私の住む地域ではかれこれ1週間以上雨が続いています。ARAIです。
何これ梅雨?
さて、では今日もいきましょうか。「セブン4K」第22話です。
ウルトラセブン 第22話「人間牧場」
お得意の「怪奇事件もの」 ~丁寧な前半と駆け足気味な後半~
「セブン」お得意の、夜の闇の中発生する怪奇事件という導入で幕を開けた今回。見ている側の心をグンと掴んでくる丁寧な怪奇事件的な描写はお見事だなと例によって感心させられたんですが、ホーク3号で出撃したダンがセブンに変身するためにわざと撃墜されたり、セブンが土星に行こうとしていることを何故かキリヤマ隊長が知っていたり、仲間たちが心配しているのに呑気に絵を描くダンだったりと、今回は特に後半から終盤にかけてが駆け足気味だったというか、ややツッコミどころがあったかなという印象でした。
一方で、海上を走るポインターに宇宙船団とホークのドッグファイト、戦闘パートがないセブンにシーン毎の色味やアングルなど、特撮的にも画的にも、細かい部分で見どころの多いお話にもなっていましたね。
何だかんだで今回もあっという間の30分間でしたが、いかであれこれと語っていきましょう。
女性を狙う「栽培者」 ~宇宙怪人~
登場したのは宇宙怪人ブラコ星人。
自らが食糧とする「赤い胞子」を栽培するのに最も適した女性ホルモンを狙って暗躍した今回の黒幕です。
アンヌ隊員の友人ルリ子を拉致し、「赤い胞子」を植え付け宿主として繁殖・栽培。彼女を仮死状態に陥らせたまま解放し、空気感染によるパンデミックを引き起こさせ、世界中の女性を胞子の牧場=人間牧場にしようと企んでいました。見ていてもけっこうゾッとした企みでしたが、文字に書くとさらにゾッとしますね。
作中の描写から、おそらく人間の女性に手を出す前から地球上の様々な動物で実験を繰り返していたと考えられます。その計画性と執念たるや、生存本能の高さか、それとも知性の高さか。船団をもって海中に潜伏し、上述の通りあえてルリ子やアンヌ隊員を解放していることからやはりそれなりに知性は高かったのでしょうが。
戦闘力については、人間相手であればおそらくタイマンを張って負けることはないと思われます。事実、対峙したダンと腕力で渡り合い、苦戦させていたほどですから、女性では容易く制圧されてしまうでしょう。
一方で、ウルトラガン一撃で斃れたところを見ると耐久力や防御力はそこまで高くはない様子でした。単純な真正面からの戦闘になれば、人類にもまだ勝ち目はありそう。
最終的には基地に忍び込んだ個体から今回の計画が発覚。宇宙船に潜んでいたと思われる多数の残党たちも、ホーク1号により全滅させられました。
「セブン」では意外と珍しい?地球侵略が目的ではない宇宙人でした。
もっとも、あのまま女性が狙われ続ければ実質的に人類は滅亡の道をたどることになっていたでしょうから、そういう意味では実質的な侵略行為と言っていいと思いますが。
ウルトラ警備隊の技術力 ~ライドメカ大活躍~
今回のウルトラ警備隊は、やはり印象的なのは海上を走るポインターですかね。
「海上を走る」というのはすなわち「浮いて」、「飛んでいる」わけですから、ライドメカのロマンが遺憾なく発揮されていたというか、見ていて「おお」と思わず声が出てしまいました。
海の調査と言えばハイドランチャーを連想したんですが、なるほど海岸近くの海上を調査する際はポインターでそのまま出動できるというわけなんですね。ポインターにあんな機能と技術があるとは…。リパルサーリフトでも搭載しているんでしょうか。
上述の通り、後半からはホーク1号と宇宙船団とのドッグファイトが展開されました。フルハシ隊員、ソガ隊員、アマギ隊員の3名で迎え撃ったわけですが、流石に慣れてきたのか、今回はかなり有利に戦況を進めていた印象。回転しながらの攻撃も迫力があってカッコ良かったですね。
そしてやはりアンヌ隊員ですかね。
第8話「狙われた街」、第10話「怪しい隣人」に続いて、今回は友人が事件に巻き込まれてしまいました。そして同時に本人もブラコ星人の襲撃を受けてしまうことに。第2話「緑の恐怖」の時のように冷静にパラライザーで対応するかと思いきや今回はなし。まあ同じ部屋に他に誰もいませんでしたし、何より「今」「自分が」襲われている状況だったわけですから、あの時のように落ち着いて対処するのは難しかったんですかね。
あと細かいところでは、上述のようにキリヤマ隊長の言葉が気になりました。
あの状況では、たしかにセブンの力で土星の「放射能α73」を入手することが最善かつ最優先でしたが、それはあくまで視聴者目線であって、ウルトラ警備隊目線では、セブンが「α73」やルリ子、アンヌ隊員のことを把握しているかはわからない筈。
脚本の都合と言えばそれまでなんですが、そこはキリヤマ隊長。
地球で発生している、あるいは人類=ウルトラ警備隊が相対している事件の真相を、セブンは知っている、もしくはセブンが常に真相に近いところにいる、ということに、キリヤマ隊長は気付いているんじゃないでしょうか。深読みのし過ぎかもしれませんが、個人的にはそう思います。
さすがに未だダンの正体までは気付いていないにしても、地球を、いや人類を護るセブンの行動が、基本的には自分たちの行動や目的に準拠していることには、ほぼほぼ確信的な何かを感じ取っているのではないでしょうか。
土星へ駆ける ~真紅のファイター、戦闘なし~
今回はセブンの戦闘パートはなし、というか「ほぼ」なし、ですかね。
一応はブラコ星人の宇宙船団と対峙するシーンはありましたが、実質的な戦闘はなし。
ホーク1号の援護を受け、土星へ一直線。「放射能α73」を入手し、アンヌ隊員とルリ子を救うことに成功しました。ちなみに、その「α73」をウルトラ警備隊に渡すシーンは描かれていません。いつかの時のように、等身大になって彼らとやり取りしたんでしょうか。
その他 ~次回に向けて~
地震源Xを「倒せ」と言われたり、海底基地を「追え」と言われたり、色々と命令されたと思ったら今度は「明日」を「捜せ」ですか。しばらく命令形で終わるサブタイトルが続きますね。
さあ、次のお話は我らがキリヤマ隊長の活躍編。
次回は第23話「明日を捜せ」です。
それではまた。