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【感想】ウルトラセブン 第19話「プロジェクト・ブルー」

2日連続の更新です。ARAIです。

それでは今日もいきましょう。「セブン4K」第19話です。

 

ウルトラセブン 第19話「プロジェクト・ブルー」

最強の「盾」登場から見る「セブン」防衛軍事情 ~宇宙のネタ帝王登場の裏で~

今や完全にネタキャラと化したバド星人の記念すべきデビュー編です。と言っても私自身、このお話も例に漏れず、幼少期に一度見て以降ちゃんと腰を据えて見るのは今回が初めてだったわけで、色々とツッコミつつもなんだかんだで楽しませてもらいました。

 

今回印象に残ったのはサブタイトルにもなっている「プロジェクト・ブルー」ですかね、やはり。磁力線の網で地球と月を覆うという、宇宙からの侵略に抜群の効果を発揮できるこの最大の防衛プロジェクト。

試験導入段階であるにも関わらず、曲がりなりにも地球外生命体であるバド星人の宇宙船にダメージを与えていることから、その実力は本物と言えます。にも関わらず、今後の「セブン」において登場することはたしかありませんでした。まあこんなものが実装されてしまえばほとんどの宇宙人が地球に来られなくなってしまうということになり、「セブン」という作品のシナリオ上都合が悪かったからと言えばそれまでなんですが…。

しかしメタ的な原因はさておいて、この最大の防衛力―言わば最強の「盾」と呼べるのかもしれませんが―が、「セブン」の世界で実装されることはなかったという点は、今後「セブン」の世界が超兵器の使用へ舵を切っていくことになるという点と併せて考えてみると、色々と興味深いんですよね。

人類は最強の「盾」よりも、最強の「矛」を選んだというその事実。この考えは、後の「平成セブン」にも強く繋がっていくだろうなと思われますが、おそらく今回の「プロジェクト・ブルー」が後に登場しないのは、地球防衛軍としてプロジェクトそのものを却下されたからというわけではなくて、単純に優先すべきプロジェクトとしての順位を落とされていったのだろうなと思います。

「護る」力よりは「攻める」力。最強の盾を究めるよりも、まずは最強の矛を極めるべし。「攻撃は最大の防御なり」なんて言葉もありますが、まさに地球防衛軍はその道を選んだということなんでしょうね。

そういう意味では、今回のお話は「セブン」の軍事的兵器的な世界観をより考察するためのエッセンスもあったと言えるのかもしれません。宇宙のネタ帝王初登場という点以外にも、やはりこのお話は無視できませんね。

 

また、他にも、ネタバド星人以上に印象に残る宮部博士の妻グレイスや、水を使った鏡の中の演出、登場のないアマギ隊員とソガ隊員のフォローがきちんとされている点や、100%肉弾戦で展開された戦闘パートなど、主役のバド星人以外にも実はけっこう見どころがあった今回のお話。以下で、もう少し詳しく見ていきましょうか。

 

宇宙の小物 ~宇宙帝王

(ここの見出しに何と書こうか迷ったのは初めてです。)

登場したのは宇宙帝王バド星人。言わずと知れたウルトラシリーズ屈指のネタキャラですが、今回はそのデビュー編。

侵略と殺戮を目的に地球へ侵入しましたが、試験的に導入されていたプロジェクト・ブルーの磁力網に掛かり宇宙船が破損。開発者である宮部博士に目を付け、その設計図を奪おうと自宅へ侵入、拉致しました。博士の自宅の地下をいつの間にやら改造していたり、鏡を媒介にゲートをこしらえたりと技術と知識はかなり高い方なんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

 

本編では合計3体登場。設計図の在処を明かさない博士にしびれを切らし、妻であるグレイスをいやがらせの標的としました。その後、駆けつけたダンとアンヌ隊員と対峙。2体はダンのウルトラガンに斃され、最後の1体は地球破壊爆弾を仕掛けつつ逃亡。追いついたセブンと巨大化して対峙し、交戦を開始します。

武闘派なのか、上に書いた特殊能力(技術力)を持ちながらも戦闘ではそれら(の応用など)を一切使わず格闘戦を展開。なかなかアクロバティックで軽やかな身のこなしを披露しますが、岩を投げつけるわ降参のフリをするわと小物感全開。

最終的にはセブンに投げ飛ばされた拍子に岩で頭を打ち敗北。血の泡を吹きながら絶命しました。

 

こうして改めて見るとやはり、「帝王」を名乗るにはあまりにも小物過ぎましたね。

 

ウルトラ警備隊員のキャラクター ~定まってきた個性~

今回のウルトラ警備隊は比較的小規模というか、実質的な活躍はダンとアンヌ隊員に限定されていました。

まあ今回のお話の展開上、舞台は宮部邸のみでしたし、相手も3体でしたし、というか相手があのバド星人でしたからね。あれにフルハシ隊員にソガ隊員、アマギ隊員にさらにキリヤマ隊長まで出張っていたらややオーバーキル感がありますか。

 

印象的だったのは、冒頭でのプロジェクト・ブルーに関するやり取りですかね。愛されるいじられっぷりのフルハシ隊員のキャラを確保しつつ、ダンのやや生真面目で真っすぐな意見と、それに対して真摯な眼差しで答えるキリヤマ隊長と、個人的には押さえるところを押さえてくれているなぁといったところ。宮部邸への出撃の際に、ごく自然に自分も同行すると進言するアンヌ隊員といい、第2クールも中盤になり、いよいよウルトラ警備隊各隊員のキャラクターもしっかり定まってきたというか。第1話から見てきている私としても、それぞれのキャラクターの個性や性格をしっかり掴めてきた感じがします。

 

あとは上にも書きましたが、前回大活躍したソガ隊員とアマギ隊員の出番は今回はなし。2人の不在の理由もきちんと作中で語ってくれていました。

こういう細やかな仕掛けが、ドラマにリアリティをもたらしてくれるんですよね。

 

帝王との戦い ~エージェント&ファイター~

「帝王との戦い」だなんて、さながら最終決戦のような見出しですが…。

今回の戦闘パートはやはりセブン、バド星人の両者ともに特殊能力や光線技、飛び道具などを一切使わないまさに「ステゴロ」さが最大の見どころでしょう。合間に挿入されるバド星人のアクロバティックな動いが戦闘パート全体の緩急をつけていて非常にテンポとバランスが良いように思います。一見の価値あり。

 

さて、今回のセブンはまずは等身大で登場。鏡のゲートから宮部邸地下のバド星人の基地へ潜入し、宮部博士を救出するなど今回も安定のエージェントぶりを発揮。

その後、宇宙船を追撃。ファンの方々からも度々ネタにされている宇宙船のシャッターに苦戦しつつも巨大化して対処。同じく巨大化したバド星人とついに直接対決へ。

姑息な戦法でやや手こずらされはしたものの、そこは我らが真紅のファイター。最後はバド星人を投げ飛ばし、勝利。エメリウム光線アイスラッガーもウルトラ念力も使わずに勝利を収めた初めての戦いになりました。

 

その他 ~次回へ向けて~

お、次はヤセルトニウムを配り回っていたり、かのグア軍団への絶対的な忠誠心を見せたり、百戦錬磨のミライ=メビウスを戦闘で追い詰めたりと平成のウルトラシリーズで大暴れしたあの宇宙人が初登場するようですね。

 

次回は第20話「地震源Xを倒せ」です。

 

それではまた。