今年は11月中には大掃除を終わらせてしまおうと企んでいます。ARAIです。
さて、6日ぶりの更新となりましたが、早速いきましょう。「ウルトラマンデッカー」第12話の感想です。
例によってネタバレを含みますので、本編未視聴の方はご注意ください。
ウルトラマンデッカー 第12話「ネオメガスの逆襲」
第1クール最終章
第12話ということで、いよいよ「デッカー」も第1クールのクライマックスを迎えることとなりました。
厳密に言えば次回の第13話をもって第1クール終了ということになるんでしょうが、ニュージェネ作品の例に漏れず、次回は総集編がメインの箸休め回になりそうな雰囲気なので、実質的には今回が第1クール最終回と言っても差し支えないでしょう。
まあ「R/B」辺りから第13話はただの総集編というよりも、第1クールのおさらい+エピローグ、兼、第2クールプロローグというような位置づけになりつつあるので、「デッカー」でも何かしら仕掛けて来そうだなとは思っているんですが。
さて、GUTS-SELECT総力戦と銘打たれた今回の第12話。
第10話に登場したネオメガスが早くも再登場すると同時に、前回鮮烈なデビューを果たしたテラフェイザーが本格的にデッカーと共闘します。
第10話での戦いにより遺されたネオメガスの細胞をスフィアが利用し、スフィアネオメガスとして復活。デッカーをも打ち破るその圧倒的な脅威に、GUTS-SELECTが総力をもって挑む、という内容になっています。
今回も今回とて、総じてバランスの取れた仕上がりになっていたかなとは思うんですが、「総力戦」と言うには少しばかり物足りなかったかなというのが正直な第一印象でした。
「GUTS-SELECTの総力」と言うからには、やはりGUTSファルコン+ホーク(グリフォン)はもちろん、ナースデッセイ号バトルモードの登場は欲しかったところ。
サワの台詞から、作戦内容的に小回りの効かないナースデッセイ号は今回の戦闘には不向きということでしたが、さりとて後方から援護射撃を行ったり、補給用あるいは退避場所として地上部隊の付近に待機させるなりできた筈。
また、ハネジローがテラフェイザーを操縦することからホークあるいはグリフォンの出撃は無理でも、カナタかソウマがファルコンを操縦して空中からネオメガスをけん制するなど使い道はあった筈で。
まあGUTS-SELECTに陸戦ライドメカがないのは「トリガー」時代からなので、もうTPUは陸戦ライドメカを配備しない方針なのかなと勝手に思ってはいるんですが、さりとて戦車や車輛が一つもないというのはなんとも物足りないところです。
陸戦部隊員たちによる戦闘パートの迫力と演出が良かっただけに、そこだけが残念かなと。
しかしながら、ハネジローが本格的に介入することとなったテラフェイザー、そしてそのテラフェイザーとバディよろしく共闘し、見事なアシストを果たしたデッカーのスフィアネオメガスとの戦闘パート自体は非常に見応えのある完成度に仕上がっていました。
特に今回のウルトラデュアルソードの技(とその演出)は個人的にはどストライクですね。ヴェントゥスのウィングブレード的なカッコ良さと言えばわかっていただける方はおりますでしょうか。
一方で、珍しく落ち込むカナタとGUTS-SELECT面々との絡みは決して見逃せないシーンの一つでしょう。
特にトレーニングルームにおけるイチカ、ソウマとのやり取りは必見ですね。
第2話の訓練校時代、第3話での屋上での会話、第6話でのカナタとソウマのやり取り(ここにイチカはいませんでしたが)に続き、メイン3人組の関係性を追っていく上で不可欠なものになっていると思います。
何度も言いますが、本当にこういう細かなドラマの積み重ねが「デッカー」は抜群にうまいんですよね。
また、前回のエピソードを経て距離が縮まったアサカゲと少し踏み込んだ話をするカナタや、そんなカナタの秘密を思いがけず知ってしまったアサカゲ、そして未だ掴めないスフィアたちの思惑などなど、今後の「縦軸」に大きく絡んでくると思われる要素もたくさん出てきました。
最強形態であるグリッタートリガーエタニティが登場した前作第12話と比べれば、ビジュアル的な盛り上がりは欠けていたかもしれませんが、ドラマ的には充分な盛り上がりだったと思いますね。
第2クールの開始、そしてあの最強形態の登場に向けての仕込みが着々と進んでいるのだろうなという期待感も大きいです。
ニュージェネレーション・ネオフロンティアを生きる者たち
カナタ
スフィアネオメガスの脅威を前に、珍しく意気消沈している様子が見られました。
デッカーとしては、第1話のキングスフィア戦以来ずっと無敗だったわけですから、そりゃあ落ち込みもするでしょうね。
アサカゲとの会話の中で、ケンゴからの宿題について考え続けていることが改めて語られたのがポイント。
やはり彼の中では未だはっきりとした答え=目標を掴めていない様子。
アサカゲをして、その「あてのない善意」の危険性を指摘されていましたが、後でのハネジローとのやり取りを見るに、今の時点では漠然と、理由や答え、目標を見つける必要性に気付いている「だけ」といったところでしょうか。
