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【感想】ウルトラセブン 第23話「明日を捜せ」

8月も終わりに近づいて来ました。

皆さんいかがお過ごしでしょうか。ARAIです。

 

それでは今日もいきましょう。「セブン4K」第23話です。

 

ウルトラセブン 第23話「明日を捜せ」

エピソード・オブ・キリヤマ ~ホラーで肉付けされる「キリヤマ」というキャラクター~

キリヤマ隊長というキャラクターがまた一つ深掘りされたお話だったかなという印象でした。

今まで描かれてきた「キリヤマ“隊長”」というキャラクターあるいはイメージという名の骨子に、「キリヤマ」という個人の男のパーソナルのようなものが肉付けされていったような感覚でしたかね。詳しくは下でまた書いていこうと思いますが、今回の彼が見せる表情一つとってみても、見直せばまた新たな発見ができそうな感じ。

そして夕陽をバックにしたスーツ姿のキリヤマ隊長は一見の価値ありのカッコ良さでしたね。大人の男の渋さ全開です。

 

また、今回もまた怪奇、というより、今回はどちらかと言えばホラー要素の濃い演出が散見されたところも印象的。

わけもわからずいきなり男がダンプカーで追われているシーンも衝撃的でしたが、やはり夜の闇の中、安井の前に次々と現れるシャドー星人のシーンは必見ですね。ホラーの代名詞のような展開でした。

 

加えて、首だけで襲い掛かってくるガブラや、猛毒に侵され倒れこみ消滅するセブンなど、戦闘パートも面白い画や演出が多く、今回も総じて見応えのあるお話になっていました。

 

「セブン4K」ももう少しで半分になりますが、何というか、今のところ本当に「ハズレ」の回がありませんね…。

もちろんお話や展開、演出によっては多少のツッコミどころや「おいおい」と思うシーンももちろんあるんですが、何だかんだでワクワクしながら楽しんでいる自分がいます。思わず見入ってしまうような。

この感覚こそが、名作が名作たる所以なのかもしれませんね。

 

不可視の侵略者たち ~宇宙ゲリラと猛毒怪獣~

登場したのは宇宙ゲリラシャドー星人と猛毒怪獣ガブラ。

前者は今や「ジード」の「ゼナ先輩」でお馴染みの種族ですが、もちろん今回登場した個体たちがオリジンです。

 

 

ゼナ先輩のようなキレッキレのアクションシーンは見られませんが、不可視の状態で地球へ侵入したり、地球防衛軍の兵器工場を秘密裏に爆破したり、セブンを相手に騙し討ちを仕掛けるなど、なかなかに狡猾で、目的のためならば手段を選ばないという性格が全面に描かれました。しかしまあ、やっていることは「ゲリラ」というよりも「工作員」に近かったですかね。

 

自身らの計画を予知能力によって看破した安井を邪魔者とみなし執拗に追い掛けるシーンから物語が始まったわけですが、どういう経緯で安井の予知能力のことを知ったのかが気になるところ。

冒頭の時点では、まだ安井はウルトラ警備隊と接触していなかったわけですから、どこかで安井の占いを聞きつけ、ウルトラ警備隊の耳に入る前に始末しようとした、といったところでしょうかね。まあたとえウルトラ警備隊の耳に入っていたとしても、自分たちの計略をバンバン予知する輩を放っておいても良いことはないでしょうから、シャドー星人としては早めに始末するに越したことはないでしょう。

劇中では複数体出現しましたが、そのほとんどがウルトラ警備隊の手によって斃されました。ダンとの格闘やウルトラガン数発でやられたところを見ると、防御力や耐久性は地球人のそれとあまり大差はなさそう。

最終的には、生き残っていた個体たちも円盤ごとセブンに破壊されました。

 

一方、後者の猛毒怪獣ガブラ。

獅子舞のような頭部が特徴的なシャドー星人の用心棒ですが、見た目そのままに肉弾戦が得意な様子。戦闘序盤はセブン相手になかなか善戦しましたが、アイスラッガーで首を切断され死亡…と思いきやまさかの首だけで動くというチート技を披露。牙から分泌される猛毒をもってセブンに喰らいつき、大ダメージを負わせました。

首から下が無くとも毒を発していたことから、毒を生成する器官は胴体ではなく、頭部あるいは牙そのものであると考えられます。

最終的にはかろうじてセブンに円盤を破壊されたことで制御を失い、活動停止。自身の毒が逆流でもしたんでしょうか、頭部がドロドロに腐敗し、死亡しました。

 

