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【感想】ウルトラマンデッカー 第22話「衰亡のバズド」

部屋の結露が気になります。ARAIです。

 

さて、遅くなってしまいましたが早速いきましょう。「ウルトラマンデッカー」第22話の感想です。

例によってネタバレを含みますので、本編未視聴の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルトラマンデッカー 第22話「衰亡のバズド」

衰亡のバズド、復讐のアガムス

来たる最終章へ向けての序章…といったところでしょうか。

これまで断片的、あるいは台詞の中でのみ語られていたアガムスの過去やバズド星とスフィアの戦い、地球人の「罪」、そしてレリアの正体がついに明かされることとなりました。

 

序盤の回想に始まり、ムラホシ(GUTS-SELECT)との駆け引き、スフィアに蝕まれる身体、捨て身の戦いと消えゆく記憶、カナタとの魂のぶつかり合いなど、全編にわたってアガムスを中心に構成されたお話に仕上がっているので、「バズド」の名を冠するエピソードに相応しい、まさにバズド≒アガムスが主役のエピソードと言っても差し支えないでしょう。

 

実際、冒頭レリアとのシーンから衝撃のエンディングでのシーンまで、喜怒哀楽に収まり切らないあらゆる表情のアガムスを楽しむことができます。

本来は穏やかで優しい男が、行き場のない哀しみと怒りに苛まれ、理不尽な復讐と暴力の中へ身を投じていく。そんな男のどうにもならない辛さと苦しさ、そして虚しさがこんなにもひしひしと伝わってくるのは、偏に小柳友さんの熱演の賜物でしょうね。

アサカゲとして初めて本編に登場したその時から、彼の落ち着いた声色と柔らかくも安定した佇まいには惹かれていましたが、アサカゲとしてのキャラクターが最高潮に達したライバッサーとの戦いや、アガムスとしての正体を現した衝撃の第一部最終章、そして今回のお話辺り、小柳友さんの熱演冴えわたる特にお気に入りのエピソードになっています。次回以降でまた増えるかもしれませんが。

 

 

とまあ、かようにアガムスを中心とした今回でしたが、来たる「マザー」への言及やついにデッカーの正体を目撃したソウマなど、アガムス≒バズド絡み以外の縦軸要素も見逃せません。

シゲナガの研究成果の再登場や未来におけるダイナ&デッカーの戦い、「立ち止まることだけはもうしたくない」と決意を固めるカナタなど、これまでのお話を踏まえた細かな部分にもきっちりスポットを当ててお話に厚みを持たせてくれているのも大きなポイントです。

 

また、チャンドラーを誘導するソウマやマサトシティにおけるデッカー対テラフェイザーの死闘など、特撮的な見どころも大いにあり。

特に、燃ゆる陥没都市の中で交錯するカナタとアガムスのシーンは必見中の必見ですね。

特撮や演出の技術だとか見せ方だとか構成だとか、私自身そんな難しいことを嬉々として語ることのできる立場ではないんですが、なんというか、今回のあのシーンについては、特撮と合成の融合、その一つの到達点とも言える仕上がりなんじゃないかと思ってます。

うまく言葉にして説明はできませんが、あのシーンを初めて見た時に胸にこみ上げた、筆舌に尽くしがたいあの熱い感動は、きっとそういうことなんだろうなと。

 

 

あ、ちなみになんですが、当ブログにおけるデッカーの「最終章」とは、今のところTVシリーズのクライマックス(概ね第23~25話辺り)を指して書いています。

来年2月公開予定の「ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…」に関しては「劇場版」と呼称することにしますね。

ややこしくなりそうなので、念のため。

 

ニュージェネレーション・ネオフロンティアを生きる者たち

カナタ

この世界を護り、この時代を護り、彼方、未来へと繋いでゆく。

そのために戦い、そのためにアガムスを止める。アガムスを救う。

そんな明日への約束は、カナタの中ではもはや不動なる決意となりつつあるようです。

子孫であるアスミ、未来の可能性を説いたダイナ、そして何より、今目の前で必死に戦う仲間たち。

彼らの存在がそのきっかけとなったことは間違いないでしょうね。

 

