やっぱ、シンプル。 ~ARAIの雑日記~

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【感想】ウルトラQ 第8話「甘い蜜の恐怖」

2週間ぶりの更新です。ARAIです。

最近は「ギャラファイ」に「シン・ウルトラマン」にと、ウルトラ界隈の勢いが凄まじいことになっていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 

私は「シン・ウルトラマン」をまだ観に行けてないので、なんともソワソワフワフワと、落ち着きのない日々を過ごしています(笑)。

今週、来週辺りにでも行けたらいいんですが…。

 

観に行ったらまたTwitterででも報告しますね。

 

さて、それではいきましょう。「ウルトラQ 4K」第8話です。

 

ウルトラQ 第8話「甘い蜜の恐怖」

内容てんこ盛りなミステリー回

愛憎渦巻く…と言うと少し言い過ぎかもしれませんが、今回はなんだか痴情のもつれによって引き起こされたミステリー…のような要素を持っていたように思いました。

ミステリー風な怪獣モノと言うよりは、怪獣モノ風なミステリー、と言った方が良いような雰囲気。ちょっとばかり刑事ドラマ的な要素もあったかもしれません。

 

研究者としての栄光と、それを妬む者の存在。愛する者をめぐる歪んだ感情など、材料的にはもはや完全に2時間サスペンスドラマのそれですね。木村、愛子、伊丹の3人をメインに据えて普通に一本のドラマができてしまうような。

 

さらに、上述のようなどことなく刑事ドラマを彷彿とさせるミステリー要素に加えて、「研究者」としての功罪がもたらすドラマの片鱗を垣間見ることができたり、自衛隊によるミサイルや戦車といったミリタリーな要素もあったりと、内容てんこ盛りな濃密な回になっています。

そして同時に、メインである「怪獣モノ」としての特撮要素もぬかりなく、汽車の横転事故からモングラーの登場と活躍、自衛隊による一斉砲撃など、細やかで迫力のある特撮を思う存分楽しむことができます。

非常に見応えのあるお話でしたね。画面にくぎ付け。

 

 

さて、内容としては、特殊肥料ハニーゼリオンの影響によって巨大化したモグラをめぐる一連の騒動を軸に、その研究開発者である木村と彼のフィアンセである愛子、そして同僚の伊丹の三角関係を絡めたもの。

怪獣枠であるモングラーの出自が「特殊肥料によって巨大化した」というシンプルなものだったので、メインである木村たちの人間ドラマをきちんと描くことができていましたね。

また、淳ら3人組に一の谷博士など、メイン組の出番と見せ場もそれなりに確保できていましたし、総じてバランスの取れた完成度の高いお話だったと言えるでしょう。

 

今回は見ていて、個人的にこうして欲しかったなぁとか、こうなって欲しかったなぁとか、そういったことは特段思いませんでしたね。

まあ強いて言うなら由利子の存在感が若干薄めだったってとこぐらいですかね。強いて言うならですけど。

 

 

今回のオープニングは、久々となるナレーションの後での挿入でした。BGMとナレーションが被らないのは、もしかして第1話以来ですかね。

「あなたの眼は~…」のくだりも久々でした。こっちは第4話以来かな?

 

今回のナレーションは割に控えめというか、これまでのものと比べても短め。しかしながら「一人の男がアンバランスゾーンに"堕ちた"」なんて表現を使う辺り、インパクトは絶大。

そして映像もまた、ただただ暴風に揺れる木々と稲妻を交互に映し出すという非常にシンプルなもの。いつものような不気味さはありませんが、不穏さはバリバリに伝わって来ます。激しい嫉妬の念を抱いた伊丹の心を表したものでしょうか。

 

アンバランスゾーンの住人たち

冒頭、一平にセスナ操縦の手ほどきをしていました。こうして見ると普通の会社の先輩って感じです。怪獣に向かって拳銃ぶっ放したり巨大植物に身一つで立ち向かったりするようには見えません。

上空から汽車の横転事故を目撃したことで、由利子、一平、一の谷博士と共に伊佐山農事試験場を訪れ、モングラーをめぐる一連の騒動に巻き込まれることになりました。

 