このガブラ。見た感じ「生物」のような気もするんですが、シャドー星人の円盤によって頭部だけで活動できたり、その円盤が破壊されるや活動停止したりと、なんだかロボットかサイボーグのような要素もありました。元々の「ガブラ」という生物をシャドー星人が制御装置をつけたのか、あるいは改造を施したのか、それとも自分たちの用心棒として「ガブラ」というロボットを作り上げたのか。どっちなんでしょう。

まあ「ジード」のゼガンを見るに、今回のガブラも、実験と研究の末に生み出された生物兵器とするのが妥当なところでしょうが…。

 

地球を護る男 ~その男、キリヤマ~

今回のウルトラ警備隊はやはりキリヤマ隊長。

上に書いた通り、今回はある意味でキリヤマ隊長編というか、彼というキャラクターが深掘りされたお話だったようにも思います。

 

ただならぬ様子の安井を真っ先に保護し、彼の言葉が事実であるということを前提にまずは調査を開始。部下や上司に呆れられながらも、「人間の持つ予知能力や霊感を信じる」として休暇を申し出て単独で安井の護衛に向かうなど、頑固でありながらも筋を通そうとする側面が描かれていました。

「予知能力や霊感を信じている」という下りは、まあ意外というか唐突というか。しかしこれを「人間の持つ力を信じている」と言い換えると何となく納得できたりも。

 

また、マナベ参謀とのやり取りも見どころの一つでしたね。第13話「V3から来た男」でのクラタ隊長とのやり取りといい、立場を越えた関係性から垣間見える男のドラマというのは良いものです。

 

あとはやはりと言うべきか、ダンは疑いなくキリヤマ隊長に合流してきましたね。

 

思えば序盤からダンがいないことが不思議だったんですが、シナリオの都合上、どうしてもダンを外しておく必要があったんですね。

後に1週間の宇宙パトロールの任務に出ていたことが明かされましたが、前半のあの場面、あの状況で、もしダンがいた場合、熱く真っすぐな彼のこと、キリヤマ隊長の意見を全面的に支持し、他の隊員を説得したことでしょう。そしてアンヌ隊員を筆頭に、ソガ隊員など他の隊員も感化されつつ、皆の本心はどうあれ、おそらくウルトラ警備隊全員で安井の護衛につくことになっていただろうと思います。

 

しかし今回のドラマパートの展開上、そうするわけにはいかなかった。だからこそあの場面からダンを外した。

むしろあの状況でダンがいたとして、他の隊員たちと同じように安井を信じず、キリヤマ隊長を笑っていたとしたら、それはもうダンじゃありませんから。

 

キリヤマ隊長が単独行動を開始したあの時点で納得しました。ああ、ダンがいないとこうなるな、と。

そして同時にこうも思いました。ああ、ダンならきっと隊長についていくだろうな、と。

 

キリヤマ隊長にとっては、あくまで自分の直感に従いつつも、立場上の筋をきちんと通した上での行動だったので、おそらくは部下達から理解してもらえなくとも構わないと思っていたことでしょうが、それでもなお宇宙から帰還したダンが真っ先に自分の下へ駆けつけてくれたことは相当嬉しかったでしょうね。

 

宇宙ゲリラとの戦い ~猛毒に倒れる真紅のファイター~

戦闘パートのなかった前回と打って変わって、今回の戦闘パートは見応えがありました。

 

岩山を突き破っての迫力満点の登場シーンに始まり、シャドー星人のだまし討ちにも冷静に対応。出現したガブラへ果敢に挑み、激しい肉弾戦を展開しました。

その後、スキをつき放ったアイスラッガーでガブラの頭部を切断し、勝利を収めたかと思いきや、またもシャドー星人のだまし討ちに遭いガブラの頭部と対峙。スキをつかれ左肩に喰らいつかれてしまいます。

 

猛毒に侵される中、意識が遠のいていくような描写も見られましたが、安井の応援もありかろうじて放ったハンドビームでシャドー星人の円盤を撃破。

からくも勝利しますが、すでに猛毒が身体を巡ってしまったのか、あるいはこれ以上の消耗を防ぐためか、地面に倒れこみそのまま姿を消してしまいました。

 

第2クールも終わりに近づいている中で、いよいよセブンが苦戦する描写が多くなってきましたね。そして同時に、傷つき倒れる姿も…。

 

その他 ~次回に向けて~

「明日」を「捜せ」と言われた次は、「北」へ「還れ」と言われてしまいます。命令形サブタイトルシリーズはまだ続くようです。

 

フルハシ隊員にスポットが当たる次回のお話は、演じる毒蝮三太夫さんも印象的なエピソードとして語っておられましたね。

 

次回は第24話「北へ還れ!」です。

 

それではまた。

 

 

明日を捜せ

明日を捜せ

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