そして今では、カナタ自身がその仲間たちの気持ちを自然と前へ向かせるような存在になりつつあると。

 

 

また、今回は戦いの中で、スフィアに蝕まれてまでも復讐を遂げようとするアガムスの姿に、彼を救いたいという想いがより強くなったようにも思います。

掲げた拳をすんでのところで止めたのも、いつかのように戦いそのものに迷いが生じたからなのではなく、哀しくも痛ましいアガムスのその姿勢に思わず、となったことが原因でしょう。

 

 

次回の見どころとしてはやはり、記憶を失った(と思われる)アガムス、そして明確に正体を知られることとなったソウマ、この両名との絡みですね。

個人的には特にソウマとのやり取りが気になるところです。

 

イチカ

信越しではあったものの、ついにアガムスの口から未来における地球人の「罪」を聞くこととなりました。

事前にカナタから聞いていたとはいえ、やはり直接当事者から聞くのでは受け取り方もまた違ったようです。

ソウマの言う通り、アガムスのしていることが「逆恨み」であると頭では思っていても、どうしても心では受け入れられないというか。

装備室でのやり取りは、かつて宇宙開発の仕事に就きたいと思っていたイチカだからこその、カナタとはまた違った「葛藤」の重みが垣間見えるシーンでしたね。

 

ここできちんと第16話のことを引き合いに出す辺りも、しっかり押さえてくれています。

 

 

そして今回、次回来るであろう正体バレを前に、まさかまさかのソウマに先を越されてしまうという事態になりました。

今回のような展開になった場合、居合わせるのはイチカだろうなとは思ったんですけどね…。ソウマはすでに気付いていた、で通せるでしょうし。

今回あえてあの場にイチカを立ち会わせなかったことが、あるいは次回以降の一つのドラマになっていくのかもしれません。

 

ソウマ

口では「馬鹿を言うな」と毅然に切り捨てていましたが、やはり本心ではアガムスの明かした未来に思うところはあった様子。

と同時に、ぶれることなく前を見据えるカナタの言葉と眼差しには彼もいくばくか救われるところもあったのでしょう。

「お前…」と呟きカナタの言葉を聞いた後、小さく小さく笑みを見せたあの瞬間、彼の中ではきっと第16話でのカナタとのやり取りが思い出されていたのだろうと思います。

 

そしてエンディングでは、まさかまさかのヒロインを差し置いての変身解除場面に遭遇するという役回りに。

状況的にはアガムス確保を優先する辺り、ソウマらしさが出ていると言えなくもないんですが、というよりもそもそもカナタ=デッカーであると気付いていたでしょうから、そこまでの衝撃はなかったのかもしれませんね。

駆けつけた直後にこぼした「カナタ…、お前…!!」の後には「やっぱりデッカーだったんだな」が続くのかも。

 

次回はこれを踏まえてのカナタとのやり取りが早速あるようなので、どういう言動を見せるのか注目です。

 

サワ

要所要所で存在感は発揮していますが、やはりメイン3人組に比べると薄味め。

とはいえ、序盤のオペレーションではムラホシが最前線に出ていたこともあり、副隊長として隊を率いるなどしっかり活躍はしてくれています。

 

しかしながら、状況が状況とはいえ、シゲナガの研究成果が再登場したにも関わらずサワの心情にスポットが当たらなかったのは少々残念なところ。

もしかしたら作戦立案時点で、アガムスがあれを使って何かしら地球怪獣を繰り出す可能性があると進言したのはサワかもしれませんが。

 

後半以降はこれといった出番はなし。

クライマックスの迫る中、次回以降でのもうひと頑張りに期待したいところです。

 

