気付けば11月も終わりに差し掛かっていますね。ARAIです。
今年の年末は、例年にも増してバタバタと過ごすことになりそうです。
さて、それでは今日もいきましょう。「セブン4K」第36話です。
ウルトラセブン 第36話「必殺の0.1秒」
エピソード・オブ・ソガ ~ソガ隊員を語る上では外せない~
第27話、第29話に続いてソガ隊員にスポットが当たったお話でしたが、彼自身のキャラクターとしての密度的には今回が一番だったんじゃないでしょうか。
冒頭の射撃大会に始まり、ヒロタ隊員に対する言動、スーツ姿での任務、催眠、そしてラストの決着と、ソガ隊員のあらゆる表情が楽しめるまさに「エピソード・オブ・ソガ」。彼のキャラクターを語るには決して外せないお話でしょう。今回のお話と、あとは第29話辺りを押さえれば、とりあえずはソガ隊員のキャラクターを掴むことができると思います。
お話の内容としては、ソガ隊員の同期であり親友でもあるヒロタ隊員が侵略者に操られていたというものなんですが、このヒロタ隊員もまた良いキャラしていたと思います。
射撃大会直後のやり取りについても、アンヌ隊員は良い印象を受けなかったようですが、あの口ぶりは私個人としては見ていて悪い印象は受けませんでしたね。むしろ、ああいった表現というか、接し方というか、ソガ隊員との付き合いの長さがわかるやり取りのような気がしました。実際、ソガ隊員もヒロタ隊員の人柄には一目置いている様子でしたし。まあ、一目置いているのは人柄だけではないようですが。
というか、ヒロタ隊員ってもしかして、ソガ隊員に、ひいてはウルトラ警備隊に憧れに近い感情を抱いていたんじゃないでしょうか。アンヌ隊員の反感を買った台詞も、本気で思ってのことならわざわざ口に出す筈はないでしょうし、組織内に軋轢を生むような発言を好んでするような男が、参謀本部のエリート隊員になれるわけもないでしょうから。
実直で生真面目そうな彼のこと、参謀本部内でのあれやこれやの政治的問題に翻弄されることも多かったでしょう。そうすると、命の危険に晒されているとはいえ気の置けない仲間たちと現場でのびのび活躍するソガ隊員が眩しく見えていたのかもしれません。
ヒロタ隊員とペガ星人とのファースト・コンタクトについては作中で明かされてはいませんが、おそらくペガ星人は射撃大会での優勝をちらつかせるかたちで、ヒロタ隊員のこういった「心のスキ」をうまく衝き、利用したのだと思います。
そしてそのヒロタ隊員。個人的には途中から催眠は解けていたのではないかと思っています。
理由としてはまず、ソガ隊員がそうであったように、物理的な強い衝撃を受けるとペガ星人の催眠は解けるということ。リヒター博士の影武者をめぐる1回目の任務の際、ソガ隊員の狙撃により、ヒロタ隊員は頬がえぐれるほどの傷を受けています。狙撃の衝撃のみならず、狙撃を受けた際に倒れこむなどして強い衝撃を受けた可能性も充分に考えられます。
次に、これまたソガ隊員がそうであったように、催眠状態における諜報員としてのクオリティは決して高くはないこと。要は不自然ということですね。ソガ隊員に至ってはダンにもアマギ隊員にも「様子がおかしい」と指摘され、挙句にはペガ星人の名前も目的もすべて話してしまうという始末。同じ催眠を掛けられていたにしては、ヒロタ隊員と差があり過ぎます。
そして最後は、終盤にヒロタ隊員がリヒター博士の殺害よりもソガ隊員との対決を優先したこと。1回目の任務の時は無駄なく、おそらく一発で影武者を殺害していたにも関わらず、2回目は何故かリヒター博士を人質にとるようなかたちで、しかもご丁寧に決闘のようなかたちでの対決を申し出ています。これはもう決定的だと思います。ペガ星人がわざわざこんな凝った催眠をかけるわけがないですし、そうする理由もない。
おそらくヒロタ隊員は1回目の任務終了時点で催眠は解け、その時点ですべてを悟ったのでしょう。やってしまった、と。もう引き返せない、と。しかし下手にペガ星人に歯向かえば、親友に、地球に、何をされるかわかったものではない。ならばいっそ道化を演じ続け、然るべきタイミングで親友に撃たれようと。
