やっぱ、シンプル。 ~ARAIの雑日記~

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【感想】ウルトラセブン 第5話「消された時間」

まさかの2日連続で更新できたことに自分でも驚いています。ARAIです。

 

昨日の記事に書いたように、やはり今回のお話をちゃんと見るのは初めてでした。

ただ、戦闘シーンは何かしらの編集系のビデオ作品で見た記憶も…。何だったかな、あのビデオ…。

まあとにもかくにも今日もいきましょうか。「セブン4K」第5話です。

 

ウルトラセブン 第5話「消された時間」

紛れ込んだ「何か」に翻弄される若き戦士 ~能力と実力のちがい~

ユシマ博士が基地に向かう冒頭、一瞬時間が停止した後、何事もなかったかのようにまた時間が動き出すという印象的なシーンで始まった今回のお話。

第2話「緑の恐怖」を彷彿とさせる、「ごくごく朗らかなシーンの筈なのに、間違いなく“何か”が紛れ込んでいる不気味さ」のような、こういう演出が個人的には大好きです。一気に心を掴まれる。

 

さて、全体としては、モロボシ・ダン=セブンの、戦士としての「若さ」が描かれたお話だったかなという印象でした。能力的にはユシマ博士=ビラ星人の企みを見抜いているにも関わらず、それを踏まえて上手く立ち回ることのできない実力のなさのような。能力のある若者が、老獪な実力者に翻弄されているような。

セブンにもこんな、ある種不器用で一直線な時期があったんだなぁと何とも微笑ましく?思いながら見ていました。今のダン=セブンなら、絶対にもっと上手く切り抜けているでしょうね。

 

一方で、ダンを穏やかに励ますフルハシ隊員だったり、ほぼ現行犯的扱いでダンを連行するソガ隊員やそれを指示するキリヤマ隊長だったりと、ウルトラ警備隊内の人間関係や信頼関係も少し垣間見えたように思います。

 

他にも、ウルトラホークと宇宙船団によるドッグファイトが展開されたり、操演宇宙人との戦闘シーンが見られたりと、総じて今回も見所の多いお話に仕上がっていました。

 

時と心を操る征服者 ~宇宙蝦人間~

登場したのは宇宙蝦人間ビラ星人。昆虫的というのか、甲殻類的というのか、まあたしかに蝦と呼ぶのが一番しっくり来るような、なんとも特徴的な外見をした今回の敵です。

ワシャワシャと動く口元やヒダがかった細長い胴体など、異形でありながらも絶妙なバランスが保たれた、ギリギリかろうじて「星“人”」と呼べるこのデザインは個人的にはどストライク。最近のウルトラシリーズではあんまり見かけない類かなと思います。

 

さて、このビラ星人ですが、なんと「時を止めることができる」という凄まじい能力を持っています。加えて、自身の心を植え付ける―洗脳やテレパスと認識していいと思います―ことで対象を自在に操る能力も持っているなど、例に漏れず、極めて恐ろしい侵略者と言えます。

また、自身のことを「全宇宙の征服者」と豪語する辺り、おそらくすでにいくつかの惑星や宇宙を手中に収めているのでしょう。その恐ろしい能力と悪意をもって。

今回に関してもセブンが尽力したからこそ斃されたわけで、あのままいけばそこまで労することもなく、ウルトラ警備隊を陥落させ、人類を、地球を征服できていたと思います。「時を止めて心を操る」なんて能力を持っている時点で、大半の人類にとっての天敵でしょうしね。

 

クライマックスでは力業で状況を打開したセブンと対峙し、巨大化での戦闘を展開。煙幕や肉弾戦などで多少善戦するもののやはり敵わず、最終的にはアイスラッガーで頭部を切断され、極めつけに撃墜された船団の爆発に巻き込まれ炎上しました。無残。

 

宇宙船団とのドックファイト! ~渦巻く炎が唸りを立てて~

今回のウルトラ警備隊は、やはり後半でのウルトラホーク vs 宇宙船団でしょう。ウルトラホーク1号と3号による船団とのドッグファイトは、傍で同時にセブン vs ビラ星人が展開されていることもあり、その活躍と相まって今までにないくらいに盛り上がりましたね。