実質的には第8話から進歩していないということにはなりますが、前にも書いたようにこの手の疑問とはえてしてこういうものでしょう。そう易々と「答え」が見つけられるわけがないですし。
まだまだもっともっと、考え続けて、探し続けて、そうした先にやっと、カナタだけの、デッカーだけの「答え」にたどり着けるのかもしれませんね。
そしてその時こそ、あの力が発現するのかも…。
あと印象に残ったのは序盤の変身シーンですねやはり。
AI(コンピューター)に無理やり戦闘機から落とされて変身したウルトラマンなんて史上初なんじゃないでしょうか。
落ちながら叫んではいましたが、なんだかんだで冷静にフラッシャーを掲げて変身できちゃう辺り、肝が座ってますね。
ラストシーンにて、思いがけないかたちでアサカゲに正体を知られることになってしまいましたが、果たして…。
イチカ
要所要所で存在感を発揮しています。
見どころはやはりトレーニングルームでのサムズアップですかね。
前回デッカーと文字通り肩を並べて戦ったという経験は、やはり彼女としても、ドラマとしても、大きな意味を持っているようです。
ソウマ
「勝てなかった自分を超える努力をしろ」というカナタ(のおじいちゃん)の言葉に感化され、待機時間中にイチカと3人でトレーニングに励みました。
負傷を押してトレーニングに励む自分に以前、「どうしてそんなに頑張るのか」と問い掛けてきたカナタが、勝てなかった己を超えるために、すなわち次なる失敗を生まないために、ひたむきな努力をしている。
今のソウマであれば、そんなカナタの姿を見て燃えないわけがないというわけですね。
「チーム」として、悔しさや失敗を共有し、限界を超えるため共に努力をする。
これに関しては、この短時間ばかりのトレーニングの効力云々の話と言うよりは、どちらかと言えばメンタルや意識の話でしょうね。
「全員が自分を超えた方が、勝率が上がる」というのは、やはり彼なりの照れ隠しなのかもしれませんが、直後意訳してくれたイチカに対する笑顔がすべてを物語っているようでした。
サワ
作戦にナースデッセイ号が参加しないため、今回は現場指揮として陸戦部隊に参加しました。と言っても、現場での活躍は地味め。
因縁あるネオメガス再登場のお話の割には、いまいち目立てていませんでした。
というか、あれ?もしかしてデッカーの正体に気付いてないのか…?
ハネジロー以外にも実は秘密を知っていた身内ポジションとして大きなドラマを期待していたんですが、今回のアサカゲのこともありますし、もしかしてこのままスルーでいくんでしょうか。
ムラホシ
わずかな細胞からネオメガスの肉体を再構成したスフィアのチートぶりに若干キレているような表情を見せていましたが、眼鏡を外していなかったのでキレてはいなかったのかな。ちょっとイラっとしたぐらいだったんでしょうか。
ハネジローの提案を受けてテラフェイザーによるTRメガバスターの使用を決定。以降はサワに指揮権を与え、ナースデッセイ号で見守るポジションでした。
ハネジローの戦闘データをアサカゲに渡すことで、アサカゲがデッカーの正体を知ることになったわけですが、これがどうにも偶然とは思えない私がいます。
私の中ではなんだかんだで、ムラホシを心から信頼できる「隊長」だとは思えていないようですね。
次回以降、第2クールからの彼の表情と言動には引き続き注視していきましょう。
ハネジロー
やはりどうにも、もはや人間臭いなんてもんじゃないAIユニットです。
今回から本格的にテラフェイザーを操る「戦士」の一人となり、「デッカーとしてのカナタ」の相棒ポジションがますます盤石なものに。
グリフォンから無理やり落として変身させるわ自分の援護のために変身させるわとけっこう無茶やってる印象もあります。
個人的に気になるのは「厳重に」管理していた筈のカナタ=デッカーに関する記録がアサカゲによってあっさりアクセスされてしまった点。
ハネジローの管理が甘かったのか、アサカゲの技術が凄いのか。次回以降にその辺りの言及があれば良いのですが、次回は何やら災難に巻き込まれそうな予感…。
あと、カナタと過ごしていることによる自身の変化(適応とも言う?)にはちゃんと気付いているようなのもポイントですかね。
いわゆる「心」が宿ってきているということなのでしょうか。
アサカゲ
引き続きメキメキと存在感を発揮してきています。
前回までの言動から、決して悪い人じゃないのはたしかかなと個人的には感じているんですが、さりとて今回カナタとの会話の中で見せたあの表情がどうにも気になって仕方ありません。
「あてのない善意」によって、何か傷ついた過去でもあるんでしょうか。
そしてラストシーンにてまさかのデッカー=カナタ(とハネジロー)の秘密を知る役回りに。
第1クール終盤でハネジロー以外にもう一人、誰かしらデッカーの正体を知ることになるだろうなとぼんやり思ってはいましたが…。そしてそれがサワになるのかなと思っていたんですが…。まさかアサカゲになるとは…。めちゃくちゃ予想外でしたね。
デッカーの正体を知ったことで、カナタの脳内にあるデッカーの戦闘パターンとデータを読み取ってテラフェイザーに取り込ませる、なんて、そんな、キサラギ博士のようなポジションにはならないですよね…?
