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【感想】ウルトラセブン 第20話「地震源Xを倒せ」

3日連続の更新です。ARAIです。

今回でやっとリアルタイムの再放送に追いつくぞと思っていたんですが、今日は二本立てだったんですね…。いやはや知りませんでした。できそうなら、今日中にもう一本感想を書きたいと思います。

さて、今回から20話の大台ですね。それではいきましょう。「セブン4K」第20話です。

 

ウルトラセブン 第20話「地震源Xを倒せ」

シンプルな大筋に散りばめられた見所 ~ゲストで引き立つウルトラ警備隊~

頻発する謎の地震を受けウルトラ警備隊が調査へ出向き、出向いた先で原因が宇宙人による企みであったことが判明。怪獣も姿を現しピンチに陥ったところにウルトラセブンが登場、見事怪獣を撃破し事態が収集するという、大筋だけ言ってしまえば、まあ王道と言えば王道で、ありきたりと言えばありきたりなものだったのかもしれませんが、存外、全編を通じて割に見どころの多いお話だったんじゃないかなと感じた今回のお話。

 

まずは何よりもゲストである岩村博士のキャラクターでしょうね。典型的な堅物で頑固者なクセのある学者といった感じで。宇宙人と思わせておいて実はそうじゃなかったというお約束のミスリードも含めて、今回のお話で一番印象に残りました。

そしてそんな岩村博士によって引き立つ?ウルトラ警備隊のアットホームな雰囲気も良かったですね。冒頭から圧倒されるソガ隊員やビビりまくりなダンに、いじられるフルハシ隊員にと、男性陣が良い味出してます。特にアンヌ隊員と一緒に再度岩村博士に会いに行く際のダンの表情がまた…、心底イヤそう。(笑)

 

さらに今回はマグマライザーが再登場したり、等身大宇宙人とウルトラ警備隊が対峙したり、戦闘パートでは凝った演出を見せてくれたりと、シンプルな大筋の中でも密度ある見どころが細やかに散りばめられているような、そんな印象でした。

淡々と見られるようで、気づけばあちこちで「おぉ…」と唸っているような。

 

以下でもう少し、項目ごとに見ていきましょうか。

 

「核」を奪う者たち ~暗黒星人と核怪獣~

登場したのは暗黒星人シャプレー星人と核怪獣ギラドラス。

前者は近年の「ニュージェネレーションヒーローズ」シリーズでもお馴染みとなった宇宙人ですね。個人的には「X」でグア軍団への凄まじい忠誠心を見せてくれたやたらと漢気ある個体と、「ウルトラ銀河伝説」でミライやレイ、ハヤタにダンらを相手に互角以上に渡り合ったやたらと戦闘力の高い個体が印象的。

最初にこの2体を見た時は、「シャプレー星人ってこんなヤツだったっけ?」と思ってしまったもんですが、改めて今回のお話を見るに、まあ、種族としてのスペックは高い方…なのかもしれません。

 

 

 

本編の描写を見る限り、今回の個体の戦闘力は決して高いわけではなさそうでしたが、一方で、諜報や隠密行動の能力に関してはなかなか長けていたのではないかなと思います。

実際、あのクセがすごい岩村博士の下で研究だけでなく人間関係もうまくやっていたようですし、曲がりなりにも地球防衛軍のエリートとも言えるアンヌ隊員をも騙すことに成功したというのは刮目に値するでしょう。(変身アイテムはうっかり落としちゃってたけど。)

 

後述のギラドラスを使い、地球の「核」であるウルトニウムを秘密裏に採掘していましたが、岩村博士によって正体が暴かれた後にアンヌ隊員らウルトラ警備隊と対峙。弱点と思われる目を狙われ、敗北。炎に包まれながら死亡しました。

 

一方、そんなシャプレー星人に仕えていたのは核怪獣ギラドラス。ネーミングセンスが個人的にどストライク。

ウルトニウムを採掘し体内に保有してたようですが、元来ウルトニウムを活動のエネルギーとしている生体なのか、それとも単にウルトニウムを採掘、貯蔵するためだけに駆り出された生体なのかは不明です。

 

シャプレー星人の呼びかけに応じ地上に出現。マグマライザーを救出し駆けつけたセブンと戦闘を開始します。体当たりを主体とした肉弾戦でセブンと戦いつつ、なんと天候を操るという恐ろしい能力を披露。