今回も持ち前の胆力と行動力は健在。

由利子、一平と共に事件現場となった温室の異変を見抜き、村人の証言を得ることに成功。どこぞの名探偵ばりの佇まいで事件の黒幕たる伊丹を追い詰めました。

その後、丸腰で自衛隊らと共にモングラーの潜伏する洞窟へ突入。モングラーが出現しても慌てることもなく、取り乱す木村を制しながら冷静に撤退する様子などが見られました。

 

ゲストである木村たちのキャラやドラマがしっかりしているというのにこの存在感はさすがといったところです。

 

由利子

一の谷博士と共に、淳らとは若干遅れての登場。

全体的に存在感が薄めだった印象なんですが、事件現場となった温室で「モグラが侵入することの不自然さ」をいち早く見抜いたりもしてます。記者として鍛え抜かれた眼力の賜物でしょう。

作中の様子から、彼女の言葉がなければ淳も見逃していた可能性が高いので、そういう意味では今回のMVPとも言えるかもしれませんね。目撃者の村人と合わせて、木村も頭が上がらないことでしょう。

 

一平

冒頭に淳からセスナ操縦訓練を受けていました。「頭を上げろ」と言われて機首ではなく自分の頭を上げてしまうのはお約束。

訪れた研究室でハニーゼリオンをペロリと摂取しようとしたり、その後で慌てて水をがぶ飲みしたりと随所でクスリとさせてくれます。丁度良い塩梅の三枚目加減。

その後は活躍らしい活躍をしていませんが、伊丹への追及をアシストしたり、何だかんだで洞窟について来ちゃったりと要所要所で存在感を発揮していました。

 

一の谷博士

由利子と共に若干遅れての登場。

巨大植物の次は巨大モグラと、専門分野は特定のジャンルを問わないようです。宇宙関係の会合でも招集されていましたし、もうホントにハンパないほどすごい学者なんでしょうね。ただの民間人である淳たちが現場に入って来ても、警官や自衛隊員に咎められないのは一の谷博士によるところもありそう。

 

アドバイザー的な立ち位置らしく、今回もその冷静さと柔軟さで、淳らとは一歩下がった立ち位置で事件を見ていました。

クライマックスではモングラーの最期を示唆する推測をし、淳らや木村、視聴者に安心感を与えてくれました。

 

木村

ゲストその1。後に栄光の初代ウルトラマンと一体化することとなる黒部進さんが演じられています。今回はハニーゼリオンの研究開発者という役柄。

 

学会への論文発表が間近で、フィアンセである愛子との関係も良好で、まさに順風満帆な人生真っ最中といったところだったのでしょう。

しかして、そんな彼の華やかな光を受けて、伊丹という男の影が生まれることになりました。

まあもっとも、作中の彼の様子を見るに、栄光に浮足立っていたというわけではなく、また、普段からも真面目で控えめな性格だったであろうことが見て取れますね。

伊丹に対しても、特段威張ったりとか見下したりとか、そういったよろしくない態度を取っていたわけでもなさそう。

 

同僚から陥れられ、村人たちから糾弾され、挙句フィアンセも奪われていたかもしれず、お話としては彼は完全に被害者というか、かなり気の毒な立ち位置でした。

 

真面目に生き、働き、幸せを手にしようとしているだけなのに、それを妬む者がいるということ。そしてその者が、自身を脅かす存在になりえるということ。また、一つの失敗で周りの人間が一様に敵になる可能性があるということ。

 

今回の一件は、彼にとって辛く苦しい出来事だったでしょうが、同時に彼自身にとって大きな意味を持つ経験となったとも言えるのかもしれませんね。良い意味でも悪い意味でも。

 

伊丹

ゲストその2。同僚の功績を羨み、また、同僚のフィアンセを愛してしまったがゆえに、途方もないまでの妬みを抱き、心を歪ませた結果、アンバランスゾーンへ「堕ちて」しまった者です。

 

登場早々から怪しい雰囲気をまとい、視聴者的にはバレバレだったわけですが、それでもお話全体が陳腐にならなかったのは絶妙なさじ加減と言えますね。

個人的には今回のドラマパート自体の構成や土台が、割に現実的で視聴者的にも共感できやすいものだったからなのかなと思っています。

 