そうして考えてみると、今回は第30話「栄光は誰れのために」とも通ずるところもあるのかなと思いますね。今回のお話はきっかけは、射撃大会での優勝という「栄光」をめぐってのことですから。
さあ、随分と前置きが長くなってしまいましたが、以下でもう少しだけ詳しく見ていきましょうか。
青い悪意 ~催眠宇宙人~
登場したのは催眠宇宙人ペガ星人。名称が似ているペガッサ星人との関連性は不明ですが、おそらく何の関連もないと思われます。もちろんリク君の相棒ペガとも何の関係もありません。
地球人を操ることのできる催眠装置に、テレパスのようなコミュニケーションが可能な通信技術、遠隔的に何らかの物理作用を操作できる技術と、なかなかに高度な科学力を有した今回の敵なわけですが、ゴドラ星人もびっくりなほどにおしゃべりで詰めが甘いです。
太陽系侵略の前線基地として地球を使用するべく、侵略を目論んでいたとのことですが、適応できない気圧が漂う惑星を何故前線基地にしようと思ったのかがそもそも謎です。テラフォーミング計画でもあったんでしょうか。
ソガ隊員に施した催眠もお粗末なものでしたし、どうにもマヌケな印象がぬぐえません。戦闘力も低そうだし。
本編では上述の通り、ヒロタ隊員とソガ隊員を操り、人工太陽計画を進める博士たちの殺害を図るも、ソガ隊員の活躍により失敗。現れたセブンを前に円盤で猛攻を仕掛けますが、なるほどたしかに科学力は相当高いようで、この円盤はセブンの放つウルトラショットを容易に耐えうる装甲を持ち、あのセブンを若干苦戦させるほどには高い性能を誇っていたようです。
しかしながら最終的には円盤内への侵入を許し、エメリウム光線を受け敗北。戦闘の影響で円盤内の気圧調整が狂ったのか、体がパンパンに膨れ上がり死亡しました。
特殊警察「ウルトラ警備隊」その3 ~護衛と追跡~
今回のウルトラ警備隊は、なんだか初期のお話を思わせるような、久々に特殊警察のような雰囲気でした。
何せホークの出番はなく、ウルトラガンの出番もなし。スーツ姿で任務に当たったり、暗殺の危機に晒された博士を車で護衛したり、暗殺犯を追跡したり。
ポインターの飛行機能はホントに便利ですね。海上旋回捜索といった場面だけでなく、今回のような道が塞がれた場面でも有用だ。
あと、個人的に印象的だったのは「人工太陽計画」ですかねやはり。さらりと登場しましたが、「セブン」の世界的にはそりゃあそういう構想もあるだろうなという感じ。宇宙ステーションだのプロジェクト・ブルーだの色々ありますし。
明確に本編に登場したわけではありませんでしたが、超兵器などとはまた違った側面で、「セブン」世界の科学力や文明水準を垣間見ることのできる設定でした。カンパネラやスヒュームを思い出したのは内緒です。
円盤との戦い ~真紅の圧勝~
今回の戦闘は巨大化戦と等身大戦と両方を見せてくれました。
変身後、円盤の猛攻を躱しながらウルトラショットで牽制。いきなりエメリウム光線やワイドショットで撃破しようとしなかったのは、囚われた地球人がいる可能性があったからと思われます。
円盤の装甲が想定以上に強固だったからか、その後は等身大サイズとなり手っ取り早く内部へ侵入。
ペガ星人へ説得を図りますが、決裂したため戦闘へ突入します。円盤内の装置に若干手こずるものの、どうということもなくエメリウム光線を一閃し勝利。
円盤から脱出し、ワイドショットで円盤を撃破しフィニッシュ。
相手が相手ということもありましたが、今回の戦闘は久々にセブンの圧勝という感じでしたね。ここ最近は強敵続きでしたし…。
その他 ~次回に向けて~
第2クールと同様に、現存している話数で単純に計算するなら、次回が第3クールのラストエピソードになりますかね。
ある意味では、ラストを飾るには相応しいお話かも。
次回は第37話「盗まれたウルトラ・アイ」です。
それではまた。