やっぱ、シンプル。 ~ARAIの雑日記~

好きなものについて色々と書いていくブログ

【感想】ウルトラQ 第7話「SOS富士山」

昨年の今頃はベランダにハトの巣をつくられていました。ARAIです。

今年も警戒していたんですが、今のところ大丈夫そうです。ハトさんたちがいらっしゃる気配はないですね。

昨年仕掛けた対策が効果を発揮しているようです。良かった良かった。

 

さあ、それではいきましょう。「ウルトラQ 4K」第7話です。

 

ウルトラQ 第7話「SOS富士山」

樹海のターザン登場

前回とは打って変わって平常運転に戻った感じ。今回は怪奇モノとしての「ウルトラQ」ではなく、怪獣モノとしての「ウルトラQ」でしたかね。

 

富士山を舞台に展開される人間ドラマと岩石怪獣ゴルゴスの重厚感。

まあ前者に関してはやや印象が弱いかなという感じですが、後者、本丸たる怪獣ゴルゴスの存在感と重厚感は文句なしの出来栄え。

岩肌の下で「核」がドクドクと脈打つシーンに始まり、咆哮と共に迫るゴルゴスのシーンは一見の価値ありだと思います。タケルが飛び移って揺さぶられるシーンなども個人的には見どころでしたね。

 

一方で、随所に挿入される場面切替や、ラストシーンでの「終」など、ちょくちょく遊び心の効いた演出も今回の見どころの一つ。

ゴルゴスの重量感と対をなすように、お話にテンポとメリハリを与えてくれているように感じました。

 

 

さて、お話としては、富士山の噴火をめぐる中で突如出現した怪獣ゴルゴスに、樹海で行方不明になっていた青年、「樹海のターザン」ことタケルが挑むというもの。

ロケット遊びをする子どもたちに横山巡査、タケル、タケルの姉と、ゲストが多く賑やかにお話は進行していくんですが、上に書いた通りキャラクター同士の人間ドラマという面では少し弱かったかなという印象ですね。

 

「樹海のターザン」というタケルの、キャラクター性というよりは…なんでしょう、「ターザン」感もやや食い足りないというか…。服着て靴履いて普通に日本語しゃべってますし。

ただまあ、そこであまりしっかり「ターザン」感の設定を固め過ぎてしまうと、今度はドラマ偏重になってしまって、ゴルゴス周りの描写が希薄になってしまったりするおそれもあるんですよね。

それこそお話がとっ散らかってしまうような。なかなか難しいところです。

 

あと個人的にはもう少し子どもたちとタケルの姉の出番を増やして欲しかったようにも思います。

まあ子どもたちはクスリとさせられる例の発破シーンも含めての賑やかし要員と割り切れますし、タケルの姉は短い登場時間ながらもタケルへの切実な想いを感じさせることはできていたと思うので、あまり贅沢は言えませんかね。上に書いた「ターザン」のことも含めて。尺や予算の都合も多分にあったでしょうし。

 

あと、横山巡査は最高に良い味出てましたね。個人的に大好きなキャラクターです。

 

 

今回のオープニングは、サブタイトルである「SOS」の部分がくるりと回っての導入が面白かったですね。富士山をバックにサブタイトル、と、同時に流れるテーマ曲。

一平の運転する車のホイール部分が映し出され、ホイールの円の中で、本編に関連する風景映像とクレジットとが交互に表示されていきます。

そしてナレーションの内容は、悠久の時を生きる富士山に言及したもの。普通に考えたら富士山という自然の壮大な歴史を感じさせてくれるようなニュアンスのナレーションなのに、このオープニングと一緒だとなんでこうも不安にさせられるんでしょうね。

 

アンバランスゾーンの住人たち

「来たらこっちのもん」と評されている男。由利子や一平らとはやや遅れての登場となりました。

今回の活躍は割かし地味め。第5話で大活躍した反動というわけでもなさそうですが、前回今回と大人しくしていますね。

そういえば由利子によると、機動力に定評があるようです。本人の行動力はもちろんのこと、ヘリやジェット機などの操縦技術も抜群なのでしょう。

 

由利子

「勘の鋭さに定評のある」毎日新報の女。冒頭一発目から一平と共に登場。まともな登場は第4話以来となります。

富士山噴火の予兆を嗅ぎつけ取材に赴きますが、そこで出会った横山巡査からタケルの話を聞き、一平に提案されるかたちで取材内容を変更。「樹海のターザン」を追うことになります。

 

今回はカメラを握るシーンが少なめですし―というか今回カメラ持ってたっけ?―、中盤からは主にタケルや横山巡査にスポットが当たっていくので、活躍は控えめ。でも淳よりはマシかな?