さて、木村という「光」によって生まれた「影」とも言えるこの伊丹という男。

やったこと自体は卑劣極まりないもので、被害規模から見ても、最早言い逃れも情状酌量も一切の余地はありませんが、どうにも根っからの悪人というわけではなさそうだなと個人的には思っています。

真相が明るみになってからは取り乱しはしたものの、洞窟内で木村に早々と本音を打ち明け、モングラー諸共自決しようと曲がりなりにも事態を収拾させようとしていましたし。

それに、爆破の際に呟いた言葉は、根っからの悪人であれば到底出る筈のないものですしね。研究仲間、同僚としての木村を想う気持ちと、愛子を愛する気持ちにウソはないのでしょう。

 

また、「木村への妬み」が、研究競争に負けたことによるものなのか、愛子に関連するものなのか、あるいはその両方なのか、彼自身でもはっきりと捉えきれていなかった節もありますね。

何が何だか、とにもかくにも妬ましいという強い気持ち。その気持ちが何によるものなのかはわからない。ただただフワフワと、ズルズルと、得体の知れない嫉妬だけが心のあちらこちらにうごめいている。

研究のこと、愛子のこと、木村のこと。

もしかしたら彼は、順風満帆な人生を送っているにも関わらず、真面目で控えめな性格のままでいる木村という人間性にも嫉妬心を抱いていたのかもしれません。

 

自決覚悟の爆破の後、ボロボロになった姿でノコノコふらふらと洞窟から出てきた場面は、彼のキャラクターとしての締まらなさや哀れさ、情けなさを表す演出にも思えるんですが、一方で、直後に吐露する台詞から、彼自身の定まらない嫉妬心、自分の中で整理できていない気持ち、所在のはっきりしない妬み、そういったものも表しているようにも思えました。

 

心の歪みが生み出したもの

もぐら怪獣 モングラー

ハニーゼリオンの影響で巨大化したモグラです。

作中では「モングラー」と呼称されることはなく、終始「モグラ」や「大モグラ」と呼ばれています。

 

その巨体とモグラ特有の性質で村を荒らし大暴れしますが、伊丹の仕掛けたダイナマイト攻撃で地上におびき出されたかたちとなり、そこへ自衛隊の猛攻撃を受け地中へ撤退。

そのまま富士火山帯の地層に激突したことで、死亡したことが示唆されてお話は幕を閉じます。

 

人類への明確な敵意や激しい攻撃性は見受けられず、また、その出自から考えて、総じてかわいそうなヤツです。伊丹の妬みによる犠牲者とも言えるかも。

 

お知らせと次回に向けて

ここのところ、急用や細々とした用事が週末に入ってしまい、じっくり腰を据えて作品を楽しんでブログに感想を書く、という時間を確保することが難しい日が多くなってきました。

 

そこで、これからはブログ更新のペースを少し落として、不定期更新にしていこうかなと考えています。

 

これまでは週1回を目標に更新していたんですが、当面の間は更新ペースに目標を設定せず、気の向くまま、時の過ぎ行くまま、今までよりもいっそうゆるーいペースで更新していこうと思います。

先日Twitterでも少し触れましたが、やはり「好きなこと」を「義務」にしてしまうと良くないでしょうしね。

 

今はこうして楽しくブログを書いているんですが、段々と私自身が立てた「週1回」という目標が「縛り」になって、「義務」になって、「負担」になって…となっていってしまったら嫌だなと。

 

そもそも私が好きで始めたブログで、「週1回」という目標も私が勝手に立てた目標なんですけどね(笑)。

自分の中のメリハリのような、「脱"週1回"」宣言と思っていただければ。

 

ブログ自体はこれまで通り、自分の「好き」にシンプルに、のらりくらりと、ゆるく続けていこうと思います。

 

まあ要するに更新ペースを不定期にするよというお知らせですね。

 

次回の更新が来週なのか、来月なのか、いつになるのかはわかりませんが、更新次第、Twitterでもお知らせさせていただきます。

 

よろしければ、引き続きお付き合いください。

 

 

そういうわけで、次回は第9話「クモ男爵」の感想でお目にかかりましょう。

 

それではまた。