ムラホシ

アガムスの策略を完全に打ち破ったかたちとなりました。

と言っても、GUTS-SELECTとしての最終目標は彼の確保だったことでしょうから、そういう意味ではドローかな。

 

ムラホシとしては、アガムスの正体発覚(と裏切り)以降初めてとなる真っ正面からの対峙だったわけですが、流石と言うべきか、おびき寄せられたと見せかけてしっかりとイニシアチブを執り、可能な限り情報を引き出すことに成功しました。

 

しかし一方で、自らを犠牲にしてても地球を滅ぼそうとするアガムスへ感情をぶつけるなど、やはりかつては共にオペレーションを展開し、怪獣撃滅後は握手までも交わした関係性の相手には気丈になり切れない様子でした。

この辺り、メガアースグレース親子の件を思い返してみても、ムラホシらしさがちゃんと出ていますね。

 

 

後半以降はサワ共々出番は控えめ。

アガムス確保となった次回以降、どのような一手を打つのか引き続き注目です。

 

ハネジロー

(おそらく)ムラホシ&サワ立案のアガムス確保オペレーションにおいて、繰り出してくるであろう地球怪獣対策としてGUTSグリフォンとTPU防衛システムを任されていました。

 

ここ最近戦果が芳しくなかったGUTSグリフォンを駆り、今回は見事チャンドラーを撃破。

シリーズ全体で見ても決して強豪とは言えないポジションの怪獣だったかもしれませんが、さりとて相応の戦闘力を持った地球怪獣をGUTS-SELECTの戦力のみで撃破したという事実は刮目に値するでしょうね。

 

ドラマパートでの活躍はありませんでしたが、しっかり存在感を確保してくれました。

 

 

アガムス

バズド星とスフィアの戦い、バズド星と地球の出逢い、そして喪ったもの。

ようやくと言うべきか、自らの言葉で語ってくれました。

 

今回のお話を見る限りでは、地球人への怒りと同じくらいに過去の自分への怒りがあるようですね。

つまるところは、自分も地球もなくなってしまえばいいというような、自暴自棄にも似たやり切れない感情ゆえの行動…なのかもしれません。

 

さりとてそれはソウマの言うように、単なる「逆恨み」と断ずることのできるものではありません。

また私自身としても、アガムスをして「はた迷惑なヤツだ」と切り捨てることも到底できそうにありません。

他人事ながらもアスミの願うように、アガムスが救われて欲しい、誰かが救ってやって欲しい。そんな想いでアガムスを見ている自分がいます。

 

 

ある種禁断とも言えるスフィアの力に手を出し、増幅させた力でデッカーに挑んだ辺り、アガムスとしては今回ですべてのケリをつけるつもりだったんでしょうか。

あるいは「私自身が"マザー"を…」と呟いていたことから、まだもう一段階ほど策を用意しているのやもしれません。

 

衝撃のラストを迎えた今回でしたが、栄華を極めたらしいバズド星においても有数の科学者だったと思われるアガムスなので、スフィア利用による代償などについても承知だった筈なんですが、記憶喪失も計画の内なんでしょうか。

 

レリア

アガムス最愛の妻であることが明かされました。

作中の台詞から察するに、地球に対してはかなり好意的だったようです。

 

彼女を喪ったことが原因で、アガムスはスフィアを連れて現代に来たわけですから、ある意味では「デッカー」という物語におけるすべてのはじまりとなった超重要人物ということになりますね。

 

今回の描写を見る限りでは…うーん、わずかな希望を抱ける可能性があるような演出だったんですが…どうでしょう。

 

個人的にはアスミ共々、クライマックスで何かしら登場する余地はあるように思っているんですが…。

 

未来を信じる者

ウルトラマンデッカー

テラフェイザー出現を受け迷うことなく変身。バンクなしでの走りながらの変身シーンは最高です。

 