第1話ではクール星人の円盤に撃墜されていた彼らが、ビラ星人の船団にものともせず、果敢に戦い勝利を掴んだことは物語的にも作品的にも非常に大きなことだと思います。

いよいよウルトラ警備隊の「対宇宙人のエキスパート」としての側面が強く描かれてきたのかなという嬉しさと、防衛隊が活躍するというシンプルな楽しさ。このワクワクは、時代が違えど変わらないもんなんですね。

 

上に書いたように、今回は各隊員とダンとのやり取りも印象に残っています。

ビラ星人に操られたユシマ博士にダンが嵌められる、というのが今回の一連のドラマなんですが、はじめにダイオードの件でダンに嫌疑がかけられた際は、キリヤマ隊長が庇い反論し、フルハシ隊員が後でフォローに来るなど、一同はダンを信頼していました。しかしダンがユシマ博士を襲撃した現行犯とし、二度目の嫌疑がかけられた際は、誰も彼を庇うことなく独房へ連行しました。

なんというか、ここにリアルな人間関係が出ているような気がするんですよね。

 

今回のお話は第5話、製作順で見ても第6話と、いわば物語の序盤。すなわちダンがウルトラ警備隊へ入隊してからそこまで日数は経過していないと思われます。つまり、未だダンは各隊員たちと信頼関係を確立していない。

「飄々としたよくわからん若造だけれども、まあ実績も行動力も正義感もあるし、それなりには信用してもいいかな」

キリヤマ隊長やアンヌ隊員も含め、一同のダンに対する認識はこの程度だったんじゃないでしょうか。だからこそ、「地球の頭脳」と呼ばれる、いわば「えらい人」の方の主張を優先してしまったのではないでしょうか。

まして今回、ユシマ博士はダンを「宇宙人に操られている」=「自らの意思とは関係のない悪行」とせずに「宇宙人のスパイ」=「自らの意思での悪行」としているわけですから、すなわちそれは、未だ今の時点で一同の「ダン」そのものへの信頼は、外からの力で簡単に揺らぐものだった、という風に見ることができると思います。

 

私はてっきり体裁的にダンを監禁するものだとばかり思っていたので、フルハシ隊員とソガ隊員が独房の前でダンへ厳しい言葉を向けたのが個人的にはかなり印象的でした。

GUTSとダイゴ、スーパーGUTSとアスカなど、TDGの防衛隊の、特に物語の後半では、こんなの絶対あり得ないだろうなぁと思いながら。

 

社の戦い ~真紅はすべてを上回る~

今回の戦闘パートは神社(庭園?)を舞台に繰り広げられましたが、こういうセットは本当に良いですね。画的にもすごく面白いです。

 

さて、力業で独房を脱出し、ユシマ博士の洗脳もエメリウム光線?で破り、宇宙船を猛追・撃墜し、ついにビラ星人と対峙したセブンでしたが、今回もまあ圧倒的な強さを見せてくれました。

 

開戦初っ端、ヤツの煙幕攻撃などどうということもなく、冷静に距離を取り、体当たりをくらうものの、得意技である「時間停止」の光線もバリヤーで難なく防いで見せます。

流石にマズいと思ったのか、ここでビラ星人はじりじりと後退りを始めるんですが、お返しとばかりにストップ光線を放ち、アイスラッガーでフィニッシュ。

「時間を操る」ことで人類を欺き、ダン=セブンを陥れたビラ星人が「時間停止」技をくらい敗北することになるとはなんとも皮肉というのか。

 

いずれにしても、セブンがビラ星人のすべてを上回っていたということでしょう。それでこそ、我らが「真紅のファイター」です。

 

その他 ~次回に向けて~

おや、次はもしや「ヤツ」の登場ですかね?

同族別個体が、某特撮ヒーロー番組マニアでありリアル「プロ」と呼ばれている彼と共にいる「ヤツ」ですかね?

 

次回は第6話「ダーク・ゾーン」です。

 

それではまた。