に燃える男たち、といった感じ。

特にダン死亡後の、泣き叫ぶソガ隊員、静かに涙を流すアマギ隊員、強い決意を口にするキリヤマ隊長、それに強く応えるフルハシ隊員のシーンは強烈に印象に残りましたね。

第5話「消された時間」でのダンへのやり取りなどを思うと、あの時よりもさらに、より強いつながりや絆のようなものがウルトラ警備隊の中で芽生えているのだろうと思いました。

まだまだ序盤の第1クールではあるものの、ここまででも既に充分過ぎるほどに彼らは、共に過ごし、共に戦い、共に生き抜いてきている。その事実が、今たしかな「絆」を生んでいるのでしょう。彼らの涙を見て、私はそう感じました。

 

さて、そんな熱きウルトラ警備隊は今回もまた大活躍。

地上での聞き取り調査に始まり、現地警察と連携。氷穴にてワイルド星人を追跡する中で3人がそれぞれ銃器をぶっ放すシーンは迫力ものでした。何が何でもダンの仇をとるという想いが伝わってきます。

その後のキリヤマ隊長の機転に、押収した生命カメラを分析し見事に命の「現像」に成功させたアマギ隊員、ワイルド星人にトドメを刺したソガ隊員と今回はホントにもう見所だらけ。ウルトラガンやウルトラホークでナースに一矢報いるシーンもありましたし、彼らの決意が単に台詞や涙だけに留まっていないのが実に良い。

まあそれだけに、アンヌ隊員の登場がなかったのは悔やまれますが…。

 

魔の山の戦い ~追い詰められる真紅のファイター~

今回のセブンはナースに大苦戦。円盤形態の高速飛行で目を回された後、スキをつかれ締め上げられてしまいます。その強さたるや、おそらくはエレキングのそれとは比べ物にならなかったのでしょう、ビームランプが点滅し、意識が遠のいていくような描写までありました。

そしておそらく、初めてなんじゃないですかね。セブンが背を地面につけたのは。それほどまでに、今回のセブンは追い詰められたと言えます。

なんとか意識を保ち、気合と力で締め付けを打ち破ることで勝利を収めましたが、今回の苦戦は、これからさらに強く激しくなる侵略者たちの出現を予感させるもの。ここまでほぼ苦戦なく、圧倒的なまでの強さを誇っていた深紅のファイターが追い詰められるのを見て、私個人としてはそう感じました。

ほどなく訪れる第2クール。その開始と同時に襲い掛かる「ヤツ」の存在が、どうしても脳裏にちらついてしまいますね。

 

その他 ~次回に向けて~

さて、次回は、本来の放送順であれば第12話「遊星より愛をこめて」の感想になるんですが、公式の扱いに則り欠番、感想はなしとさせていただきます。

(もちろん、4Kリマスター版の第12話も放送されていません。)

 

ですので、次回は第13話「V3から来た男」の感想にてお目にかかることになります。

 

それではまた。