スフィアを取り込みパワーアップしたテラフェイザーを前に、例によって小細工なしで迷わずダイナミックタイプにチェンジ。

マサトシティの一区画を丸々陥没させるほどの超絶な死闘を繰り広げます。

 

世界の終わりを彷彿とさせるような燃ゆる陥没都市での戦いは、本作屈指の迫力に満ちた戦闘パート。

個人的にはウルトラシリーズ全体においても革新的な演出と見せ方だったのではないかなと思っています。

 

スフィアをも取り込んだアガムス=テラフェイザーを相手では、さすがのダイナミックタイプでも苦戦を強いられ、最終的には相討ちのようなかたちでの幕引きとなりました。

ダイナミックタイプがここまで苦戦したのは初めてだったんじゃないでしょうか。

 

 

あと細かいところでは、未来におけるデッカー(おそらくアスミが変身した姿)の戦闘シーンが描かれました。

以前の様子だと、アスミはミラクルタイプを取得していない、あるいは使ったことがないのかと思ってましたが、そんなことはなかったようですね。

 

 

あと、そういえば、最近は全然DC怪獣使わないですね。

前半は「お助けアイテム」的な立ち位置で丁度良いあんばいかなと思ってたんですけど、ダイナミックタイプが出てからというもの、めっきり出番がありません。

総じて完成度の高い「デッカー」でも、数少ないバランスの悪い部分かもしれませんね。

 

 

ウルトラマンダイナ

前回に引き続き登場。と言っても、今回登場したのは未来の時間軸において活躍する姿なので、ほぼほぼハイライトみたいなもんですね。

 

前回の共闘では描けなかった、同タイプ同士のデッカーとの共闘を迫力たっぷりに描いてくれましたね。

これでさらに互いが分身を繰り出して縦横無尽に戦ったらもうどっちがデッカーでどっちがダイナかわけわかんなくなりそうです。

アスカとアスミの絡みも見てみたいですねぇ。

 

 

復讐の挺身

有翼怪獣 チャンドラー

かつてネオメガスを操っていた技術によりアガムスが使役していた地球怪獣です。ペギラそっくりなのはご愛敬。

 

ウルトラマンと戦ったことがない種族として有名でしたが、今回もまたウルトラマンと戦うことなく退場となりました。

 

作中の台詞から、少なくとも「トリガー / デッカー」世界においてはすでに認知されている種族であり、且つ地球怪獣の中でも比較的脅威度が低めに分類されるようですね。

 

ソウマに誘導されて追いかけてくるシーンがけっこう好きです。

 

電脳魔人 テラフェイザー

いよいよスフィアをも取り込み、ますますパワーアップしてきました。

スフィアを取り込んでも外見に変化がないのはやはり生物ではないからでしょうね。ギャラクトロンMK2もまた然り。

 

今回は黒星続きだったあのダイナミックタイプを相手に痛み分け。そのダイナミックタイプと初めて対決した時と今回を見比べると、そのパワーアップのほどもよくわかります。

あのアスミの変身するデッカーであっても、今のテラフェイザーを経験値とテクニックだけで翻弄するのは不可能でしょう。

 

さりとてスフィアの力をもってしてもダイナミックタイプを打ち破ることはできなかったわけですから、次回以降のアガムスがこのテラフェイザーを使ってどんな手を使って来るのかは気になるところです。

 

次回予告

スフィア合成獣の大盤振る舞いになりそうな予感。予告には映ってませんでしたが、スフィアザウルスとスフィアジオモスも来るんですかね。

思ったよりも早くアガムスの記憶は戻りそうですし、カナタとソウマのやり取りも気になるところですし、次回も待ちきれませんねぇ。

 

日にち的には次回が年内最後の放送…ですかね。

終盤に「アイツ」が登場して2週間待たされる流れ…なんてことになりそう。最高の引きですけどね。

 

次回は第23話「絶望の空」です。

 

それではまた。

 

 

 


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