不気味に発光していた身体の結晶体によるものでしょうが、この能力には驚かされましたよ。天候を操るって、それってもう火(太陽)、水(雨)、雷、氷(雪)の属性を全部持ってるみたいなもんですからね。人類は無論、ウルトラ戦士たちにとってもかなりの脅威になるでしょう。

強い日差しで発火を促すか、熱で追い詰めるか。大雨で相手の視界を遮るか、洪水で足元をすくうか。というか、地形的な条件にも多少は左右されるかもしれませんが、雷雲と稲妻を操れば大抵の戦闘は優位に立てそうですね。「ガイア」のパズズのような。

 

 

 今回はセブンを相手に吹雪を操り、「寒さ」をもって一時的に追い詰めるという大立ち回りを見せてくれました。ここまでセブンを追い詰めた怪獣も決してそう多くはない筈。

最終的には一瞬のスキをつかれたアイスラッガーで頭部を切断され敗北。断面から大量のウルトニウムを内臓の如く滴らせながら死亡しました。

 

アットホームと生死の境 ~ウルトラ警備隊の剛柔~

今回のウルトラ警備隊もまた見どころ満載。

冒頭、いきなり岩村博士に圧倒されるダンとソガ隊員からはじまり、本部でも岩村博士の扱いをめぐってわちゃわちゃと、和気あいあいとしたアットホームな雰囲気が描かれました。

ニヤリとするキリヤマ隊長や、スキあらば岩村博士の担当にさせられそうなフルハシ隊員などキャラクターそれぞれのコミカルな表情を存分に楽しむことができます。

また、随所に隊員同士、肩に手を置くといった細かなスキンシップも描写されており、上に書いたようなコミカルな部分と合わせ、ウルトラ警備隊の柔らかさが描かれていますね。

 

一方で、マグマライザーに乗ったダン、フルハシ隊員、アマギ隊員がギラドラスにより地底に閉じ込められ、マグマの熱さにより生死の境をさまよったり、正体を現したシャプレー星人と対峙するアンヌ隊員とソガ隊員など、命を懸け地球を護るウルトラ警備隊の過酷さも改めて描かれるかたちとなっています。

冒頭や前半で「柔らかさ」を描いている分、後半以降のこの過酷な「剛」のシーンがいつにもましてより活きてくるような気がします。

 

防衛チームの隊員同士の何気ない交流や会話のシーンというのは、もちろんドラマ的な大事さもあるのでしょうが、こういった後の戦闘シーンなどの緊張感により説得力を持たせるという意味でも、やっぱりめちゃくちゃ大事だよなぁと改めて感じましたね。無論、それは「セブン」に限った話ではありませんが。

 

ちなみに、今回のライドメカは第17話以来となったマグマライザーがメインとなって活躍していましたが、個人的にはウルトラホーク1号の発進シーンがお気に入りだったりします。夜というのがクールで良いです。

 

吹雪の戦い ~描かれた真紅のファイターの「弱点」~

今回の戦闘パートは個人的に「セブン」の中でもトップクラスですね。

 

マグマライザーを颯爽と救出後、対峙するや否や蹴りを一発。そのままテンポ良く展開される肉弾戦にまずは胸が躍ります。そして同時に、ギラドラスの怪しく光る結晶体や轟く雷鳴に稲光など、視覚的な演出も豊富で一瞬たりとも目が離せません。

渦巻く砂塵の中で苦戦するセブンに、発生する吹雪。随所に発せられるギラドラスの咆哮という聴覚的な効果も相まって、短いながらも凄まじい密度の戦闘パートですよね。迫力と緊張感がハンパじゃあない。

 

そして今回、はっきりと明言されたわけではありませんが、セブンの弱点が「寒さ」であることが初めて描かれました。

これまで、たいていの打撃ではそこまでダメージを負わなかったセブンでしたが、ギラドラスの体当たりを受けた直後の吹雪を受けまさかのノックダウン。ビームランプの点滅まではしなかったものの、そのまま意識を失いかけるような描写も見られ、ナースキングジョーとの戦いに匹敵する窮地だったと言えるでしょう。

 

その後は、アンヌ隊員の声援を受け奮起。

ギラドラスを殴りつけ、身を躱しつつアイスラッガーを放ち、かろうじて勝利を収めました。このシーンがカッコ良すぎて大好き。

 

戦闘後、乱れた天候を元に戻していましたが、ウルトラ念力の一種でしょうか。

 

その他 ~次回に向けて~

さあて、このままの勢いで続けて更新できるでしょうか…。

 

次回は第21話「海底基地を追え」です。

 

それではまた。

 

 

地震源Xを倒せ

地震源Xを倒せ

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