いやそれでハネジローとタッグ組んでデッカーをサポートしてくれるなら良いんですけど…。何でしょう、嫌な予感しかしねぇ…。
訓練校時代の同期の皆さん
第2話に登場したカナタらの訓練校時代の同期が地味に登場していました。
私が気付けたのはノジマ、サトウ、イソザキの3人でしたが、他にも出てたんですかね?
ちなみに中間成績発表ではそれぞれ、2位、4位、6位の人たちでした。
ネオメガスの逆襲
ウルトラマンデッカー
序盤のスフィアネオメガスとの戦闘において、第1話でのキングスフィア戦以来、初めて敗北を喫することとなりました。
敗北の直接的な原因はイチカとソウマを庇ったことですが、描写を見るにあのまま正攻法で戦っていても勝てたかは正直怪しいと思います。
前回のネオメガス戦は、相手がスフィアなしの単体だったにも関わらずGUTSホークと連携してなんとか勝てたという感じだったので、スフィアと融合してしかもスフィアソルジャー部隊も一緒にとなったらそりゃあヤバいよなと。
ストロングタイプにチェンジしても地力の違いがありそうでしたし。
リベンジマッチとなる後半ではテラフェイザーを援護するかたちで登場。
TRメガバスターを発射するテラフェイザーを、ウルトラデュアルソード(デッカーミラクルタイプとトリガースカイタイプの力)で見事に援護し、勝利を収めました。
状況が状況だったので、二戦目ではカラータイマーの点滅はなし。
あと作中ではカットされたようですが、スフィアネオメガス撃破後、機能停止に陥ったテラフェイザーを支えるシーンがあったことがエンディングで明かされています。
テラフェイザー
ハネジローを本格的に専属AIユニットとして導入。前回課題となったオーバーヒートを克服し、TRメガバスターを発射できるまでに改良がなされました。
(発射後は機能停止してたっぽいですが。)
デッカーがストロングタイプにチェンジしてもなお苦戦したあのスフィアネオメガスとほぼほぼ互角の戦いを展開した点は刮目に値しますね。
流石にTRメガバスターを発射するスキをつくるほどの余裕はなかったようですが、さりとてハネジローの制御するテラフェイザーの実力は少なくとも現時点のデッカーと同等か、あるいは若干上回るくらいなのは間違いないでしょう。
これが人類の脅威にならないことを、本当に本当に祈るばかり。
新創合成獣 スフィアネオメガス
以前の戦いで残されたネオメガスの細胞(おそらく背部の角)にスフィアが取りつき、肉体を再構成・強化・融合した存在です。
状況に応じて両腕部が「手」になったり「鎌」になったり。場合によってはスフィアザウルスの「デカ前脚」になったりもします。
その脅威と実力の程は、上に書いた通り。
スフィアメガロゾーアを除いて、現時点における「デッカー」史上最強の怪獣と言えるでしょう。
また、地中に根のようなものを張り巡らせ、何らかのエネルギーを流し込んでいたことが明かされています。
地中からエネルギーを吸収していたらしいスフィアザウルスと真逆のことをしていたことになるわけですが、どうにも嫌な予感しかしませんね…。
スフィアザウルス、そしてスフィアネオメガス。後の巨大な「悪」登場への下準備のような気がしてなりません。
スフィア、地下、エネルギー。この3つのキーワードは常に頭の片隅に留めておいた方が良さそう。
次回予告
ニュージェネ恒例の総集兼箸休め回にして、アイツが正式に本編に帰ってくるようです。
次回は第13話「ジャンブル・ロック」です。
それではまた。