 

冒頭での一平とのやり取りは必見ですね。彼らの付き合いの長さがよくわかります。

 

一平

「プ~ンとにおう鼻に定評のある」男。冒頭から由利子と共に登場し、「眉唾な」富士山噴火よりも「樹海のターザン」を取材することを彼女に提案します。

以降は淳や由利子同様に目立った活躍はありませんでしたかね。なぜかカメラを握っていたのが印象的でした。

 

タケル

ゲストその1。「樹海のターザン」にして、「樹海の王者」にして、今回のキーパーソンにして、ゴルゴスを討ち取った「英雄」です。肩書多いな。

 

約15年前に樹海で行方不明となった少年が成長した姿で、本編で語られた様子から樹海に棲む大熊「キング」に育てられたものと思われます。まさに「樹海のターザン」。

が、ちゃんと上下服を着ていたり靴を履いていたり普通に日本語で意思疎通できたりとあんまり「ターザン」感はありません。まあ行方不明になったのが4歳頃らしいので、それぐらいならもう充分にしゃべれる感じかな?

 

あるいは横山巡査は割とタケルのことを知っていそうな感じだったので、時たま彼の話を聞いて日本語を学習する機会があったのかもしれませんね。多分横山巡査が一方的にしゃべってるだけだったでしょうけど。服や靴もその時に譲り受けたのかも。

 

長らく人前に姿を見せたり見せなかったりしていたようですが、横山巡査に危機を救われてからは打倒ゴルゴスに使命を燃やします。

ゴルゴスに飛び移るわ振り払われずに掴まり続けるわ「核」を抜き取るわそれを銃で撃ち抜くわとまさに八面六臂。「樹海の王者」の名はダテじゃあありません。

 

事態収拾後は割にあっさり樹海を離れ、髪を切ってスーツを着て人間社会に復帰していました。あの様子だと村にもすぐに馴染めそうですね。

 

横山巡査

ゲストその2。ある意味今回の陰の立役者…と、言えなくもないオジサンです。

「駄目なんだなぁ、私は…」が口癖で、「日頃から人様に信頼されてない」と自嘲する典型的な「頼りない駐在さん」といった感じなんですが、これがまあ、もうホントに良い味出てましたね。

 

本人曰く、どうにも普段から調子の良いことを言ってあまり周りから信頼されていないようなんですが、早川や子どもたちの様子からはあまりそんな風には感じませんでしたけどね。

まあ実際、富士山噴火の危機を知らせようとしても信じてもらえなかったような節もあるので…、なんでしょう、頼りにされてはいないけれども、親しんではくれている、といった立ち位置なんですかね。

だって「キング」の話をしてた時なんて子どもたちが夢中になって聞いてましたしね。憎めない愛されキャラなのでしょう。

 

また、ゴルゴスの襲撃に遭い動けなくなっていたタケルを救出するなど、土壇場での根性と人柄の良さも見せてくれています。さすがに落石で洞穴に閉じ込められた時は無力でしたが。

その後も切迫した場面で妙に落ち着いた言動をするなど、ところどころクスリとさせられます。

 

これまでの「ウルトラQ」のお話の中で一番好きなゲストキャラかも。

 

命を宿した岩石

岩石怪獣 ゴルゴス

吉野のお池から打ち上げられた巨大岩石から誕生した怪獣。岩石状態だったところを一度発破された後、その欠片が未知なる現象によって再構成を果たし、怪獣の姿となりました。目が怖いです。

 

岩石怪獣の肩書の通り体表は岩石そのもので、拳銃による攻撃ではビクともしません。

口からは蒸気のようなものを吐き、短いながらも四足揃えた歩行移動が可能と、人類にとっての並々ならぬ脅威と言える存在ですね。

その辺のウルトラ戦士でも斃すのに一苦労でしょう。

 

岩石状態時より、脈動する「核」のようなものが存在し、そこをタケルに取り出され、拳銃で撃ち抜かれることで活動を停止しました。

 

その出自や目的は一切不明で、地底温度の上昇との関連も本編では明言されることはありませんでした。

どうやら80年前にも一度、吉野のお池が高温になったことがあったようですが、どうも無関係とは思えませんね。

 

「核」の脈動と岩石ならではの重厚感の演出がお見事!

 

次回に向けて

次回は第8話「甘い蜜の恐怖」です。

 

それではまた。